インフルエンザで熱が下がった後にまた39度の発熱|ぶり返し?再発熱で注意したい肺炎などの合併症

インフルエンザ

インフルエンザA型と診断されて数日間発熱が続き、いったん平熱近くまで下がったのに、その日の夜や翌日に再び38~39℃台の熱が出ることがあります。このような経過は一般に「熱がぶり返した」と表現されることがありますが、原因までインフルエンザの単純なぶり返しと決めることはできません。

インフルエンザの経過中には体温が上下することがあります。一方、いったん改善した発熱が再び高くなった場合には、肺炎などの合併症や別の感染症も考慮する必要があります。特に発症からすでに数日経過している場合は、再発熱を「よくあること」と自己判断せず、全身状態や呼吸器症状を確認することが大切です。

インフルエンザの熱は何日くらい続く?

インフルエンザは、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などが比較的急速に現れることが特徴です。厚生労働省は、多くの場合は1週間程度で回復すると説明する一方、肺炎などを伴って重症化することがあるとしています。厚生労働省 インフルエンザQ&A[参照]

発熱の続く期間や体温の推移には個人差があり、「○日目なら必ず平熱になる」という決まりはありません。解熱剤を使用していれば薬が効いている間だけ体温が下がり、効果が切れたあとに再び上昇することもあります。

そのため、一度体温が下がったという事実だけではインフルエンザから完全に回復したとは判断できません。ただし、数日間高熱が続いたあと明らかに解熱し、その後再び39℃前後まで上昇する場合は、経過を慎重に見る必要があります。

「いったん下がって再び高熱」は単純なぶり返しとは限らない

例えば24日に発熱し、25日にインフルエンザA型と診断され、29日まで発熱が続いたあと30日にいったん解熱し、30日深夜から31日にかけて39℃台へ再発熱したとします。この場合、発症から約1週間経過しているため、単なる体温変動だけでなく合併症なども含めて考える必要があります。

インフルエンザでは肺炎が合併することがあります。インフルエンザウイルス自体による肺炎だけでなく、経過中に細菌による二次感染を起こす場合もあります。また、中耳炎や副鼻腔炎など別の感染症が発熱に関係することもあります。

「再び熱が出た=インフルエンザウイルスが復活した」とは限らない点が重要です。高熱が再び出た場合は、熱以外に新しく現れた症状がないか確認しましょう。

再発熱したときに確認したい症状

再発熱した場合には、体温だけではなく呼吸、意識、水分摂取など全身状態を見ることが重要です。特にインフルエンザの症状がいったん改善してから再び悪化した場合には注意します。

確認すること 注意したい変化
呼吸 息苦しい、呼吸が速い、胸が痛い
急に悪化した、痰が増えたなど
意識 反応がおかしい、ぼんやりする、起こしにくい
水分 ほとんど飲めない、尿が極端に少ない
全身状態 いったん良くなったのに急激に悪化した
発熱 高熱が再び出て続いている

米国CDCも、インフルエンザの緊急性が高い警告症状として、呼吸困難、胸部の持続する痛み・圧迫感、意識状態の異常などに加え、「発熱や咳が改善した後に再び悪化する」ことを挙げています。CDC Signs and Symptoms of Flu[参照]

39℃台まで再発熱したら再診を検討する

発症から数日経過し、一度解熱したあと再び39℃台の発熱が出た場合には、処方された薬だけでそのまま様子を見るより、診断を受けた医療機関やかかりつけ医へ連絡して再診の必要性を確認するのが安全です。

受診時には「インフルエンザです」とだけ伝えるのではなく、最初に発熱した日、診断日、何日まで発熱していたか、一度何℃まで下がったか、何時ごろ再発熱したかを伝えると経過を把握してもらいやすくなります。

例えば「24日発熱、25日A型陽性、29日まで発熱、30日は解熱、30日深夜に39.2℃、31日朝38.2℃」というように時系列で伝えます。服用している抗インフルエンザ薬や解熱鎮痛薬の名前・最後に服用した時間も伝えましょう。

呼吸困難や意識異常などがあれば急いで医療機関へ

再発熱があっても、すべてのケースが救急疾患というわけではありません。しかし、息が苦しい、胸の痛みがある、唇の色がおかしい、意識がもうろうとしている、けいれんがあるなどの場合には、通常の診療時間まで待つべきではない場合があります。

また水分をほとんど取れない、何度も吐いてしまう、尿がほとんど出ないなど、強い脱水が疑われる場合も早めの医療相談が必要です。乳幼児、高齢者、妊娠中の人、基礎疾患がある人などは重症化リスクも考慮します。

緊急性が高い症状がある場合には119番を含め適切な救急医療を利用してください。判断に迷う場合は、地域で利用できる救急相談窓口へ相談する方法もあります。

自宅では体温だけでなく経過を記録する

再診まで自宅で過ごす場合は、安静と水分補給を心がけます。食事を無理に大量に取る必要はありませんが、水分が取れているか、尿が出ているかを確認しましょう。

体温については短時間に何度も測るより、測定時間と体温を記録しておくと医師へ説明しやすくなります。解熱鎮痛薬を使用した場合には、その時刻も一緒に記録します。

自己判断で抗菌薬を使用したり、以前処方された残りの薬を追加したりすることは避けます。また、インフルエンザでは年齢などによって使用に注意が必要な解熱鎮痛薬もあるため、処方薬や医師・薬剤師から案内された薬を用いることが基本です。

まとめ:解熱後の再発熱は「ぶり返し」だけで片付けず経過を見る

インフルエンザでは発熱の程度や期間に個人差があり、途中で体温が上下することもあります。そのため一度下がったあと再び熱が出たからといって、必ず重大な異常があるとは限りません。

一方、数日間発熱したあと一度改善し、発症から約1週間の時点で再び39℃前後まで発熱した場合には、単純な「インフルエンザのぶり返し」と自己判断せず、肺炎などの合併症や二次感染も考えて医療機関への再相談・再診を検討することが大切です。

特に息苦しさ、胸痛、意識状態の異常、著しい脱水などがあれば早急な受診が必要です。そうした症状がなくても高熱が再び出ている場合は、発熱からの経過と服薬状況を時系列で整理し、診断を受けた医療機関へ連絡するとよいでしょう。

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