カロナールはアセトアミノフェンを有効成分とする解熱鎮痛薬です。通常は用法・用量を守って使用する薬ですが、一度に多数の錠剤を服用した場合はアセトアミノフェンの急性中毒として緊急に医療機関で評価を受ける必要があります。PMDAのカロナール錠の添付文書でも、アセトアミノフェンの過量投与によって重篤な肝障害が起こるおそれが注意されています。PMDA カロナール錠200・300・500[参照]
特に重要なのは、服用直後に元気であったり、自覚症状がほとんどなかったりしても、自宅で症状が出るまで待たないことです。アセトアミノフェン中毒では初期症状だけから重症度を判断できず、その後に肝障害が明らかになることがあります。
カロナールを処方量より大幅に多く飲んだ場合や、何錠飲んだか分からない場合は、症状の予測をして自宅で様子を見るのではなく、すぐに119へ連絡するか救急医療機関へ相談してください。日本中毒情報センターの中毒110番も、医薬品を含む実際の急性中毒について365日24時間相談を受け付けています。日本中毒情報センター 中毒110番[参照]
カロナールの大量服用で最も注意するのは肝障害
カロナールの有効成分であるアセトアミノフェンは、大量に服用すると通常の代謝経路では処理しきれなくなり、肝臓へ大きな負担を与える可能性があります。重症化すると深刻な肝障害につながるため、過量服用は「少し多く鎮痛薬を飲んだだけ」と考えるべきではありません。
過量服用後には、吐き気、嘔吐、食欲不振、倦怠感、顔色が悪くなる、発汗、腹部の不快感などが現れることがあります。しかし、これらが必ず出るわけではありません。
症状が軽い、あるいは何も感じないことは安全の証明になりません。アセトアミノフェン中毒では服用した時刻や量、体重、併用薬、飲酒や栄養状態なども含めて医療機関で判断する必要があります。
「これからどんな症状が出るか」を待ってはいけない理由
薬の大量服用では、意識がなくなる、激しく吐くといった分かりやすい症状がすぐ出ると思われがちです。しかしアセトアミノフェンの場合、初期には症状が乏しいケースがあります。
そのため「吐き気がないから大丈夫」「数時間たって元気だから病院へ行かなくてよい」という自己判断は危険です。医療機関では服用状況を確認し、必要に応じて血液検査などによって肝機能や中毒の危険性を評価します。
アセトアミノフェンの過量服用には医療機関で使用される治療薬もあります。治療の必要性や方法は服用量だけで自己判断するものではないため、症状の出現を待つのではなく、過量服用した事実を基準に医療機関へ連絡することが重要です。
大量に服用した場合に今すぐすること
明らかに処方された量を超えて多数のカロナールを飲んだ場合は、まず追加の薬を飲まず、119または医療機関へ連絡します。意識がおかしい、強い眠気がある、けいれんしている、呼吸がおかしい、倒れているなど緊急性の高い状態なら、迷わず119を利用してください。
救急隊や医療機関には「カロナールを飲んだこと」「錠剤の規格」「おおよその錠数」「飲んだ時刻」「ほかに飲んだ薬やアルコールがあるか」を分かる範囲で伝えます。薬のシート、袋、処方箋の情報などが残っていれば捨てずに持参すると確認に役立ちます。
自分で運転して病院へ向かうのは避けてください。途中で体調が変化する可能性があります。一人でいる場合は、可能であれば家族や信頼できる人にも状況を伝え、一人きりにならないようにします。
自分で吐かせたり大量の水を飲んだりしない
薬を大量に飲んだ直後、「吐けば吸収されずに済む」と考えることがありますが、自己判断で無理に吐かせるのは避けてください。嘔吐物を気道へ吸い込むなど別の危険が生じる可能性があります。
牛乳や大量の水を飲む、別の薬を飲んで打ち消すといった自己流の対処も行わず、救急隊・医療機関・中毒110番から指示を受けてください。
また、市販の風邪薬や鎮痛薬にもアセトアミノフェンが含まれている製品があります。PMDAも、アセトアミノフェンを含むほかの薬との併用による過量投与と重篤な肝障害について注意喚起しています。PMDA カロナール錠 添付文書[参照]
中毒110番は24時間利用できる
日本中毒情報センターの中毒110番は、薬を誤って多く飲んだ場合など、実際に発生した急性中毒について情報提供を行っています。一般向けは365日24時間対応です。日本中毒情報センター 中毒110番・一般専用[参照]
- 大阪中毒110番:072-727-2499
- つくば中毒110番:029-852-9999
ただし、大量服用が明らかな場合や意識・呼吸などに異常がある場合は、中毒110番への相談だけで受診を先延ばしにせず、119へ連絡することを優先してください。
意図的に大量服用した場合は身体と心の両方の安全確保が必要
服用量を間違えたのではなく、つらさや自傷目的から意図的に大量の薬を飲んだ場合は、肝障害への治療だけでなく、その後もう一度薬を飲んでしまわないための安全確保も必要です。
残っているカロナールやほかの薬を追加で飲まず、可能であれば信頼できる人に預けてください。そして一人にならず、「薬を大量に飲んだ」「一人でいると危ない」とそのまま伝えて救急へ助けを求めて構いません。
大量服用した直後は、将来のことをすべて解決しようとする必要はありません。まず医療につながり、身体への影響を確認して治療を受けることが最優先です。
まとめ:カロナールの大量服用は症状がなくても救急相談を
カロナールの有効成分であるアセトアミノフェンは、過量服用すると重篤な肝障害を起こす可能性があります。吐き気、嘔吐、食欲不振、倦怠感などが現れることがありますが、初期にほとんど症状がない場合もあるため、自覚症状だけで安全かどうかを判断することはできません。
処方量を大幅に超える量を一度に飲んだ場合は、「どんな症状が出るか」を待つのではなく、今の時点で119または医療機関へ連絡してください。自分で吐かせたり、別の薬を飲んだり、自分で車を運転して受診したりするのは避けます。
連絡するときは、薬の名前、錠剤の規格、おおよその錠数、服用時刻、ほかに飲んだ薬やアルコールを伝え、薬のシートや袋も用意します。アセトアミノフェンの過量服用は早い段階で医療機関につながることが重要なため、症状がない段階でも受診を先延ばしにしないことが大切です。


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