日本地図を覚えてもすぐ忘れるのは障害?都道府県が定着しない理由と覚え方を解説

発達障害

日本地図や47都道府県を勉強すると、そのときは全部答えられるのに、しばらくするとほとんど思い出せなくなることがあります。テストでは満点を取れるほど覚えられるのに、試験が終わった途端に忘れてしまうと、記憶力に問題があるのではないかと心配になる人もいるでしょう。

しかし、日本地図を忘れやすいという一つの特徴だけで、何らかの障害があると判断することはできません。記憶には、覚え方、復習する間隔、その情報を日常で使う頻度などが大きく関係しています。この記事では、日本地図を一時的には覚えられるのに長期間記憶できない理由と、都道府県を定着させるための具体的な方法を解説します。

日本地図を覚えてもすぐ忘れるのは珍しいことではない

テスト前に集中して覚えた知識が、テスト後に抜けていくこと自体は不自然な現象ではありません。人の記憶は、一度覚えれば永久に保存されるものではなく、その後に思い出したり利用したりする機会が少なければ、時間の経過とともに取り出しにくくなります。

特に都道府県の位置を短期間で暗記する勉強では、テストに正解することが目的になりやすく、名前と位置を一時的に結び付けて覚えることがあります。この方法でも試験には十分対応できますが、その後に復習しなければ長期間の記憶として定着しにくい場合があります。

テストで全問正解できたということは、少なくともその時点では情報を覚え、必要なときに取り出せていたということです。「一度も覚えられない」のと「覚えられるが後から忘れる」のは、同じ状態ではありません。

テストでは覚えられるのに後から忘れる理由

重要なのは、記憶には「その場で覚えること」と「長期間保持すること」という異なる側面があることです。前日に何度も日本地図を見て47都道府県を答えられるようになったとしても、それだけで数カ月後まで同じように思い出せるとは限りません。

例えば「栃木県はここ」「群馬県はここ」と地図を見ながら何度も確認すると、その日のテストでは答えられるようになるでしょう。しかし試験後に半年間まったく日本地図を見なければ、栃木県と群馬県の位置関係が曖昧になることは十分に考えられます。

一方、住んでいる都道府県や頻繁に旅行する地域は忘れにくい傾向があります。「新幹線で東京から仙台へ行った」「京都の隣には滋賀がある」といった経験や知識と関連付けられるためです。単独の暗記事項ではなく、複数の情報とのつながりができることで思い出す手掛かりが増えます。

日本地図を忘れるだけで障害とは判断できない

「都道府県を何度覚えても忘れる」という情報だけから、発達障害、学習障害、記憶に関係する病気などの有無を判断することはできません。医療上の診断は、特定の暗記科目が苦手かどうかだけではなく、日常生活や学習・仕事の状況、これまでの経過などを含めて専門家が総合的に評価します。

また、人には得意不得意があります。人の顔や名前は非常によく覚えられる一方で地名が苦手な人もいれば、地図は得意でも年号や人名を忘れやすい人もいます。特定分野の記憶が苦手だからといって、それだけで医学的な問題を意味するわけではありません。

ただし、日本地図だけではなく、最近になって日常生活に必要なことまで著しく忘れるようになった、仕事や学校生活に大きな支障が続いているなど、記憶について広範な困りごとがある場合は事情が異なります。その場合は自己判断で病名を決めるのではなく、医療機関など専門家へ相談することが適切です。

都道府県を長く覚えるには「思い出す練習」が重要

日本地図を長期間覚えておきたい場合、地図を繰り返し眺めるだけではなく、答えを隠して自分で思い出す練習を取り入れる方法があります。白地図を用意して都道府県名を書き込み、間違えた場所だけを確認すると効率的です。

例えば1日目に47都道府県を覚えたら、それで終了するのではなく、翌日、数日後、1週間後、さらにその後というように間隔を空けながら再び白地図に挑戦します。忘れかけた頃に思い出す作業を繰り返すことで、短期間だけの暗記から長期的に取り出しやすい知識へ変えていくことが期待できます。

答え合わせでは、単に正解を見るだけでなく「なぜ間違えたのか」を確認するのも有効です。例えば島根県と鳥取県を逆にしたのであれば、その2県だけを重点的に位置関係とセットで覚え直します。

都道府県は単独で暗記せず関連情報と結び付ける

47個の名称と位置をそれぞれ独立した情報として覚えようとすると負担が大きくなります。そこで地方、隣接県、観光地、食べ物、鉄道路線など、すでに知っている情報と関連付ける方法があります。

例えば東北地方なら「青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島」という名称だけを覚えるのではなく、まず東北6県というまとまりを作り、その中で太平洋側と日本海側の位置関係を確認します。さらに仙台は宮城県、盛岡は岩手県というように都市名を組み合わせれば、思い出すための手掛かりが増えます。

旅行が好きなら「行ってみたい場所」を使う方法もあります。札幌なら北海道、金沢なら石川県、出雲大社なら島根県というように、興味のある対象と地図上の位置を結び付けます。単純暗記よりも自分にとって意味のある情報にすると、復習そのものも続けやすくなります。

「覚えられない」と「思い出せない」は分けて考える

記憶について考えるときには、一度も覚えられないのか、一度は覚えられるものの時間が経つと思い出せないのかを区別すると状況を整理しやすくなります。テスト直前には覚えられて正解できるのであれば、少なくとも短期間の学習そのものは成立しています。

また、何も手掛かりがない白地図では答えられなくても、都道府県名の一覧を見ると場所を思い出せることがあります。この場合、知識が完全に消えているというより、自力で情報を取り出すための手掛かりが弱くなっている可能性があります。

そのため「何度勉強しても忘れるから記憶力がない」と決めつけるより、覚えた情報をどのくらいの間隔で思い出しているかを見直すほうが、学習上は実用的です。

日本地図を効率よく覚える具体的な学習例

最初から47都道府県を一気に完璧にしようとせず、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州・沖縄などの地域に分割すると取り組みやすくなります。

例えば最初の日は東北地方、次の日は関東地方というように範囲を区切ります。ただし、新しい地方へ進んだ日にも前日に覚えた地域を短時間で復習します。全地域を一巡した後は、日本全国の白地図を使って確認します。

さらに「地図を見る→覚える」だけでなく、「白地図を見る→県名を答える」「県名を見る→地図上の場所を指す」の両方向で練習するとよいでしょう。正解した問題より間違えた問題の復習回数を増やすことで、苦手な県に学習時間を集中できます。

まとめ:日本地図を忘れることだけで障害とはいえない

日本地図をテスト前には覚えられるのに、テスト終了後しばらくすると忘れてしまうことは、それだけで障害を示すものではありません。短期間の試験対策で覚えた情報は、その後に使ったり思い出したりしなければ定着しにくいことがあります。

長く覚えておきたいなら、白地図を利用して自力で思い出す、数日から数週間にわたって間隔を空けて復習する、旅行先や都市など既存の知識と関連付ける、といった方法を組み合わせるのがおすすめです。

一方、日本地図に限らず日常生活に必要な情報を頻繁に忘れるなど、記憶に関する困りごとが広い範囲で続き、生活や学業・仕事に支障が出ている場合には、インターネット上の情報だけで原因を決めつけず、必要に応じて医療機関などの専門家へ相談してください。

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