8月30日でも花粉は飛ぶ?夏の終わりに増えるブタクサ・ヨモギ・イネ科の秋花粉を解説

花粉症、アレルギー

「8月末なのに急にくしゃみや鼻水、目のかゆみが出た」という場合、花粉が原因になっている可能性はあります。花粉症というと2~4月ごろのスギ・ヒノキをイメージしがちですが、日本では夏の終わりから秋にかけても別の植物の花粉が飛散します。

環境省の花粉症環境保健マニュアルでは、カモガヤやオオアワガエリなどのイネ科は春から初秋まで、ブタクサやヨモギなどのキク科、カナムグラは夏の終わりから秋にかけて花粉が飛散するとされています。環境省 花粉症環境保健マニュアル[参照]

そのため、8月30日という時期は「花粉がまったく飛んでいない季節」ではありません。ただし、実際にどの花粉がどれだけ飛んだかは地域や天候によって異なるため、日付だけから全国一律に「多かった」と判断することもできません。

8月30日ごろは秋の花粉が飛び始める時期

8月末に注目したい代表的な花粉の一つがブタクサです。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の用語解説では、ブタクサ花粉は日本で8~10月に飛散し、秋の花粉症を引き起こす代表的な抗原とされています。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 ブタクサ花粉[参照]

さらにヨモギ、カナムグラ、イネ科なども夏から秋に症状を引き起こす可能性があります。つまり「スギ・ヒノキの季節ではないから花粉症ではない」とは言い切れません。

例えば毎年8月末~10月になると鼻水やくしゃみが増え、河川敷や草地を歩いた日に悪化するという場合は、春とは異なる植物の花粉に反応している可能性も考えられます。

2026年8月30日の関東でも草本花粉は確認されている

実際の観測例を見ると、東京都八王子市では2026年5月下旬~11月下旬に、夏から秋の花粉としてイネ科、ブタクサ属、ヨモギ属、カナムグラを観測しています。8月20日にはブタクサが「少ない」、8月24日にはイネ科とブタクサが「少ない」と記録されていました。八王子市 花粉飛散数観測結果[参照]

また、2026年8月30日の埼玉県について公開されていた花粉情報では、スギ・ヒノキは飛散なし、草本花粉は非常に少ないという予測でした。つまり関東の一例では、春の主要花粉が大量に飛んでいた状況ではない一方、草本花粉についてはゼロと断定できない時期だったと考えられます。

したがって8月30日に花粉症のような症状が出ても、季節的に不自然ではありません。一方で、居住地域が分からなければ、その日にどれだけ飛散していたかを正確に判断することはできません。

「ほかの人は大丈夫だった」は花粉症かどうかの判断材料になりにくい

同じ日に外出した人が平気だったとしても、自分だけ鼻水や目のかゆみが出ることは十分あり得ます。花粉症は、どの花粉に感作されているかによって反応する植物が人それぞれ異なるためです。

例えば春のスギ花粉には強く反応するもののブタクサには反応しない人もいれば、スギではほとんど症状がなく秋のブタクサやヨモギで症状が出る人もいます。同じ場所にいた人同士でも症状が違うことは珍しくありません。

また、その日の行動によって花粉への接触量も変わります。草地や河川敷、公園など植物の多い場所を長時間歩いた人と、屋内で過ごした人では条件が異なります。

秋花粉はスギ花粉とは飛び方にも違いがある

ブタクサやヨモギなど秋の花粉の原因になる植物は、道路脇、空き地、河川敷、堤防など身近な場所にも生育しています。そのため、植物が多い場所へ近づいたときに症状が強くなることがあります。

秋の草本花粉は、スギのような高い樹木から広範囲へ飛散する花粉とは環境が異なります。身近な草むらを避けるだけでも、花粉への接触を減らせる場合があります。

散歩やランニングをした後だけ鼻水・くしゃみが増える場合は、歩いた場所も記録しておくと原因を考えるヒントになります。

鼻水やくしゃみが出ても花粉とは限らない

8月末に鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目の違和感が出たからといって、必ず花粉症というわけではありません。風邪などの感染症、ハウスダスト、ダニ、カビ、冷房による刺激などでも似た症状が起こることがあります。

特に発熱、強いのどの痛み、全身のだるさなどが伴う場合は、花粉症以外の原因も考える必要があります。一方、「透明な鼻水」「繰り返すくしゃみ」「鼻や目のかゆみ」が特定の季節や屋外活動と連動する場合はアレルギー性鼻炎を疑う材料になります。

環境省も、自分が症状を起こす季節から原因花粉を推定できるものの、耳鼻咽喉科、眼科、アレルギー科などで原因となる花粉について検査を受けることを勧めています。環境省 花粉症環境保健マニュアル[参照]

8月末に花粉症らしい症状が出たときの対策

花粉の影響が疑われる場合は、まず花粉との接触を減らすことが基本です。環境省は、顔にフィットするマスクやメガネの着用、花粉を室内へ持ち込まない服装、手洗い・うがい・洗顔・洗髪などを対策として挙げています。環境省 花粉症対策[参照]

秋花粉の場合は、ブタクサやヨモギなどが生えている草むらへ不用意に近づかないことも対策になります。症状が出た日の天候だけでなく、「どこへ行ったか」「何時ごろ症状が強くなったか」を記録しておくと役立ちます。

毎年同じ時期に症状を繰り返す、症状が強く睡眠や仕事・学校に影響する、市販薬を使っても改善しない場合は、耳鼻咽喉科やアレルギー科などで相談するとよいでしょう。

花粉情報を見るときは地域と花粉の種類を確認する

花粉情報を見る際は「今日の花粉は多い・少ない」だけでなく、対象地域と花粉の種類を確認することが重要です。8月末なら、春のスギ・ヒノキだけを確認して「花粉ゼロ」と判断すると、秋の草本花粉を見落とす可能性があります。

環境省によると、花粉の飛散時期には地域差があります。イネ科は春から初秋まで、ブタクサやヨモギなどは夏の終わりから秋に飛散するため、8~10月は秋花粉も意識して情報を見るとよいでしょう。

また、予報と実際の観測値は同じではありません。特定の日に症状が強かった場合は、可能であれば自治体などが公開している地域の花粉観測結果も参考にすると、より状況を把握しやすくなります。

まとめ:8月30日でも花粉症はあり得る

8月30日はスギ・ヒノキ花粉の主要シーズンではありませんが、花粉そのものが存在しない季節ではありません。環境省によるとイネ科は初秋まで、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどは夏の終わりから秋にかけて花粉が飛散します。

2026年8月末の関東でも草本花粉が確認されている地域があり、8月30日に花粉症のような症状が出ること自体は十分考えられます。ただし飛散量は地域や天候によって違うため、場所が分からない状態でその日の飛散量を一律に断定することはできません。

周囲の人に症状がなかったとしても、自分が反応する花粉や接触量は人によって違います。毎年8月末から秋に鼻水・くしゃみ・目のかゆみなどを繰り返す場合は、秋花粉を一つの可能性として考え、地域の観測情報を確認したり、必要に応じて耳鼻咽喉科やアレルギー科へ相談したりすると原因を絞り込みやすくなります。

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