風邪・インフルエンザかも?と思ったときに今すぐできること|発熱前の対処と受診の目安

病気、症状

「喉がおかしい」「寒気がする」「体がだるい」「明日起きたら熱が出そう」と感じると、何とか今のうちに風邪やインフルエンザを食い止めたいと思うものです。しかし、すでに感染・発症が始まっている場合に、気合いや特定の食べ物、厚着などで確実に発熱を阻止する方法はありません。

一方で、何もできないわけではありません。無理をせず早めに休む、水分を確保する、体温や症状を記録する、周囲への感染を広げないといった対応には意味があります。インフルエンザだった場合は、症状が出てから早い段階で医療機関へ相談することが治療上重要になるケースもあります。

「ゴリ押しで発症させない」ことを狙って無理に運動したり、徹夜したり、大量に汗をかいたりするより、今夜は体を休ませることを優先しましょう。ここでは、風邪やインフルエンザかもしれないと感じた段階でできることと、翌朝に発熱した場合の対応を解説します。

風邪・インフルエンザを「気合いで止める」方法はある?

体調の違和感が出た直後に「今ならまだウイルスに勝てるのでは」と考えることがありますが、感染後の経過を意思の力で止めることはできません。また、熱い風呂、大量の発汗、激しい運動、栄養ドリンクなどでインフルエンザの発症を確実に防げるという根拠もありません。

そもそも喉の違和感や倦怠感だけでは、普通の風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などを自分で正確に区別するのは困難です。急性呼吸器感染症にはさまざまな病原体があり、症状にも共通点があります。厚生労働省も急性呼吸器感染症を、ウイルスや細菌など多様な病原体によって起こるものとして案内しています。厚生労働省 急性呼吸器感染症(ARI)に関するQ&A[参照]

「昨日は絶対に熱が出ると思ったのに翌朝は平気だった」ということもありますが、それは特定の行動で感染を撃退した証明にはなりません。疲労や睡眠不足など、感染症以外の原因で一時的に体調が悪くなっていた可能性もあります。

今夜できることは「十分に休む・水分をとる」が基本

体調に違和感があるなら、夜更かしを避け、できるだけ早く休める状態を作りましょう。厚生労働省も急性呼吸器感染症の対策として、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を挙げています。厚生労働省 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策Q&A[参照]

水やお茶など飲みやすいものを手元に用意しておくのもよいでしょう。食欲があるなら普段どおり食べても構いませんが、「大量に食べれば治る」と無理をする必要はありません。食欲が落ちているときは消化しやすく食べやすいものを選びます。

また、今の体温を測って記録しておくと翌朝との比較に役立ちます。喉の痛み、咳、鼻水、寒気、頭痛、関節痛、強い倦怠感など、現在ある症状も簡単に記録しておくと、受診することになった際に経過を説明しやすくなります。

大量に汗をかけば治る?熱い風呂や激しい運動は避ける

昔から「汗を出せば風邪が治る」といわれることがありますが、厚着や激しい運動で無理やり大量の汗を出して感染症を治す方法はおすすめできません。発汗すると水分を失うため、発熱が始まっている場合にはかえってつらくなることがあります。

入浴についても、体調が悪いときに高温の湯へ長時間入って「ウイルスを熱で倒そう」とする必要はありません。寒気やふらつき、強い倦怠感があるなら無理をせず休むことを優先します。

同様に、ランニングや筋トレで体温を上げる方法も避けましょう。翌日の予定を何とかこなすために夜更かしして作業を済ませるより、体調が悪化する可能性を考えて早めに睡眠を確保するほうが現実的です。

周囲へうつさない対策も早めに始める

まだ発熱していなくても、咳、喉の違和感、鼻水などの呼吸器症状がある場合は、家族や周囲へ感染を広げないことも考えます。厚生労働省は、急性呼吸器感染症の症状がある場合には人混みへの外出を控え、咳エチケットを徹底するよう案内しています。厚生労働省 急性呼吸器感染症の症状がある場合の対応[参照]

咳やくしゃみがあるときは、不織布マスクを適切に使用する、ティッシュや腕の内側で口と鼻を覆う、使用したティッシュを捨てた後に手を洗うといった基本的な対策が役立ちます。

同居家族に高齢者、乳幼児、妊婦、基礎疾患のある人などがいる場合は特に配慮し、可能なら距離をとる、換気を行う、タオルなどの共用を避けるといった対応も検討しましょう。

翌朝に熱が出たらどうする?

翌朝に発熱していた場合は、無理をして学校や仕事へ行くより、自宅で休養して経過を確認します。厚生労働省もインフルエンザなどの急性呼吸器感染症の症状がある場合、人混みへの外出を控え、無理をして学校や職場へ行かないよう案内しています。厚生労働省[参照]

体温だけでなく、発症した時間、喉の痛み、咳、鼻水、頭痛、筋肉痛・関節痛、倦怠感などを確認します。「昨夜○時ごろから寒気があり、朝○時に38℃になった」というように記録しておくと医療機関へ相談するときに役立ちます。

インフルエンザかどうかは症状だけでは確定できません。必要に応じて医療機関で診察や検査を受けることになります。受診方法は医療機関によって異なるため、発熱がある場合は事前に電話や公式サイトなどで受診方法を確認するとスムーズです。

インフルエンザなら早めの受診が重要になることもある

インフルエンザには抗インフルエンザウイルス薬があります。厚生労働省によると、適切な時期、具体的には発症から48時間以内に治療を開始すると、発熱期間が通常1~2日短縮され、鼻や喉からのウイルス排出量も減少するとされています。厚生労働省 インフルエンザ[参照]

ただし、抗インフルエンザ薬はすべての患者に必ず必要というわけではありません。使用するかどうかは症状、年齢、持病などを踏まえて医師が判断します。「インフルエンザっぽいから」と家族の余った薬を自己判断で飲むことは避けてください。

高熱や強い全身症状が出た場合や、重症化リスクが高い人は、何日も我慢してから相談するのではなく早めに医療機関へ相談することが大切です。

市販薬を飲めば発症そのものを止められる?

一般的な市販の風邪薬や解熱鎮痛薬は、発熱、喉の痛み、鼻水などの症状を和らげる目的で使用するものであり、飲めばインフルエンザの発症そのものを阻止できるというものではありません。

市販薬を利用する場合は用法・用量を守り、複数の風邪薬や解熱鎮痛薬を重ねて飲まないよう注意します。商品名が違っても同じ有効成分が含まれていることがあり、意図せず重複する可能性があります。

年齢、妊娠・授乳、持病、アレルギー、服用中の薬などによって適した薬が異なるため、分からない場合は薬剤師・登録販売者や医療機関へ相談しましょう。

すぐ医療機関への相談・救急対応を考えたい症状

風邪やインフルエンザと思っていても、症状によっては自宅で様子を見るだけでは適切でない場合があります。特に呼吸が苦しい、意識がおかしい、反応が鈍い、唇などが青紫色になる、強い胸痛がある、水分をほとんど取れないといった状態では、速やかな医療対応が必要です。

また、高齢者、妊婦、乳幼児、基礎疾患がある人、免疫機能が低下している人などは、一般的な健康な成人より早めに医療機関へ相談したほうがよい場合があります。

緊急性が高いと感じる場合は119番を利用します。判断に迷う場合は、地域で利用できる救急相談窓口なども活用してください。

今夜から翌朝までの行動をシンプルに整理

「明日の朝には熱が出そう」と感じた段階では、特別な民間療法をいくつも試すより、次のように準備して休むほうが現実的です。

  1. 現在の体温と症状を確認する
  2. 水分を用意する
  3. 無理な運動・飲酒・夜更かしを避ける
  4. できるだけ早く睡眠・休養をとる
  5. 咳や鼻水があるなら周囲への感染対策をする
  6. 翌朝もう一度体温と症状を確認する
  7. 発熱や強い症状があれば無理に外出せず、必要に応じて医療機関へ相談する

つまり、今できる「抵抗」はウイルスを力技で追い出すことではなく、悪化させるような無理を避け、体調変化へすぐ対応できる状態にしておくことです。

まとめ:風邪・インフルエンザかもと思ったら無理に止めようとせず早めに休む

風邪やインフルエンザの前兆のような症状が出たときに、汗を大量に出す、激しく運動する、特定の食品を大量に摂るといった方法で確実に発症を阻止することはできません。「ゴリ押しでならないようにする」より、十分な休養と水分を確保することが基本です。

今夜は体温と症状を記録し、夜更かしや激しい運動を避けて早めに休み、翌朝の状態を確認するのが現実的な対応です。咳や鼻水などがある場合は、発熱前でも周囲への感染を減らすための咳エチケットや手洗いを意識しましょう。

翌朝に発熱し、インフルエンザが疑われる場合は必要に応じて早めに医療機関へ相談してください。抗インフルエンザウイルス薬は発症から48時間以内に開始すると効果が期待しやすいとされています。呼吸困難や意識の異常など明らかに重い症状がある場合は、通常の風邪として我慢せず速やかに医療機関や救急へつなげることが重要です。

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