前立腺がんの治療は全摘だけではない?男性機能への影響と治療選択肢を解説

病院、検査

前立腺がんの疑いを指摘された場合、検査結果を待つ間や診断後に「前立腺を全部摘出するしかないのか」「手術をすると男性機能は失われるのか」と不安を感じる方は少なくありません。前立腺がんの治療方法は、がんの進行度や悪性度、年齢、健康状態、本人の希望によって大きく変わります。この記事では、前立腺がんの診断から治療選択、男性機能への影響までを分かりやすく解説します。

前立腺がんの疑いがある場合に行われる検査の流れ

前立腺がんの検査では、まずPSA(前立腺特異抗原)という血液検査の数値が重要な判断材料になります。PSA値が高い場合でも、必ずしもがんとは限らず、前立腺肥大症や前立腺炎などでも上昇することがあります。

MRI検査では、前立腺内部にがんを疑う病変があるかを確認します。評価にはPI-RADSという基準が使われ、数字が高いほどがんの可能性が高いと判断されます。ただし、MRIだけで確定診断はできないため、最終的には針生検によって組織を調べる必要があります。

例えばPSA値が6程度でMRI評価が高かった場合でも、実際の針生検ではがんが見つからないケースや、見つかっても進行がゆっくりなタイプの場合があります。そのため、検査結果だけで治療方法を決めることはありません。

前立腺がんが見つかった場合でも治療方法は複数ある

前立腺がんと診断された場合でも、すぐに前立腺全摘除術を行うとは限りません。治療方法は、がんのリスク分類によって選択されます。

主な治療方法には、以下のようなものがあります。

  • 前立腺全摘除術(手術で前立腺を摘出する治療)
  • 放射線治療(体の外側から放射線を照射する治療)
  • 小線源治療(前立腺内部に放射線源を埋め込む治療)
  • ホルモン療法(男性ホルモンの働きを抑える治療)
  • 監視療法(進行リスクが低い場合に定期検査で経過を見る方法)

例えば、早期で悪性度が低い前立腺がんの場合は、すぐに治療を始めず定期的なPSA検査や画像検査で経過を見る「監視療法」が選択されることもあります。

前立腺全摘手術による男性機能への影響

前立腺全摘除術では、がんを取り除くために前立腺と精嚢を摘出します。そのため、手術後は精液が作られなくなり、射精はできなくなります。

ただし、男性機能への影響はすべての人で同じではありません。勃起機能については、がんの位置や広がりによって神経を温存できるかどうかが変わります。

例えば、早期の前立腺がんで神経温存手術が可能な場合、術後に時間をかけて勃起機能が回復する方もいます。一方で、がんの安全な切除を優先する必要がある場合は、神経を切除することもあります。

男性機能をできるだけ維持したい場合の治療選択のポイント

治療方法を決める際には、「がんを確実に治すこと」と「治療後の生活の質(QOL)」の両方を考えることが大切です。

診察時には、担当医へ以下のような点を具体的に確認すると治療選択の参考になります。

  • 自分のがんは低リスク・中間リスク・高リスクのどれに分類されるのか
  • 神経温存手術は可能なのか
  • 放射線治療を選んだ場合のメリットや副作用
  • 治療後の勃起機能や排尿機能への影響

特に60代で今後の生活やパートナーとの関係を大切にしたい場合、治療前に泌尿器科医へ希望を伝えておくことが重要です。治療後の生活を考慮した選択肢を一緒に検討できます。

前立腺がん治療後に起こる可能性がある変化

前立腺がん治療では、男性機能以外にも排尿機能への影響が問題になることがあります。手術後には尿漏れが一時的に起こる場合がありますが、多くの方は時間の経過とともに改善します。

また、放射線治療では手術とは異なる副作用があり、治療後しばらくして排尿や排便に変化が出る場合があります。それぞれの治療にはメリットと注意点があるため、自分の状態に合った方法を選ぶことが大切です。

例えば同じ年齢の患者さんでも、がんの大きさや悪性度、持病、生活スタイルによって最適な治療方法は変わります。「知人がこの治療をしたから自分も同じ」と考えるのではなく、自分自身の検査結果をもとに判断する必要があります。

針生検を受ける前に準備しておきたいこと

針生検は前立腺がんの確定診断に必要な重要な検査です。不安を感じるのは自然なことですが、結果によって治療方針を落ち着いて検討できます。

検査前には、医師へ気になる点を遠慮なく質問しましょう。特に「男性機能を維持したい」という希望は、治療方針を考えるうえで重要な情報になります。

必要に応じて、複数の医療機関で意見を聞くセカンドオピニオンを利用することもできます。大きな治療判断になるため、納得したうえで選択することが大切です。

まとめ:前立腺がんは全摘だけが治療方法ではない

前立腺がんと診断された場合でも、治療方法は前立腺全摘除術だけではありません。がんの状態によっては、放射線治療や監視療法など、男性機能や生活の質を考慮した選択肢があります。

男性機能をできるだけ維持したい場合は、その希望を治療前に医師へ伝えることが重要です。検査結果をもとに、自分に合った治療方法を医療スタッフと十分に相談して決めていきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました