みんな何時に寝ている?年代別の睡眠時間の傾向と「朝までぐっすり眠れる人」の違い

健康、病気、病院

「みんな夜は何時ごろ寝ているのだろう」「朝まで一度も起きずに眠れているのだろう」と気になることがあります。睡眠はとても個人差が大きく、同じ年代でも仕事、学校、育児、通勤時間、体質などによって就寝時刻や睡眠時間は大きく異なります。

また、朝まで一度も目を覚まさないことだけが良い睡眠の条件ではありません。夜中に短時間目覚めても再び眠れ、朝に休養感があれば大きな問題ではないこともあります。

成人では睡眠時間6時間以上を一つの目安としつつ、実際には6~8時間程度が適正と考えられています。ただし必要な睡眠時間には個人差があるため、時間だけでなく「日中眠くないか」「朝に休めた感じがあるか」も重要です。[参照:厚生労働省 睡眠対策]

日本の成人は何時間くらい眠っている?

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、日本の20~59歳では睡眠時間が6時間未満の人が約35~50%を占めるとされています。つまり、働く世代では十分な睡眠時間を確保できていない人も少なくありません。

一方、健康上の観点では、成人の適正な睡眠時間はおおむね6~8時間と考えられ、少なくとも6時間以上確保できるよう努めることが推奨されています。

ただし「7時間眠れば全員正解」という意味ではありません。6時間程度で十分休める人もいれば、8~9時間程度必要な人もいるため、自分の日中の状態も合わせて判断します。[参照:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023]

20代は何時ごろ寝る人が多い?

20代では学校、仕事、趣味、スマートフォン、動画視聴などによって就寝時刻が遅くなりやすく、23時~1時ごろに寝る生活になる人も珍しくありません。

例えば朝7時に起きる人が0時に寝れば、寝つくまでの時間を除いて約7時間の睡眠を確保できます。一方、2時に寝て7時に起きる生活では5時間程度しかなく、日中の眠気につながりやすくなります。

厚生労働省が紹介する令和元年国民健康・栄養調査では、20代でも睡眠時間6時間未満の人が一定数いることが示されています。就寝時刻そのものより、起床時刻から逆算して必要な睡眠時間を確保できているかを見ることが大切です。

30~40代は仕事や育児で睡眠時間が短くなりやすい

30~40代は仕事の責任が増えたり、子育てや家事が重なったりすることで、睡眠時間を削りやすい年代です。

厚生労働省のデータでは、30~59歳では睡眠時間が6時間未満の割合が比較的高く、とくに40~50代では短時間睡眠の人が多くみられます。

例えば23時30分に寝るつもりでも、家事やスマートフォンで0時30分になり、朝6時に起きる生活が続けば5時間半ほどになります。このような「毎日少しずつ不足する睡眠」が蓄積することもあります。

50代以降は早く寝て早く起きる人が増えることもある

年齢を重ねるにつれて、若い頃より早い時間に眠くなり、朝も早く目覚めるようになる人がいます。

例えば20代では0時過ぎまで起きていた人が、50~60代になると22時30分~23時ごろに眠くなり、朝5~6時に自然に起きるといった変化が起こることがあります。

これは体内時計の変化などとも関係します。単純に「年齢が上がるほど長時間寝なければいけない」というものではなく、睡眠時間や睡眠の取り方も年代とともに変わります。

年代別の睡眠イメージ

年代 よくある生活パターンの例 睡眠で意識したいこと
10代 学校やスマホで夜更かししやすい 成長期のため十分な睡眠を確保する
20代 23時~1時ごろの就寝も多い 休日だけ大幅に寝だめしない
30代 仕事・育児で睡眠が削られやすい 6時間未満が続かないよう注意
40代 仕事や家庭の負担で短時間睡眠になりやすい 睡眠休養感も確認する
50代 早寝早起きになる人も増える 中途覚醒が増えても日中の状態を見る
60代以降 早朝に目覚めることが増える場合がある 長く寝床に居すぎないことも大切

これはあくまで一般的なイメージであり、実際の就寝時刻には大きな個人差があります。

「朝までぐっすり」は一度も起きないことではない

睡眠中に一度も目を覚まさなければ質が高く、途中で目覚めたら悪い睡眠というわけではありません。

人は睡眠中も浅い睡眠と深い睡眠を繰り返しており、浅いタイミングで一時的に目覚めることがあります。本人が覚えていない短い覚醒もあります。

夜中に一度トイレへ行っても、その後すぐ眠れて翌朝すっきりしているなら、必ずしも問題とは限りません。

夜中に何度も起きる「中途覚醒」は年齢とともに増えることがある

眠り始めてから朝までの間に何度も目が覚めることを中途覚醒といいます。年齢とともに睡眠が浅くなり、中途覚醒が増える人もいます。

暑さや寒さ、騒音、飲酒、カフェイン、寝る前の大量の水分摂取なども途中で目覚める原因になることがあります。

一度目覚めても数分程度で再入眠できるなら、それほど気にならないこともあります。しかし毎晩何度も目覚め、長時間眠れず、日中にも強い眠気があるなら睡眠環境や生活習慣を見直す価値があります。

何時に寝るかより「起きる時間から逆算」すると分かりやすい

健康的な就寝時刻を一律に「22時」と決める必要はありません。仕事や学校によって必要な起床時刻が違うからです。

例えば朝6時30分に起きる必要があり、自分には7時間半程度の睡眠が必要だと分かっているなら、23時前後には実際に眠れる状態を作るという考え方になります。

逆に朝9時に起きても問題ない生活なら、0時30分に寝て8時間程度眠る生活でも成立します。時計の時刻そのものより、必要な睡眠時間と生活リズムを確保できることが重要です。

休日の寝だめで平日の睡眠不足を完全には帳消しにできない

平日は5時間しか寝ず、休日に昼まで眠る生活をしている人もいます。休日に多めに眠ることで多少回復することはありますが、慢性的な睡眠不足を完全に取り戻せるとは限りません。

また休日だけ起床時刻が何時間も遅くなると、体内時計がずれて日曜の夜に眠れなくなり、月曜日の朝がつらくなることがあります。

可能であれば平日から必要な睡眠時間を確保し、休日も起床時間を大きくずらしすぎないほうが生活リズムを保ちやすくなります。

睡眠時間だけでなく「睡眠休養感」も重要

厚生労働省の睡眠ガイドでは、単に睡眠時間を確保するだけでなく、「睡眠で休養がとれている感覚」を高めることも重要とされています。

例えば8時間ベッドにいても、何度も目覚めて朝から疲れているなら十分休めていない可能性があります。逆に7時間程度でも、自然に起きられて日中元気に活動できるなら、自分に合った睡眠時間である可能性があります。

厚生労働省では就床時刻、起床時刻、実際の睡眠時間、睡眠休養感を1週間記録する睡眠チェックシートも公開しています。[参照:厚生労働省 睡眠チェックシート]

朝すっきり起きられるかが一つの判断材料

自分の睡眠時間が適切か判断するときは、朝と昼間の状態を見ると分かりやすくなります。

目覚ましを何度鳴らしても起きられない、通勤中に眠ってしまう、午前中から強い眠気があるといった状態が毎日続くなら、睡眠時間が不足している可能性があります。

一方、自然に近い形で起きられ、日中の仕事や勉強中に強い眠気がないなら、現在の睡眠時間が比較的合っている可能性があります。

スマートフォンで就寝時刻が遅くなりやすい

「23時に寝る予定だったのに、動画を見ていたら1時になっていた」ということは珍しくありません。

睡眠時間を増やしたい場合は、ベッドへ入る時間よりもスマートフォンをやめる時間を決める方法が有効です。例えば23時30分就寝なら22時30分~23時ごろには動画やSNSを終了するといった方法です。

スマートフォンを目覚まし時計として使っている場合でも、枕元から少し離れた場所へ置くだけで、寝る直前まで触る習慣を減らしやすくなります。

カフェインは夕方以降の睡眠へ影響することがある

コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインは覚醒作用があるため、人によっては夕方以降に摂取すると寝つきが悪くなることがあります。

「コーヒーを飲んでも普通に眠れる」という人でも、眠りが浅くなる可能性があります。

夜なかなか眠れない場合は、数日間だけ午後~夜のカフェインを減らし、変化があるか確認する方法もあります。

お酒を飲むと眠れるように感じても睡眠の質が下がることがある

飲酒すると眠気が出るため、寝酒をすると寝つきが良く感じる場合があります。しかしアルコールは睡眠後半を浅くし、中途覚醒を増やすことがあります。

「寝つきは早いのに夜中の3時や4時に目が覚める」という人では、夜の飲酒が影響していることもあります。

朝までぐっすり眠りたい場合、寝酒を睡眠薬代わりにするのはおすすめできません。

寝室の温度・光・音でも眠りは変わる

睡眠の質には寝室環境も関係します。部屋が暑すぎる、寒すぎる、外灯が明るい、騒音があると、途中で目覚めやすくなることがあります。

特に夏は寝苦しさから睡眠が分断されることがあるため、無理に冷房を我慢する必要はありません。

自分が眠りやすい温度や寝具を調整し、できるだけ暗く静かな環境にすると睡眠を取りやすくなります。

朝まで眠れない日がたまにあっても過度に気にしない

翌日に大切な予定がある、仕事で嫌なことがあった、旅行先で寝具が違うなど、誰でも眠りが浅くなる日はあります。

一晩眠れなかっただけで「不眠症になった」と考える必要はありません。むしろ「今夜こそ8時間絶対に眠らなければ」と意識しすぎることで、眠れなくなることもあります。

翌日から普段の起床時刻へ戻し、通常の生活リズムを維持することが大切です。

睡眠時間の目安とチェック項目

項目 目安・確認ポイント
成人の睡眠時間 おおむね6~8時間、少なくとも6時間以上を一つの目安にする
起床時 ある程度休めた感覚があるか
日中 耐えられない眠気がないか
夜中の覚醒 起きても比較的すぐ再入眠できるか
休日 平日より何時間も遅く起きていないか
生活リズム 就寝・起床時刻が大きく乱れていないか

数字を厳密に守るより、自分の体調と合わせて調整することがポイントです。

眠れない状態が長く続く場合は相談してよい

寝つくまで毎晩1時間以上かかる、夜中に何度も目が覚めて長時間眠れない、朝早すぎる時間に目覚めてしまうといった状態が長く続く場合には、医療機関へ相談する選択肢があります。

特に睡眠不足によって仕事や学校へ支障が出ている場合は、単なる夜更かしだけではないことがあります。

また大きないびき、睡眠中の呼吸停止を家族から指摘される、十分寝ているのに昼間に強烈な眠気がある場合には、睡眠時無呼吸症候群などが隠れている可能性もあるため受診を検討しましょう。

毎日の睡眠を簡単に記録すると自分の傾向が分かる

他人が何時に寝ているかを知るのも興味深いですが、自分の最適な睡眠を知るには記録が役立ちます。

1週間だけでも、布団へ入った時刻、眠ったおおよその時刻、起床時刻、夜中に起きた回数、朝の気分をメモします。

すると「23時台に寝た日は調子が良い」「6時間を切ると午後に眠い」といった、自分だけの傾向が見えてきます。

まとめ:寝る時刻にはかなり個人差があり「翌日元気か」が大切

夜の就寝時刻は、20代なら23時~1時、仕事や家庭状況によってはさらに早い・遅いなど、人によってかなり違います。年代が上がるにつれて早寝早起きになる人もいます。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は少なくとも6時間以上の睡眠を確保することを推奨しており、おおむね6~8時間程度が適正な睡眠時間と考えられています。[参照:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023]

また、朝まで一度も目覚めないことにこだわる必要はありません。夜中に少し起きても再び眠れ、翌朝に休養感があり、日中に強い眠気がなければ良好な睡眠と考えられることがあります。

他人の就寝時刻は参考にはなりますが、「みんな0時に寝ているから自分も0時」という決め方をする必要はありません。自分の起床時刻から必要な睡眠時間を逆算し、翌日に元気に活動できる時間帯を探していくのがおすすめです。

反対に、十分な時間寝床にいても毎日強い眠気がある、何度も目覚める、大きないびきや呼吸停止を指摘されるなどの状態が続く場合には、睡眠時間だけの問題と考えず医療機関へ相談するとよいでしょう。

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