花粉の時期に腹痛・お腹がゴロゴロ鳴るのはなぜ?考えられる原因と会社で困るときの対処法

花粉症、アレルギー

花粉が飛び始める時期になると、くしゃみや鼻水だけでなく「会社にいると腹痛がする」「お腹がゴロゴロ、キュルキュル鳴って困る」と感じる人もいます。ただし、腹痛や腹鳴は花粉症の代表的な症状ではありません。花粉症の時期と重なって起きている場合でも、空腹、食事内容、ストレス、腸の動き、服用している薬など別の要因が関係している可能性があります。

厚生労働省が示す花粉症の主な症状は、くしゃみ、水のような鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどです。重症の場合には倦怠感や微熱、皮膚のかゆみ、のどの違和感などがみられることがありますが、腹痛や腹鳴は典型的な症状として挙げられていません。[参照:厚生労働省 花粉症Q&A]

一方、腹痛とお腹のゴロゴロが繰り返し起こり、下痢や便秘なども伴う場合には、過敏性腸症候群など消化器の問題が隠れていることがあります。花粉そのものと決めつけず、「いつ、どんな状況で鳴るのか」を整理すると対策しやすくなります。

お腹がゴロゴロ・キュルキュル鳴るのは腸が動いている音

お腹から聞こえる「ゴロゴロ」「キュルキュル」という音は、医学的には腹鳴と呼ばれます。腸の中にある食べ物、水分、ガスなどが腸の動きによって移動するときに音が発生します。

腹鳴そのものは健康な人にも普通に起こります。特に空腹時や食後など、腸が活発に動いているタイミングでは音が大きくなることがあります。

そのため、静かな職場でお腹が鳴ったからといって、必ず病気というわけではありません。ただし腹鳴と一緒に腹痛、下痢、便秘、強い腹部膨満などが繰り返される場合は、単なる生理的な音とは別に考えたほうがよいことがあります。

花粉症そのものが腹痛の原因とは限らない

花粉症の時期に毎年お腹の調子まで悪くなると、「花粉がお腹にも効いているのでは」と考えたくなります。しかし一般的な季節性アレルギー性鼻炎では、鼻や目の症状が中心です。

花粉シーズンと腹痛が同時に起こっていても、季節の変化による生活リズム、食事、ストレス、睡眠不足などが重なっている可能性があります。また鼻水が多く、無意識に飲み込むことが増えると、胃の不快感を覚える人もいます。

「花粉の時期だから腹痛も花粉症」と決めつけず、消化器症状は別の原因がないか考えることが大切です。

会社で症状が強いならストレスや緊張も関係することがある

家ではそれほど気にならないのに、会社に行くと腹痛や腹鳴が強くなる場合、緊張やストレスが腸の動きに影響している可能性があります。

脳と腸は相互に影響し合っており、ストレスがかかると腸の運動や感覚が変化することがあります。会議中や静かなオフィスなど「お腹が鳴ったら困る」と意識するほど緊張し、その緊張でさらに腸が動いてしまうこともあります。

厚生労働省の資料では、過敏性腸症候群の症状として腹痛、腹部不快感、下痢や便秘に加えて、腹部膨満感や腹鳴などが挙げられています。またストレスとの関連も知られています。[参照:厚生労働省 過敏性腸症候群について]

過敏性腸症候群では腹痛とゴロゴロが起こることがある

腹痛や腹部不快感が繰り返し起こり、それと関連して下痢や便秘が続く場合には、過敏性腸症候群(IBS)が候補の一つになります。

日本消化器病学会のガイドラインでも、IBSは腹痛と便通異常を中心とする疾患で、ストレスなど複数の要因が病態に関与するとされています。[参照:日本消化器病学会 過敏性腸症候群ガイドライン]

例えば「会社へ行く平日は朝から腹痛とゴロゴロがあり、休日は比較的平気」「緊張するとトイレへ行きたくなる」「下痢と便秘を繰り返す」といった場合には、消化器内科で一度相談する価値があります。ただし腹鳴だけでIBSと診断できるわけではありません。

空腹を避けてもお腹が鳴ることはある

お腹が鳴らないように食べ物を入れておく方法は、空腹時の腹鳴には有効な場合があります。しかし、食べれば必ず鳴らなくなるわけではありません。

食事をすると胃や腸が動き始めるため、むしろ食後にゴロゴロ鳴る人もいます。また大量に食べたり、脂っこい物を食べたりすると腸への負担が増える場合があります。

例えば会社で音を避けたいからと、休憩のたびにお菓子を食べ続けるより、朝食・昼食を極端に抜かず、適量を規則的に食べるほうが現実的です。

ガスがたまりやすい食事も確認する

腹鳴が気になる場合には、その日の食べ物や飲み物を記録すると原因を見つけやすくなります。

炭酸飲料を多く飲む、早食いをする、ガムを頻繁に噛むといった習慣では空気を飲み込みやすくなります。また豆類、玉ねぎ、乳製品など特定の食品でお腹が張りやすい人もいます。

ただし「お腹が鳴るから」と自己判断で多くの食品を一気に禁止すると栄養が偏ります。原因として疑う食品があるなら、少しずつ確認するほうがよいでしょう。

カフェインでお腹が動きやすくなる人もいる

会社でコーヒーやエナジードリンクをよく飲む場合には、飲んだ後の症状を確認してみましょう。

カフェインを含む飲み物を飲むと腸の動きが活発になり、便意や腹鳴を感じやすくなる人がいます。特に朝食を取らずコーヒーだけ飲んで出勤する習慣では、お腹の違和感を感じることがあります。

毎日同じ時間帯に症状が出るなら、「その1~2時間前に何を食べたり飲んだりしているか」を記録するとヒントになります。

アレルギー薬を飲んでいるなら副作用も確認する

花粉症のために抗アレルギー薬を服用している場合、その薬の添付文書も確認しておきましょう。

薬によっては、胃部不快感、腹痛、吐き気、下痢、便秘などの消化器症状が副作用として記載されていることがあります。すべての抗アレルギー薬に同じ副作用があるわけではないため、実際に飲んでいる薬ごとの確認が必要です。

「この薬を飲み始めてから毎回お腹が痛くなる」と感じる場合でも、自己判断ですぐ中止せず、処方した医師や薬剤師へ相談してください。

会社でお腹が鳴りにくくするためにできること

原因がはっきりしない段階でも、腸へ過度な刺激を与えない生活を試すことはできます。

対策 ポイント
朝食を極端に抜かない 空腹時間を長くしすぎない
一度に大量に食べない 腹部膨満を避ける
早食いを避ける 空気を飲み込みすぎない
炭酸飲料を控えてみる ガスが多い人では試す価値がある
コーヒーの量を見直す 飲んだ後に症状が出るか確認
身体を冷やしすぎない 冷えで腹部不快感が出る人もいる
トイレを我慢しすぎない 便意を無理に抑えない

全部を一度に変える必要はありません。一週間程度、症状の時間と食事・飲み物をメモし、一つずつ変えてみると原因を絞り込みやすくなります。

「鳴らないように食べ続ける」より食事時間を安定させる

お腹の音が怖いと、空腹になる前に何かを食べ続けたくなることがあります。しかし、間食の回数が多すぎると消化管が常に刺激され、かえって腹鳴や膨満感が気になるケースもあります。

例えば朝7時に朝食、12時に昼食というように基本的な食事時間をある程度一定にし、必要なら少量の間食を取る程度から試してみる方法があります。

食事量も、腹いっぱいまで食べるより腹部が張らない程度に調整したほうが仕事中は快適な場合があります。

静かな職場で音が怖い場合は「音への不安」が悪循環になることもある

腹鳴は本人には非常に大きく聞こえても、周囲には思っているほど聞こえていない場合があります。それでも「また鳴るかもしれない」と緊張すると、腹部へ意識が集中します。

腸の小さな動きまで気づくようになり、さらに不安が高まるという悪循環が起こることがあります。

席を立てる仕事なら少し歩く、深呼吸をする、休憩時間にトイレへ行くなど、腹部への意識をいったん外へ向けることも対策になります。

花粉症対策そのものも続ける

腹痛の直接原因が花粉症とは限りませんが、花粉症の症状が強いと睡眠不足や疲労につながり、結果として体調全体が崩れることがあります。

外出時のマスクや眼鏡、帰宅時に衣類へ付着した花粉を落とす、窓を開ける時間を工夫するなど、基本的な花粉対策は継続するとよいでしょう。

鼻症状が強い場合は、症状が悪化してから薬を使用するより、医師や薬剤師へ相談しながら適切な治療を続けることが大切です。

症状日記をつけると原因が見えやすい

花粉との関連を確認するためにも、1~2週間ほど簡単な記録を残す方法があります。

記録すること
腹痛が始まった時間 10時30分
腹鳴の程度 軽い・気になる・かなり大きい
便の状態 普通・下痢・便秘
直前の食事 パン、牛乳、コーヒー
朝に花粉症薬を服用
状況 会議前、通常業務、休日など
花粉症症状 鼻水・くしゃみが強いなど

例えば「花粉が多い日」よりも「朝コーヒーを飲んだ日」「会議がある日」のほうが症状が強いと分かれば、対策するポイントが変わってきます。

市販の整腸薬などを使う前に症状を整理する

腹鳴が気になると整腸薬、胃腸薬、下痢止めなどを試したくなることがあります。しかし、便秘なのか下痢なのか、ガスなのか腹痛なのかで適した対処は異なります。

症状が繰り返す場合には、薬局で「花粉症薬を服用中で、腹痛と腹鳴がある」と伝えて薬剤師へ相談すると、薬の重複や相互作用も含めて確認してもらえます。

慢性的に続く場合は、市販薬で何か月も様子を見るより消化器内科を受診するほうが原因を確認しやすくなります。

受診を検討したほうがよいケース

単にお腹が鳴るだけなら大きな問題ではない場合も多いですが、腹痛まで伴う場合は症状の強さや期間を確認しましょう。

腹痛や下痢・便秘が数週間以上繰り返している、仕事へ支障が出るほど症状が強い場合には、消化器内科などへ相談するのがおすすめです。

特に血便、黒い便、原因不明の体重減少、繰り返す嘔吐、夜中に目が覚めるほどの腹痛、発熱などがある場合は、単なる腹鳴やIBSと自己判断せず受診してください。

突然の激しい腹痛は別問題として考える

普段のゴロゴロとは明らかに違う強い腹痛が突然出た場合は、「花粉のせい」「いつものお腹の調子」と決めつけないことが大切です。

強い腹痛、腹部の著しい膨らみ、冷や汗、意識がぼんやりするなどは、緊急性の高い病気でも起こることがあります。MSDマニュアルでも、重度の腹痛やショックの徴候、腹膜刺激症状、腹部膨隆などは警戒すべき所見とされています。[参照:MSDマニュアル 急性腹痛]

症状が激しい場合には、自宅で食事や薬を工夫するより医療機関で評価を受けてください。

まとめ:花粉の時期の腹痛・ゴロゴロは、花粉症以外の原因も確認する

花粉シーズンに腹痛や「ゴロゴロ」「キュルキュル」という腹鳴が起きても、花粉症そのものの典型的な症状とはいえません。厚生労働省が示している花粉症の中心症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の症状などです。[参照:厚生労働省]

お腹が鳴る原因としては、空腹だけでなく、食後の腸運動、ガス、早食い、炭酸飲料、カフェイン、ストレス、服用している薬などさまざまな可能性があります。そのため「食べ物を入れておけば大丈夫」とは限りません。

特に会社にいるときだけ腹痛と腹鳴が強くなる、下痢や便秘も繰り返すという場合には、過敏性腸症候群なども候補になります。厚生労働省の資料でもIBSでは腹痛、便通異常、腹部膨満、腹鳴などがみられるとされています。[参照:厚生労働省 過敏性腸症候群について]

まずは1~2週間、症状が出る時間、食事、飲み物、便の状態、花粉症薬、仕事の状況などを記録してみると原因を探しやすくなります。朝食を極端に抜かない、食べすぎない、早食いや炭酸飲料を控える、コーヒーを減らして変化を見るといった方法も試せます。

それでも腹痛が繰り返して仕事へ支障が出る場合や、下痢・便秘が長く続く場合には消化器内科へ相談するとよいでしょう。血便、黒い便、体重減少、繰り返す嘔吐、発熱、突然の激しい腹痛などがある場合は、花粉症の時期だからと様子を見続けず、早めに医療機関を受診することが大切です。

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