目の充血やかゆみがあり、眼科で「はやり目かもしれない」と言われたものの、検査では確定せず、その後すぐ症状がなくなった場合、学校へ行ってよいのか判断に迷うことがあります。
一般に「はやり目」と呼ばれる流行性角結膜炎は、主にアデノウイルスによる感染力の強い結膜炎です。学校では出席停止の対象になる感染症ですが、登校再開の基準は「充血が消えた」「発症から一律2週間たった」といった日数だけではなく、学校保健安全法施行規則に基づいて判断する必要があります。
一方、アレルギー性結膜炎など感染性ではない目の病気でも充血・かゆみは起こります。診断自体が「疑い」の段階なら、自己判断で登校可・不可を決めるより、診察した眼科と学校の双方へ確認するのが確実です。
「はやり目」とは流行性角結膜炎のこと
はやり目は一般に流行性角結膜炎を指し、アデノウイルスによって起こります。主な症状として結膜の充血、目やに、涙、まぶたの腫れなどがあり、感染力が強いことが特徴です。
ただし症状の出方には個人差があるため、「目やにがないから絶対にはやり目ではない」「発熱がないから違う」と症状一つだけで除外することはできません。また、周囲に患者がいなくても感染症を完全には否定できません。
反対に、充血とかゆみがあるだけで必ず流行性角結膜炎というわけでもありません。アレルギー性結膜炎などでも似た症状が起こるため、眼科では症状、結膜の状態、経過などを踏まえて診断します。
はやり目は学校で出席停止の対象になる
流行性角結膜炎は、学校保健安全法施行規則で第三種の感染症として扱われています。文部科学省の「学校において予防すべき感染症の解説」でも流行性角結膜炎が第三種感染症として示されています。文部科学省 学校において予防すべき感染症の解説[参照]
重要なのは出席停止期間です。学校保健安全法施行規則では、流行性角結膜炎について「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」が出席停止の基準とされています。e-Gov 学校保健安全法施行規則[参照]
したがって、「発症から必ず14日間休む」「充血がなくなった翌日なら必ず登校できる」という全国一律のルールではありません。感染のおそれがない状態かどうかを医師が判断することがポイントになります。
充血が治っただけで登校してよいとは限らない
目が白く戻り、かゆみや痛みもなくなれば本人としては治ったように感じます。しかし、流行性角結膜炎と診断または強く疑われて出席停止として扱われている場合、見た目だけで登校を再開するのは避けたほうがよいでしょう。
例えば「28日に流行性角結膜炎の可能性を指摘され、29日午後から充血がなくなり、30日以降は無症状」という経過だったとしても、29日に充血が引いたことだけから感染性が完全になくなったとは判断できません。
一方で、最初はアレルギー性結膜炎と考えられ、後日「もしかすると、はやり目かもしれない」と言われただけで診断が確定していない場合には、そもそも学校側がどのように扱うか確認する必要があります。「疑い」と「確定診断」の違いを含め、診察した眼科へ問い合わせる価値があります。
検査をしていない=診断できない、とは限らない
流行性角結膜炎ではアデノウイルスの迅速検査が使用されることがありますが、検査を行わなければ何も判断できないというわけではありません。眼科医は症状や結膜の所見、発症経過などから臨床的に判断することがあります。
また、迅速検査も万能ではなく、陰性だからアデノウイルス感染を100%否定できるわけではありません。そのため「検査していないから医師の判断は無効」「検査が陰性なら必ず登校可能」と単純には考えられません。
ただし、学校への登校可否が問題になっているのに診断や今後の指示が曖昧な場合は、再確認する合理的な理由があります。「前回は流行性角結膜炎の可能性があるとのことでしたが、現在症状がありません。学校へ登校してよい状態でしょうか」と眼科へ具体的に確認するとよいでしょう。
診断書や登校許可書が必要かは学校にも確認する
医師が登校可能と判断した場合でも、学校へ提出する書類が必要かどうかは学校や地域の運用によって異なることがあります。そのため眼科へ書類作成を依頼する前に、学校へ確認するのが効率的です。
| 確認先 | 確認したいこと |
|---|---|
| 眼科 | 流行性角結膜炎と診断したのか、疑いなのか |
| 眼科 | 現在の状態で感染のおそれがないと判断できるか |
| 学校 | 「はやり目疑い」の場合も出席停止として扱うか |
| 学校 | 登校再開時に医師の証明・登校許可書などが必要か |
| 眼科 | 学校指定書式がある場合に記入してもらえるか |
始業式まで時間があるのであれば、その間に学校へ電話で必要な手続きを確認し、必要に応じて眼科へ再相談しておけば、登校日になってから慌てずに済みます。
症状が消えていても眼科へ再確認する意味はある
「必ずもう一度来てください」と言われなかった場合でも、登校の可否を判断する必要が生じたなら、再度眼科へ問い合わせたり受診したりして問題ありません。特に前回の診察で「はやり目かもしれない」と説明されている場合は、感染性の判断を確認する意味があります。
必ずしも最初から再診予約を取る必要があるとは限りません。まず眼科へ電話し、「流行性角結膜炎疑いと言われたが現在は無症状で、学校への登校判断が必要になった」と伝え、再診が必要か確認する方法もあります。
診察が必要と言われたら再受診し、現在の眼の状態を確認してもらいます。学校が医師の証明を求める場合には、そのことも受付時に伝えましょう。
はやり目が疑われる間は家庭内感染にも注意する
流行性角結膜炎は接触によって広がるため、疑われている期間は目を触った手から家族などへ感染を広げないよう注意します。目を触った後は石けんと流水で手を洗い、タオルや洗面用品の共用を避けることが基本です。
症状が再び現れた場合も注意が必要です。充血、目やに、まぶたの腫れ、強い異物感などが再発した場合には眼科へ相談しましょう。また、強い目の痛み、まぶしさ、視力低下などがある場合は早めの眼科受診が必要です。
処方された点眼薬についても、症状がなくなったから自己判断で変更・中止するのではなく、処方時の指示に従います。点眼期間が分からない場合は眼科または薬剤師へ確認してください。
まとめ:はやり目疑いの登校再開は「症状が消えた日」だけで決めない
流行性角結膜炎、いわゆる「はやり目」は学校保健安全法施行規則で第三種感染症として扱われ、出席停止の基準は一律の日数ではなく、病状により学校医その他の医師が感染のおそれがないと認めるまでとされています。
充血、かゆみ、痛みがなくなったことは改善を示す重要な変化ですが、それだけを根拠に自己判断で登校可能と決めるより、流行性角結膜炎を疑った眼科へ登校してよい状態か確認するのが確実です。検査をしていなかったとしても、診察所見から疑われている以上、登校判断について改めて問い合わせることに問題はありません。
同時に学校へ「流行性角結膜炎の疑いと言われたが現在は無症状」と伝え、登校再開に医師の証明書や学校指定書式が必要か確認しましょう。眼科と学校の双方へ確認しておけば、診断が曖昧なまま自己判断で長期間欠席したり、反対に感染性が残っている可能性がある状態で登校したりすることを避けやすくなります。

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