コントミン(一般名:クロルプロマジン)は、精神科領域などで使用される医療用医薬品です。処方された量を超えて一度に服用すると、単に「眠くなる」「アカシジアが出る」といった範囲では収まらず、意識障害、著しい血圧低下、運動症状などを伴う急性中毒につながることがあります。
特に、「大量に飲みたい」「何も起きないならやめたい」という状態では、具体的な錠数から安全性や症状を予測しようとすること自体が危険です。体格、普段の服用量、併用薬、飲酒、持病などによって影響が変わり、同じ量でも結果は一定ではありません。
すでに処方量を超えて飲んでいる場合や、今まさにまとめて飲みそうな場合は、症状がなくても様子見をせず119や中毒110番へ相談してください。 これから飲もうとしている段階なら、薬を手元から離し、可能なら家族や信頼できる人に預け、一人にならないことが優先です。
コントミンの過量服用では「何も起きない」とは予測できない
コントミンの有効成分であるクロルプロマジンは、中枢神経や自律神経など幅広い作用を持つ薬です。PMDAの患者向医薬品ガイドでは、多く使用した場合の症状として、傾眠、昏睡、血圧低下、錐体外路症状などが記載されています。PMDA・コントミン患者向医薬品ガイド[参照]
つまり、過量服用した結果が「少し眠くなるだけ」になる保証はありません。意識が低下して自分で助けを呼べなくなったり、立ち上がった際に血圧が下がって転倒したりする可能性もあります。
また、過量服用の危険性は錠数だけでは決まりません。ほかの向精神薬、睡眠薬、抗不安薬などを使用している場合や、アルコールを一緒に摂取した場合などには状況が変わります。そのため、インターネット上で「この量なら大丈夫」と線引きすることはできません。
アカシジアは起こり得るが、過量服用の結果として予測することはできない
アカシジアは、じっとしていられない、脚を動かしたくて仕方がない、座っていられず歩き回るなどの強い落ち着かなさを特徴とする錐体外路症状の一つです。抗精神病薬で生じることが知られています。
ただし、コントミンを大量に服用したときに「アカシジアが出るか」「どの程度出るか」を事前に予測することはできません。むしろ過量服用では、強い眠気や意識障害、血圧低下など、アカシジアとは別の危険な症状が前面に出る可能性があります。
アカシジアが起こるかどうかを確かめる目的で量を増やすことは、安全な試し方にはなりません。 過量服用は副作用を一つ選んで起こせるものではなく、望んでいない重い作用まで同時に起こり得ます。
すでに多く飲んだ場合は症状が出るまで待たない
処方された量を超えて服用した場合、「今のところ何ともないから大丈夫」と判断するのは避けます。薬物中毒では、服用してから症状が現れたり強くなったりすることがあるためです。
日本中毒情報センターの中毒110番は、医薬品などによる急性中毒について一般向けに24時間365日相談を受け付けています。大阪中毒110番は072-727-2499、つくば中毒110番は029-852-9999です。日本中毒情報センター[参照]
意識がおかしい、呼びかけても反応が鈍い、立てないほどふらつく、けいれんする、呼吸がおかしい、倒れたといった場合は119番で救急要請が必要です。本人だけで自動車を運転して病院へ向かうことは避けてください。
過量服用したときに自己判断で吐かせない
薬を多く飲んだと気づくと、指を喉に入れて吐こうとすることがあります。しかし、意識が低下する可能性のある薬では、吐いたものを気道へ吸い込む危険があります。
そのため、自己判断で無理に吐かせたり、大量の水や牛乳を飲んで薄めようとしたりせず、119や中毒110番、医療機関の指示を受けることが重要です。
相談時には、薬のシートや袋を手元に用意し、薬の正式名称、錠剤の規格、おおよその服用時刻、通常の処方内容、ほかに飲んだ薬やアルコールの有無を伝えます。残っている薬や薬袋は捨てず、受診時に持参すると診療の手掛かりになります。
「どうしても飲みたくて仕方ない」という状態そのものが緊急の相談対象になる
過量服用について調べている段階でも、「どうしても飲みたくて仕方がない」「何も無理になった」という状態であれば、薬の副作用だけを調べて終わらせないことが重要です。大量服薬を実行する前であれば、危険な行動までの距離を物理的に広げることができます。
具体的には、処方薬のシートや薬袋を自分のいる部屋から移し、家族や友人など信頼できる人に一時的に預けます。一人暮らしの場合も、誰かに「今、薬をまとめて飲みそうなので一緒にいてほしい」とそのまま伝えて構いません。
すでに薬を手に持っている、今夜実行する可能性が高い、自分では止められないという場合には、119番への相談も選択肢です。「まだ飲んでいないから救急ではない」と一人で判断する必要はありません。
主治医には「大量に飲みたい衝動」をそのまま伝える
精神科・心療内科でコントミンを処方されている場合、次回診察では単に「調子が悪い」と伝えるより、「処方薬を一度に大量に飲みたくなる衝動がある」と具体的に伝えるほうが重要です。
こうした情報があれば、医師は現在の精神状態だけでなく、処方日数や薬の管理方法、薬剤の選択、家族による管理が必要かなども含めて検討できます。これは叱られるための情報ではなく、安全に治療を続けるために必要な医学情報です。
夜間や休日で主治医へ連絡できない場合には、公的な相談窓口を利用できます。厚生労働省の「こころの健康相談統一ダイヤル」は0570-064-556で、電話をかけた所在地の公的な相談機関につながります。受付時間は地域によって異なります。厚生労働省[参照]
今すぐできる安全確保を優先する
過量服用の衝動が強いときは、原因を深く分析するより、まず実行しにくい環境を作るほうが重要です。
- 薬を自分の手が届かない場所へ移し、可能なら他人に預ける
- 一人にならず、家族や友人などに今の状態を伝える
- 飲酒を避ける
- すでに過量服用した場合は自分で運転しない
- 服用済みなら119または中毒110番へ相談する
- 服用前でも止められない状態なら救急や精神科の緊急相談につなぐ
例えば「薬を飲みたい衝動があるけれど、詳しく説明する気力がない」というときは、信頼できる相手に「今、一人で薬を持っているのが危ない。預かってほしい」と一文だけ送る方法でも構いません。
まとめ:コントミンの過量服用はアカシジアの有無では安全性を判断できない
コントミンを処方量以上に服用した場合、アカシジアなどの錐体外路症状が起こる可能性はあります。しかし、それだけでなく傾眠、意識障害、血圧低下などの重い中毒症状が起こり得るため、「アカシジアが出るか」「何も起きないか」を確かめる目的で大量に飲むことは非常に危険です。
すでに多く服用している場合は症状を待たず、119または日本中毒情報センターへ連絡します。 中毒110番は大阪072-727-2499、つくば029-852-9999で、一般向けに24時間365日対応しています。日本中毒情報センター[参照]
まだ飲んでいないものの「飲みたくて仕方がない」状態なら、薬を一人で管理し続けず、信頼できる人へ預けて一人にならないことが重要です。そして主治医には、大量服薬を考えたこと自体を具体的に伝えます。過量服用を防ぐことと、その衝動が生じるほどつらくなっている状態を治療することの両方が必要です。

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