「今から消えたい」「自分を傷つけてしまいそう」というほど追い詰められているとき、勇気を出して相談窓口へ電話したのに、混雑してつながらなかったり、休日で受付時間外だったりすることがあります。しかし、電話相談につながらないからといって、そこで助けを求める方法がなくなるわけではありません。
今すぐ自分の命を絶つ・自分を傷つける可能性があるときは、相談電話がつながるまで一人で耐える段階ではありません。119番への通報、救急外来への受診、近くの人に助けを求めるなど、直接安全を確保する行動を優先します。
長い事情を説明する必要もありません。「自殺しそうです」「一人だと危ないです」「今、自分を傷つけそうです」と短く伝えるだけでも構いません。電話で話し続けること自体が難しい場合には、24時間365日のチャット相談など文字で利用できる窓口もあります。
今すぐ自分を傷つけそうなら119番を利用してよい
「今日中に死のうと思っている」「すでに自分を傷つけた」「大量に薬を飲んだ」「具体的な方法や場所を決めていて、実行しそう」という状態では、通常の悩み相談窓口だけに連絡を続けるのではなく、119番へ連絡して救急の助けを求めることを優先します。
119番では詳しい人生の経緯を最初から説明する必要はありません。「自殺しそうで危ないです」「自分を傷つけてしまいそうです」「薬を大量に飲みました」など、現在起きていることを伝えます。すでにけがや過量服薬をしている場合には、何を・どのくらい・いつ行ったか、分かる範囲で伝えます。
自分で電話できないほどつらい場合は、家族、友人、同居人、近所の人、ホテルや施設のスタッフなどに「119を呼んでください」と頼む方法もあります。命の危険が差し迫っているときは、相談窓口につながるまで待つことより、現実に人がいる場所へ移動して安全を確保することが重要です。
一人にならず、危険な物や場所から距離を取る
強い自殺衝動があるときには、「この先ずっとどう生きるか」を今決める必要はありません。まずは次の数十分から数時間を安全に過ごすことを優先します。そのためには、可能であれば一人きりの場所から人のいる場所へ移動します。
家族や友人に連絡できるなら、「詳しく話せないけど、今一人だと危ない。そばにいてほしい」と短く伝えて構いません。説明する元気がなければ、「今かなり危ない」「一人にしないで」とメッセージを送るだけでも、助けを求める意思は伝えられます。
薬、刃物、ロープなど自分を傷つけるために使えそうな物が手元にある場合は、自分から離れた場所へ置く、家族などに預ける、その場所から離れるといった方法でアクセスしにくくします。高所、線路、車道、水辺など危険な場所にいる場合も、できるだけ人のいる安全な場所へ移動し、必要なら119番や110番へ助けを求めます。
電話がつながらないときは24時間365日のチャット相談もある
「電話を何か所にもかけたのにつながらない」という場合には、電話だけに方法を限定する必要はありません。厚生労働省は、自殺対策のSNS相談として複数のチャット・LINE相談窓口を案内しています。厚生労働省 SNS相談窓口一覧[参照]
その中の「あなたのいばしょ」は、年齢・性別を問わず、24時間365日、無料・匿名で利用できるチャット相談として厚生労働省のページにも掲載されています。電話で声を出すことが難しいときや、相談電話が混雑しているときの別ルートになります。
相談先を一つずつ自分で探す余力がない場合は、厚生労働省の相談先一覧から電話・SNSなどの方法を選ぶこともできます。厚生労働省 自殺対策・相談先一覧[参照]
24時間の電話相談も一つだけではない
電話で誰かと話したい場合、厚生労働省が案内する「#いのちSOS」は、0120-061-338で24時間365日相談を受け付けています。「死にたい」「消えたい」「生きることに疲れた」といった気持ちを相談できる窓口です。厚生労働省 電話相談窓口[参照]
同じページには「よりそいホットライン」など複数の相談先も掲載されています。ただし、24時間対応と案内されている窓口でも、相談が集中すればすぐにつながらないことはあります。「つながらない=相談するほどではない」という意味ではありません。
そして、すでに自分を傷つける行動に移りそうなほど切迫している場合は、相談電話を順番につながるまで試し続けることより119番などの緊急対応を優先します。相談窓口と救急医療は役割が異なります。
「詳しく説明する元気がない」ときは一言だけでもよい
非常につらい状態では、何があったのかを順序立てて説明すること自体が大きな負担になります。相談相手へ完璧に事情を説明する必要はありません。
例えば「今、死にたい気持ちが強い」「一人にすると危ない」「詳しく説明する元気がない」「今夜を一人で過ごせない」といった短い言葉だけでも構いません。家族や知人へのメッセージでも同様です。
救急外来などへ行く場合も、受付で「自殺したい気持ちが強くて、自分一人では安全を保てません」と伝えることが重要です。言葉が出なければ、スマートフォンに文章を入力して見せる方法もあります。
休日だから助けを求められないわけではない
精神科や心療内科、自治体の相談窓口などは休日・夜間に通常診療を行っていない場合があります。しかし、自分の命を守れないほど切迫した状態は、次の平日まで我慢して通常の相談窓口が開くのを待つだけの問題ではありません。
休日・夜間でも、緊急性が高ければ119番を利用できます。すでに通院している精神科などがある場合には、時間外の連絡方法について案内を受けているならそれも確認します。
また、「今夜は何とか安全に過ごせそうだが、死にたい気持ちが続いている」という場合でも、次の診療時間になったら精神科・心療内科、かかりつけ医、地域の精神保健福祉センターなどへ相談することが大切です。厚生労働省では地域の公的相談窓口へつながる「こころの健康相談統一ダイヤル」0570-064-556も案内していますが、対応時間は地域によって異なります。厚生労働省 こころの健康相談統一ダイヤル[参照]
まとめ:相談電話がつながらなくても、そこで助けを求めるのを終わりにしない
「消えたい」という気持ちが強いときに何か所もの相談窓口へ電話し、それでもつながらない状況は、さらに孤立感を強めることがあります。しかし、相談電話が混雑していることは、助けを受けられないという意味ではありません。
今すぐ自分を傷つける可能性がある場合は119番などの緊急対応を利用し、一人にならず、危険な物や場所から離れることを最優先にします。説明する力が残っていなければ、「今、自殺しそうです」「一人だと危ないです」という短い言葉だけでも十分に重要な情報です。
まだ緊急行動には移っていなくても、電話がつながらない場合には24時間365日のチャット相談など別の方法があります。電話、チャット、身近な人、救急医療はどれか一つしか使えないものではありません。今を一人だけで乗り切ろうとせず、その時点でつながる手段を使って人との接点を確保することが最優先です。


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