双極性障害は、気分が大きく高揚する躁状態とうつ状態を繰り返す精神疾患です。症状によっては本人の意思とは関係なく衝動的な行動や浪費、対人トラブルが起こることがあり、その結果として強い罪悪感を抱えてしまう人も少なくありません。この記事では、双極性障害による躁状態の苦しさや家族への申し訳なさ、そして今後の人生との向き合い方について考えていきます。
双極性障害は躁状態の方がつらいと感じる人もいる
双極性障害というと、うつ状態の苦しさが注目されることが多いですが、実際には躁状態の方がつらいと感じる人もいます。
躁状態では気分が高揚し、自信が過剰になったり、怒りっぽくなったり、睡眠時間が減っても活動できてしまいます。しかし、その最中は自分の状態を客観的に判断しにくくなります。
例えば、必要のない高額な買い物を繰り返したり、借金をしたり、人間関係を壊してしまったりすることがあります。そして症状が落ち着いた後に現実を見て、深い後悔や自己嫌悪に苦しむケースも少なくありません。
家族への申し訳なさを抱えるのは自然な感情
双極性障害によって家族に迷惑をかけたと感じる人の多くが、「自分さえいなければよかった」「家族の人生を壊してしまった」と考えてしまいます。
特に借金の肩代わりや介護、長期間のサポートを受けた場合、その気持ちはさらに強くなりがちです。
しかし、病気による症状と人格は別のものです。躁状態の行動を後悔することはあっても、それだけで人としての価値まで否定されるわけではありません。
後悔できるということは、家族を大切に思う気持ちが今も残っている証拠でもあります。
「恩返ししたい」はエゴなのか
病気が落ち着いてくると、「今まで支えてくれた家族に何か返したい」と考える人は少なくありません。
しかし、その気持ちに対して「結局は自分が楽になりたいだけではないか」「自己満足ではないか」と悩むこともあります。
実際には、誰かに感謝を伝えたい、支えてくれた人を喜ばせたいという気持ちは人間として自然な感情です。
例えば、働いて生活費を入れることだけが親孝行ではありません。穏やかに会話できる日が増えることや、健康を維持して生活することを家族が喜ぶ場合もあります。
親や祖父母が本当に望んでいること
家族が望んでいることは、必ずしも高額な恩返しや社会的成功とは限りません。
長年看病してきた家族の多くは、「元気でいてほしい」「病気とうまく付き合いながら生活してほしい」と願っています。
もちろん家族によって考え方は異なりますが、本人が回復へ向かう姿そのものが何よりの安心材料になることもあります。
病気を抱えながらも前を向こうとしている姿勢は、家族にとって決して無意味ではありません。
働くことはゴールではなく手段
双極性障害の治療では、再発予防が非常に重要です。
そのため、働くことだけを目標にしてしまうと、無理をして再び症状が悪化するリスクがあります。
まずは主治医と相談しながら睡眠や服薬、生活リズムを安定させることが優先されます。
そして体調が整ってきた段階で、自分のペースで仕事や社会参加を考えることが長期的な安定につながります。
自分を責め続けることは回復の妨げになる
双極性障害を抱える人の中には、過去の失敗や迷惑をかけた経験を何年も引きずってしまう人がいます。
しかし、過去を何度責めても変えることはできません。
大切なのは、これからどう生きるかです。
今できる治療を続けること、家族への感謝を伝えること、自分の体調を大切にすること。その積み重ねが未来の信頼につながっていきます。
まとめ
双極性障害では躁状態による浪費や怒りっぽさ、人間関係のトラブルなどが起こることがあり、その後に強い罪悪感を抱く人も少なくありません。
しかし、家族へ感謝を伝えたい、これから恩返しをしたいという気持ちは決してエゴではなく、多くの人が持つ自然な感情です。
まずは病気と向き合いながら回復を目指し、自分のペースで前に進むことが大切です。働くことや親孝行は、その先にある選択肢の一つであり、今の自分を責め続ける必要はありません。


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