皮膚にできた「イボ」を取る方法を調べていると、液体窒素やレーザーだけでなく、医療用のハサミやメスなどで切除する方法を目にすることがあります。そこで気になるのが、処置中の痛みや局所麻酔が切れた後の痛みです。
ただし、一般に「イボ」と呼ばれているものには、ウイルス性の尋常性疣贅、首などにできる軟性線維腫、脂漏性角化症などさまざまな病変が含まれます。ハサミで切る方法が適しているか、麻酔が必要か、処置後にどの程度痛むかは、病変の種類・大きさ・場所・切除する深さによって変わります。
そのため「皮膚科なら液体窒素、形成外科なら麻酔をしてハサミ」と単純に分けるのではなく、まず病変を診断してもらい、それに適した治療法を選ぶことが大切です。
医療用ハサミで取ることがある「イボ」とは?
ハサミによる切除が選択肢になる代表例の一つが、首やわきなどにできる軟性線維腫です。柔らかく皮膚から飛び出した小さな病変では、医療機関で基部を切除する方法が選択されることがあります。
一方、ウイルスが原因となる尋常性疣贅では、液体窒素による凍結療法など別の治療が広く行われています。日本皮膚科学会の尋常性疣贅診療ガイドラインでも、液体窒素凍結療法をはじめ複数の治療法が取り上げられています。日本皮膚科学会 尋常性疣贅診療ガイドライン[参照]
つまり、見た目が「イボっぽい」というだけでハサミによる切除が適しているとは限りません。色や形が変化している病変などでは、そもそも良性のイボなのかを診断することが先になります。
ハサミで切るときは必ず麻酔をする?
局所麻酔を使用するかどうかは、病変の大きさや場所、切除方法、医療機関の方針などによって異なります。小さく細い病変では麻酔を使用せず処置される場合もありますし、痛みが予想される場合には局所麻酔を行ってから切除することもあります。
局所麻酔を行う場合、切除そのものの痛みは抑えられます。ただし麻酔薬を注射するときには針を刺す痛みや薬液が入る際の刺激を感じることがあります。「麻酔をする=最初から最後まで完全に無感覚」とは限りません。
痛みに不安が強い場合は、診察時に「切除するときに局所麻酔は使いますか」「麻酔注射はどの程度必要ですか」と確認して構いません。実際の病変を診た医師であれば、予定している処置に応じた説明ができます。
麻酔が切れた後は痛くなる?
局所麻酔が切れれば、処置した部分にヒリヒリする感じ、軽い痛み、触れたときの痛みなどが出る可能性があります。皮膚を切除している以上、処置後の痛みが絶対にゼロとはいえません。
ただし痛みの程度は、切除した範囲や深さなどによって大きく異なります。ごく小さな隆起を切除した場合と、大きな病変を切除して縫合した場合では、処置後の状態も同じではありません。そのため「麻酔が切れたら必ず激痛になる」と考える必要もありません。
麻酔後の痛みが心配なら、処置を受ける前に「麻酔が切れた後はどの程度痛む可能性がありますか」「痛み止めは必要ですか」と確認しておくのが確実です。必要に応じて医師から鎮痛薬の使用方法などについて指示があります。
皮膚科と形成外科はどちらで取るのがよい?
「皮膚科では麻酔をしてもらえない」「形成外科なら必ず麻酔をしてハサミで取ってもらえる」という決まりはありません。皮膚科でも局所麻酔を使った皮膚手術は行われますし、形成外科でも病変によっては別の治療法を提案されます。
一般的には、皮膚科は皮膚疾患の診断・治療を専門とし、形成外科は皮膚や皮下組織などの外科的治療、傷あとや形態・機能の修復などを扱います。しかし実際にどこまでの処置を行っているかは医療機関によって異なります。
| 確認したいこと | 内容 |
|---|---|
| 病変の診断 | 何という種類の「イボ」なのか |
| 切除方法 | ハサミ、メス、液体窒素など何を使うのか |
| 麻酔 | 局所麻酔を使用するか |
| 処置後 | 出血、痛み、傷の手入れはどうするか |
| 傷あと | 色素沈着や瘢痕が残る可能性 |
| 費用 | 保険診療か自由診療か |
「なるべく痛くない方法がよい」「傷あとが気になる」といった希望を診察時に伝え、その病変に適した方法を提案してもらうのが現実的です。
自分でハサミを使って切るのは避ける
細く飛び出した小さなイボを見ると、自宅のハサミや爪切りで切れそうに感じることがあります。しかし、自己処置はおすすめできません。出血、感染、傷あとなどの問題が起こる可能性があるほか、切ろうとしているものが本当に単純な良性病変なのか自分では判断できないためです。
また、ウイルス性のイボであれば周囲へ広がる可能性もあります。医療機関では病変を診断したうえで治療方法を選択できることが、自宅で切る場合との大きな違いです。
特に急に大きくなった、出血する、色が不均一、形が変化しているなど気になる病変については、自己処置をせず皮膚科などで診察を受けましょう。
切除後に強く痛む・腫れる場合は医療機関へ相談
処置後には医師から傷の洗い方、ガーゼや保護材の扱い、入浴、運動などについて指示されることがあります。傷をきれいに治すためにも、自己流ではなく処置した医療機関の指示に従うことが大切です。
麻酔が切れた後に多少の痛みが出ることはあり得ますが、時間とともに痛みが強くなる、赤みや腫れが広がる、膿が出る、発熱する、出血がなかなか止まらないなどの場合には処置した医療機関へ相談しましょう。
処置前に「痛みが出た場合はどの薬を使ってよいか」「出血したらどうするか」「次回受診は必要か」まで聞いておくと、麻酔が切れた後も落ち着いて対応できます。
まとめ:イボのハサミ切除後の痛みは処置内容によって異なる
医療用ハサミを使って皮膚の隆起を切除する方法は実際にありますが、すべての「イボ」に適した治療ではありません。まず皮膚科や形成外科で病変の種類を診断してもらうことが重要です。
局所麻酔を使えば処置中の痛みは抑えられますが、麻酔が切れた後にヒリヒリ感や痛みが出る可能性はあります。その程度は病変の大きさ、場所、切除範囲、縫合の有無などによって変わるため、一律には予測できません。
皮膚科だから麻酔なし、形成外科だから麻酔ありという決まりもありません。「何のイボなのか」「ハサミ切除が適しているか」「麻酔をするか」「術後どの程度痛む見込みか」を診察時に確認し、自分が納得できる方法を選ぶとよいでしょう。


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