喘息というと子どもの病気というイメージを持たれがちですが、成人してから初めて喘息を発症することもあります。子どもの頃に喘息と診断された経験がないからといって、現在の咳について喘息を完全に除外できるわけではありません。
また、喘息では必ずしも激しい「ゼーゼー」「ヒューヒュー」が最初から現れるとは限らず、咳が目立つケースもあります。一方、長引く咳には喘息以外にもさまざまな原因があるため、症状だけで自己判断するのは避けたほうがよいでしょう。
この記事では、大人になってから発症する喘息の特徴、喘息を疑う咳、病院を受診する目安や診療科について整理します。
大人になってから喘息を発症することはある
気管支喘息は子どもだけの病気ではなく、成人になってから発症することがあります。成人期に発症する喘息も存在するため、「子どもの頃は喘息ではなかった」という理由だけで否定することはできません。
喘息は、気道に慢性的な炎症が生じ、刺激に対して気道が過敏になる病気です。気道が狭くなることで、咳、息苦しさ、胸の苦しさ、ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴などが起こります。
成人喘息については、厚生労働科学研究班が運営するアレルギーポータルでも症状や治療について解説されています。[参照:アレルギーポータル「成人のぜん息」]
大人の喘息ではどのような咳が出る?
喘息の症状には特徴があります。代表的なのは、症状が一定ではなく、良くなったり悪くなったりを繰り返すことです。特に夜間から早朝に症状が出やすい傾向があります。
例えば、日中はそれほど咳が出ないのに、布団に入ってから咳が続く、明け方になると咳で目が覚める、冷たい空気を吸ったときや運動した後に咳き込む、といったパターンです。
また、かぜなどの呼吸器感染症、季節や気温の変化、疲労、タバコ・線香などの煙、強い臭いなどをきっかけに喘息症状が悪化する場合があります。
ゼーゼーしなくても喘息の可能性はある
「喘息なら必ずゼーゼーする」と考える必要はありません。発症初期などでは咳が中心となり、典型的な喘鳴がはっきりしないこともあります。
そのため、咳だけから「ただの風邪」「喘息ではない」と判断するのは難しいところです。逆に、咳があるだけで喘息と決めつけることもできません。
咳が続いても喘息とは限らない
咳は非常に多くの病気で起こる症状です。喘息以外にも、風邪などの感染症、感染後に残る咳、鼻や副鼻腔の病気、胃食道逆流、薬剤の影響など、さまざまな原因が考えられます。
特に注意したいのが「長く続いているから喘息だろう」と自己判断することです。例えば厚生労働省は、結核についても咳やたんなどが2週間以上続く場合には早めの医療機関受診を案内しています。[参照:厚生労働省]
つまり、長引く咳では「喘息かどうか」だけではなく、ほかの病気ではないかを確認することも重要です。医療機関では症状の経過や聴診などに加え、必要に応じて呼吸機能などを調べ、総合的に判断します。
咳が続く場合は何科を受診すればいい?
喘息を疑う咳や長引く咳であれば、呼吸器内科が専門的な診療科です。近くに呼吸器内科がなければ、まず一般内科やかかりつけ医へ相談しても構いません。
受診時には「いつから咳があるか」だけでなく、咳が出やすい時間帯や状況を伝えると診断の参考になります。
- 咳が始まった時期
- 夜間・早朝に悪化するか
- ゼーゼー、ヒューヒューすることがあるか
- 息苦しさや胸苦しさがあるか
- 運動すると咳が出るか
- 風邪をひいた後から続いているか
- タバコを吸うか、受動喫煙があるか
- アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患があるか
- 服用している薬があるか
例えば「3週間前から咳があり、昼間より夜と朝方に強く、冷たい空気を吸うと咳き込む」のように伝えると、単に「咳が出ます」と説明するより症状の特徴が分かりやすくなります。
呼吸が苦しいときは通常の外来受診を待たない
咳だけで比較的元気な場合と、呼吸そのものが苦しくなっている場合では対応が異なります。急な息切れや呼吸困難など、緊急性の高い症状がある場合には通常の診療時間まで待つべきではありません。
厚生労働省は、成人で「急な息切れ、呼吸困難」などがある場合を、すぐに救急車を呼ぶべき症状として案内しています。[参照:厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」]
救急車を呼ぶべきか、すぐ病院へ行くべきか判断に迷う場合、実施地域では救急安心センター「#7119」で医師・看護師等に相談できます。[参照:厚生労働省「#7119」]
喘息だった場合は放置しないことが重要
喘息は症状がない時間帯も気道の炎症が続いていることがあります。そのため、「咳が止まったから治った」と考えて自己判断で治療を中断するのは適切ではありません。
喘息では、気道の炎症を十分に治療しない状態が続くと、気管支の構造が変化する「気道リモデリング」が進み、元の状態に戻りにくくなる可能性が指摘されています。喘息と診断された場合には、症状が落ち着いているときも医師の指示に沿って治療を継続することが大切です。
成人喘息の治療や症状については、アレルギーポータルなど公的・専門的な情報を確認しながら、実際の治療については主治医の指示を優先してください。[参照:アレルギーポータル]
まとめ:成人してから喘息になることはある。長引く咳は医療機関で確認を
大人になってから初めて喘息を発症することはあります。子どもの頃に喘息がなかったことだけでは、成人後の喘息を否定できません。
特に、夜間や早朝に繰り返す咳、息苦しさ、胸苦しさ、ゼーゼー・ヒューヒューする症状などがある場合には、喘息を含む呼吸器疾患を考えて呼吸器内科や内科への受診を検討しましょう。
ただし、咳の原因は喘息だけではありません。長引く場合は自己判断で市販の咳止めだけを続けるのではなく、一度医療機関で原因を確認することが大切です。また、急な呼吸困難など緊急性の高い症状がある場合は、速やかに救急要請を検討してください。


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