病院で白紙の紙に医師のサイン・病院印をもらえる?診断書や証明書を依頼するときの正しい方法

病院、検査

整形外科などを受診した際、「医師のサインや病院のハンコが必要」と言われることがあります。このとき、何も書かれていない白紙を持参して、先に医師の署名や病院印だけをもらうことができるのか疑問に思う人もいるでしょう。

結論からいうと、用途や記載内容が決まっていない完全な白紙に、医師の署名や病院の公印だけを先に入れてもらうことは、通常は期待しないほうがよいでしょう。署名・押印された白紙は、その後に第三者が内容を書き加えることができ、医師や病院が確認していない内容まで証明したように見えるおそれがあるためです。

一方、学校、勤務先、保険会社、行政機関などから指定された用紙があり、その必要事項を医師に記載・証明してもらうことは一般的に行われています。必要なのが「サインとハンコ」だとしても、まず何のための書類なのかを病院へ伝えることが重要です。

白紙へのサインと「持参した所定用紙への記入」は別物

病院へ持って行く紙が白っぽく見える場合でも、「完全な白紙」と「提出先が指定した様式」では意味が大きく異なります。例えば保険会社の診断書、学校の証明書、職場へ提出する書類などは、患者が原本を病院へ持参し、医師に作成を依頼することがあります。

実際に医療機関では、病院所定の診断書だけでなく、患者が持参した様式の診断書・証明書を受け付けているところがあります。国立病院機構大阪南医療センターの文書料金表でも「普通診断書(持参様式)」が設定されています。[参照]

つまり、「この用紙について、診療内容に基づいて必要事項を記載し、署名・押印してほしい」という依頼と、「何に使うか決まっていない白紙へ、とりあえず署名と印鑑だけほしい」という依頼は分けて考える必要があります。

なぜ完全な白紙への署名・押印は難しいのか

医師の署名や病院名・公印が入った書類は、単なるサインとは違い、提出先から医療機関が作成・確認した文書として受け取られる可能性があります。ところが署名・押印後に文章を追加できる白紙では、医師が実際には確認していない内容を後から書き込めてしまいます。

例えば白紙に医師の署名と病院印だけをもらい、その後で「○月○日から就労できない」「このけがは○○が原因である」と書き加えれば、医師がその内容を証明したような書類になってしまいます。このような使われ方を防ぐ意味でも、医療機関側が白紙への署名・押印を断ることは不自然ではありません。

そのため必要な証明がある場合は、証明してほしい内容と提出先を明らかにしたうえで、正式な文書作成として依頼するのが基本です。

診断書・証明書は病院の文書窓口などから申し込むことがある

大きな病院では、診察室で医師に紙を渡してその場でサインしてもらうのではなく、外来受付や文書受付などを通して診断書・証明書を申し込む仕組みになっていることがあります。

例えばJCHOさいたま北部医療センターでは、診断書・証明書の申し込みを各科外来受付で受け付けており、作成にあたって診察や検査が必要になる場合があると案内しています。また、持参する診断書・証明書の原本について、患者側では氏名や生年月日なども含め何も記入せず持参するよう案内しています。[参照]

このように、提出先の所定用紙について「患者が何も記入せず原本を持ってくる」という運用はあります。ただし、これは病院が内容を確認して必要事項を作成するためのものであり、「空欄のまま署名・病院印だけを押して返してもらう」という意味ではありません。

サインやハンコが必要なら、まず提出先に必要書類を確認する

医師の署名や病院印が必要と言われた場合には、「白紙へサインしてください」と病院へ頼む前に、提出先へ何を提出すればよいのか確認しましょう。専用の用紙が用意されているケースは少なくありません。

確認すること 具体例
提出目的 学校、勤務先、保険、行政手続きなど
指定様式 提出先専用の診断書・証明書があるか
必要な記載 病名、受診日、治療期間、就労・運動可否など
署名 医師本人の署名が必要か
押印 医師印・病院印など何が必要か
原本・コピー 原本提出が必要か

例えば学校から「医師の証明をもらってください」と言われた場合でも、学校独自の用紙があるかもしれません。先に学校へ様式を確認してから病院へ持参すれば、書類を作り直す手間を減らせます。

診断書や証明書は無料とは限らない

医師に数か所記入してもらうだけに見えても、診断書や証明書の発行には文書料がかかる場合があります。料金は書類の種類や病院によって異なります。

例えば国立病院機構災害医療センターでは、病院所定用紙の一般診断書だけでなく、持参した書式を用いる診断書などについても料金を設定しています。[参照] また、診断書・証明書の作成に数週間程度かかる病院もあります。

急ぎで必要な場合は、診察当日にいきなり依頼するのではなく、事前に病院へ「○○へ提出する書類に医師の署名と病院印が必要なのですが、どこで申し込めますか」「持参様式でも作成できますか」「完成まで何日程度かかりますか」と問い合わせておくとスムーズです。

整形外科なら何でも証明してもらえるわけではない

整形外科へ通院しているからといって、希望した文章をそのまま医師に証明してもらえるとは限りません。医師が診察や検査などから医学的に確認できる範囲で文書を作成することになります。

例えば「腰が痛くて受診した」という事実を診療記録から確認できても、事故の詳しい状況など医師自身が確認できない事実まで医学的証明として記載できるとは限りません。提出先が求める内容によっては、医師が記載できない項目が生じることもあります。

そのため書類を依頼するときは、何を書いてほしいかだけでなく「どこへ、何の目的で提出するのか」まで伝えると、病院側も適切な文書を判断しやすくなります。

まとめ:白紙にサイン・病院印だけをもらうより正式な書類として依頼する

整形外科などで、内容が何も決まっていない完全な白紙へ医師の署名や病院印だけを先にもらうことは、通常は難しいと考えておいたほうがよいでしょう。署名・押印後に内容を書き足せるため、医師や病院が確認していない事項まで証明したように扱われるリスクがあるからです。

一方、学校・会社・保険会社・行政機関などの所定用紙を病院へ持参し、医師が内容を確認したうえで必要事項を記載して署名・押印することは一般的な文書作成の形です。病院独自の診断書を発行してもらえる場合もあります。

医師のサインや病院印が必要になったら、まず提出先に「指定用紙はあるか」「何を証明してもらう必要があるか」を確認し、その用紙を病院の文書窓口や整形外科受付へ持参するのが確実です。文書料や作成期間も病院ごとに異なるため、期限がある場合は早めに問い合わせておきましょう。

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