就労移行支援を利用していたものの、途中で辞めることになった場合、「ここからどうやって就職すればいいのだろう」と迷うことがあります。しかし、就労移行支援を辞めたからといって、就職への道がなくなるわけではありません。ハローワークや障害者就業・生活支援センターなど別の支援機関を利用する方法のほか、自分で求人に応募する方法、別の就労移行支援事業所を検討する方法など複数の選択肢があります。
大切なのは、辞めた理由を踏まえて次の方法を選ぶことです。この記事では、就労移行支援を辞めた後に考えられる就職ルートや、仕事探しを進める際のポイントをわかりやすく解説します。
就労移行支援を辞めても就職は目指せる
就労移行支援は、障害や難病などがある人の一般就労を支援する障害福祉サービスの一つです。ただし、一般就労するために必ず就労移行支援を利用し続けなければならないわけではありません。
事業所との相性、訓練内容、通所の負担、希望する職種とのミスマッチなど、辞める理由は人によって異なります。辞めたことそのものよりも、なぜ自分には合わなかったのかを整理して次の就職活動に生かすことが重要です。
例えば、毎日の通所が負担だったのであれば、次は通勤時間や勤務日数を重視して求人を探すという考え方ができます。希望職種の訓練が少なかったのであれば、その分野に強い別の支援機関や職業訓練を検討する方法があります。
就労移行支援を辞めた後に考えられる主な就職ルート
就労移行支援以外にも仕事を探す方法はいくつもあります。一つに絞る必要はなく、複数のサービスを比較しながら自分に合った方法を選ぶことがポイントです。
ハローワークで仕事を探す
代表的な方法がハローワークです。一般求人だけでなく、障害者向け求人について相談できる窓口もあります。求人紹介だけでなく、応募書類や面接などについて相談できる場合があります。
就労移行支援を辞めた経緯についても、「どのような働き方なら続けられそうか」という視点で相談すると、求人選びの条件を整理しやすくなります。
障害者就業・生活支援センターに相談する
障害者就業・生活支援センター(通称「なかぽつ」)では、就業面と生活面を一体的に支援しています。仕事を探す段階だけでなく、働き続けるための相談先としても活用できます。
就職だけを切り離して考えるのではなく、生活リズムや金銭管理、日常生活なども含めて相談したい場合には選択肢になります。地域ごとに設置状況が異なるため、居住地域を担当するセンターを確認するとよいでしょう。
求人サイトや人材紹介サービスを利用する
自分で求人サイトから応募する方法もあります。一般枠で働きたい場合は一般向け求人サイト、障害者雇用を希望する場合は障害者向け求人・転職サービスを利用するなど、希望する働き方によって使い分けられます。
ただし、求人票の条件だけで判断するのではなく、仕事内容、勤務時間、通勤負担、必要な配慮などを確認することが大切です。早く就職することだけを優先すると、入社後に同じ問題が起きる可能性があります。
別の就労移行支援事業所を検討する方法もある
一つの就労移行支援事業所が合わなかったからといって、就労移行支援という仕組みそのものが合わないとは限りません。事業所によって訓練内容、雰囲気、得意とする職種、企業実習、就職活動の支援方法などには違いがあります。
例えば、事務職への就職を目指している人ならPCスキルやオフィスワークの訓練が充実した事業所、IT系を目指す人ならプログラミングやデザインなどを学べる事業所を探すという方法があります。
以前の事業所で何が合わなかったのかを具体化してから比較すると、同じミスマッチを避けやすくなります。利用できる期間や条件などは個々の状況によって異なるため、自治体の障害福祉担当窓口などへ確認すると安心です。
すぐ就職活動を始めるか、一度立て直すかを考える
就労移行支援を辞めた直後に必ず就職活動を開始しなければならないわけではありません。辞めた理由によっては、一度生活リズムや働くための条件を整理したほうが結果的に就職につながりやすいこともあります。
例えば、「週5日の通所が続かなかった」という場合、いきなり週5日・フルタイムの求人だけを探すと同じ負担が生じる可能性があります。短時間勤務なども含め、自分が安定して継続できそうな働き方を検討することが重要です。
反対に、通所自体には問題がなく、単に事業所の訓練内容や雰囲気が合わなかった場合には、ハローワークなどを利用して就職活動へ進む選択肢もあります。「就労移行支援を辞めた=働けない」と判断する必要はありません。
辞めた理由を次の職場選びに生かす
就職活動を再開する前に、「何が負担だったのか」「何なら続けられたのか」を紙などに書き出してみると、求人選びの基準を作りやすくなります。
例えば、朝の通所が難しかった、長時間の集団活動で疲れた、対人コミュニケーションが多すぎた、仕事内容に興味を持てなかった、といった具合です。同時に「PC作業は集中できた」「午後は安定して活動できた」など、うまくできたことも整理します。
すると、「始業時間が遅め」「一人で進める作業が多い」「PCを使う仕事」など、自分に合いそうな求人条件が見えてきます。就労移行支援で過ごした期間も、こうした自己理解の材料として活用できます。
就職先を選ぶときは「続けられる条件」を重視する
就職活動では給与や仕事内容に目が向きやすいものですが、長く働くためには勤務時間、通勤時間、職場環境、休憩の取りやすさ、業務量なども重要です。必要な配慮がある場合は、それをどのように伝えるかについて支援機関へ相談する方法もあります。
例えば、片道1時間以上かかる職場と30分程度の職場では、同じ仕事内容でも毎日の負担が大きく変わります。週5日の勤務が難しい場合には、勤務日数や勤務時間について求人条件を確認することも大切です。
「採用されそうな会社」を探すだけでなく、自分が数か月、1年、その先まで働き続けられそうな会社かという視点を持つと、就職後のミスマッチを減らしやすくなります。
公的な相談先も活用する
一人で今後の方向性を決めにくい場合は、公的な支援機関へ相談できます。ハローワーク、障害者就業・生活支援センター、自治体の障害福祉担当窓口など、相談内容によって利用できる窓口があります。
特に「別の就労移行支援を利用したい」「障害者雇用で働きたい」「どの支援制度が使えるかわからない」といった場合は、自己判断だけで進めず、現在利用可能な制度を確認するとよいでしょう。制度や利用条件は変更されることもあるため、最新情報は厚生労働省や自治体などの公的情報で確認することが大切です。
まとめ
就労移行支援を辞めた後にも、ハローワーク、障害者就業・生活支援センター、求人サイト・人材紹介サービス、別の就労移行支援事業所など、就職につながる複数のルートがあります。
重要なのは、以前の就労移行支援を辞めたことだけに注目するのではなく、辞めることになった理由から自分に合う働き方を見つけることです。通所経験の中で分かった苦手な環境や得意な作業も、次の職場選びに役立つ情報になります。
すぐに就職活動を始める方法もあれば、別の支援につなげて準備を整えてから就職を目指す方法もあります。自分だけで判断することが難しいときは公的な相談窓口も活用し、無理なく継続できる働き方を基準に次の選択肢を検討するとよいでしょう。


コメント