ニキビやニキビ跡を早く改善したいと考えていると、SNSで紹介されている美容液やクリームなどを皮膚科の治療に追加したくなることがあります。特にTikTokなどで話題の商品を見ると、普段のスキンケアに加えれば治るスピードが速くなるのではないか、と期待する人も多いでしょう。
ただし、皮膚科から処方されているニキビ治療薬と市販のスキンケア製品は、同じ目的のものとは限りません。また、一口に「ニキビ跡」といっても、赤み、茶色っぽい色素沈着、皮膚がへこんだ瘢痕など状態によって考え方が異なります。この記事では、カームセブンなどのスキンケア製品を追加するとニキビ・ニキビ跡の改善が速くなるのか、皮膚科治療中の高校生が知っておきたいポイントを整理します。
まず知っておきたい「ニキビ」と「ニキビ跡」の違い
スキンケアを考える前に重要なのが、現在気になっているものが活動中のニキビなのか、それともニキビが治った後に残った跡なのかを区別することです。
ニキビは毛穴に皮脂がたまった面皰(コメド)から始まり、炎症を起こすと赤いニキビや膿を伴うニキビになります。一方、炎症が治まった後にも赤みや色素沈着がしばらく残ることがあり、さらに強い炎症などによって皮膚に凹凸を伴う瘢痕が残ることもあります。
日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」でも、ニキビは慢性炎症性疾患として扱われており、軽症であっても瘢痕を残す可能性があるため、早期から適切に治療することが重要とされています。[参照]
つまり、新しいニキビを作らない治療と、すでにできたニキビ跡への対応は分けて考えることが大切です。
カームセブンを追加すれば治る速度は速くなる?
結論からいうと、特定のスキンケア製品を追加しただけで、皮膚科治療より明確にニキビやニキビ跡が早く治ると一律に考えることはできません。製品名ではなく、含まれている成分、その濃度、対象としている肌悩み、医薬品・医薬部外品・化粧品のどれに該当するのかを確認する必要があります。
日本皮膚科学会も、化粧品や医薬部外品にはニキビを予防したり、できにくくしたりする目的の製品がある一方で、化粧品を医療機関で使用されるニキビ治療薬と同じように考えるべきではないと説明しています。[参照]
したがって、カームセブンを含む市販スキンケアを使う場合も、「これを追加すれば治療期間が○週間短くなる」といった効果を前提にするのではなく、保湿や肌状態を整えるための補助的なスキンケアとして検討するのが基本です。
また、商品はリニューアルによって成分が変更される場合があります。購入時にはパッケージやメーカーが公開している最新の成分表示を確認し、皮膚科で治療中なら商品名や成分表を診察時に見せて併用可能か確認すると確実です。
皮膚科の塗り薬を使っているなら治療を優先する
すでに皮膚科を受診して夜に処方薬を使用している場合、自己判断で治療薬をやめて市販スキンケアへ置き換えることはおすすめできません。処方薬については医師から指示された使用回数・使用量・塗る範囲を守ることが重要です。
ニキビ治療では、薬の種類によって使い始めに乾燥、赤み、ヒリつきなどが生じることがあります。その状態で美容液などを何種類も追加すると、刺激が出た際に「治療薬が原因なのか、新しく追加した化粧品が原因なのか」が分かりにくくなります。
例えば「朝は洗顔→美容液→新しいスキンケア製品→乳液」「夜は洗顔→処方薬→乳液」というように一度に複数の製品を使用すると、肌荒れした際の原因特定が難しくなります。治療中ほどスキンケアを必要以上に複雑にしないことも大切です。
高校生のニキビ治療中に意識したい基本のスキンケア
皮膚科で治療している場合でも、洗顔や保湿などの日常的なスキンケアは重要です。ただし、「たくさん使うほど効果的」というものではありません。
日本皮膚科学会の一般向け情報では、ニキビのスキンケアについて1日2回、洗顔料を使って洗顔することが案内されています。また、乾燥肌の場合やニキビ治療によって乾燥する場合には保湿すること、基礎化粧品や保湿剤はノンコメドジェニックまたはハイポコメドジェニック表示のものが推奨されています。[参照]
朝の一例
朝は「洗顔→必要に応じた保湿→日焼け止め」というシンプルな構成から考えることができます。使用中の処方薬について朝にも指示がある場合は、当然ながら医師の指示を優先します。
特にニキビ跡の色や赤みが気になる場合、紫外線対策を無視しないことが大切です。日本皮膚科学会も日焼け止めの使用を案内しており、ニキビ治療によって肌が乾燥している人では、強い日焼けによって治療の副作用が強くなる場合があるとしています。[参照]
夜の一例
夜は「洗顔→処方された塗り薬→必要に応じて保湿」が基本的な考え方になります。ただし、薬を塗るタイミングや保湿剤との順番について具体的な指示を受けている場合は、その指示に従ってください。
乾燥するからといって薬を自己判断で中止したり、逆に早く治したいからと規定量以上を塗ったりするのは避けましょう。刺激や乾燥が強い場合には、次回の診察を待たず処方した医療機関や薬剤師へ相談する選択肢もあります。
「ニキビ跡に効く成分」と書かれていても同じ効果とは限らない
SNSでは「ニキビ跡におすすめ」という表現が頻繁に使われますが、赤み、色素沈着、へこんだ瘢痕では必要な対応が異なります。そのため、口コミでニキビ跡が改善したという人がいても、自分にも同じ結果が得られるとは限りません。
例えば日本皮膚科学会のガイドラインでは、炎症性皮疹や炎症後の紅斑に対する一部のビタミンC外用について、使用してもよいものの積極的には推奨しないという位置付けになっています。また、ニキビやニキビ瘢痕に対するレーザーについても、適応によって効果が期待できる一方、日本での検討や保険適用などの事情から一律に推奨されているわけではありません。[参照]
このことからも、「ニキビ跡」という言葉だけで特定の商品を選ぶのではなく、自分の跡が何なのかを皮膚科で確認することが改善への近道になります。
新しい美容液やクリームを追加するときの注意点
皮膚科の薬を使用している肌へ新しいスキンケア製品を追加する場合には、一度に何種類も変更しない方がトラブルの原因を把握しやすくなります。赤み、強いヒリつき、かゆみ、腫れなどが出た場合には使用を中止し、症状が強ければ皮膚科へ相談してください。
また、「SNSで人気」「口コミ件数が多い」ということと、医学的にニキビ治療効果が確認されていることは別です。広告や口コミを見る場合には、誰が情報を発信しているのか、化粧品なのか医薬品なのか、どのような根拠で効果を説明しているのかを確認すると判断しやすくなります。
特に高校生の場合、無理に高価な美容液を何種類も揃えるより、皮膚科の治療を継続しながら、適切な洗顔・保湿・紫外線対策を続けることを優先するとよいでしょう。
こんな場合は皮膚科で改めて相談しよう
処方薬を指示通り使用しているのにニキビが増えている、強い赤みや痛みがある、へこんだ跡が増えている、薬による乾燥や刺激がつらい場合などは、自己判断で化粧品を増やすより皮膚科へ相談する方が適切です。
その際には「この商品を朝に使いたい」と、カームセブンなど使用したい商品の現物や成分表示が分かる画面を医師に見せると相談しやすくなります。処方されている薬の種類が分かれば、併用による刺激なども含めて個別に判断してもらえます。
また、数週間で劇的に変化しないからと治療を次々に変更すると、かえって肌への負担が増える場合があります。ニキビは慢性的に経過する皮膚疾患であるため、治療期間についても診察時に確認しておくと安心です。
まとめ:カームセブンより先に皮膚科治療と基本のスキンケアを整えよう
カームセブンを含む市販のスキンケア製品を追加したからといって、ニキビやニキビ跡が必ず早く治るとは言えません。特にすでに皮膚科で処方薬による治療を受けている場合は、処方された治療を中心に考え、市販品は必要に応じて補助的に取り入れるのが基本です。
朝と夜のケアを複雑にする前に、適切な洗顔、乾燥する場合の保湿、紫外線対策、そして処方薬の正しい使用ができているか確認してみましょう。新しい製品を追加したい場合には、商品名だけで判断せず最新の成分表示を確認し、処方薬との併用について皮膚科医や薬剤師へ相談するのが安全です。
そして「ニキビ跡」が赤みなのか、色素沈着なのか、へこんだ瘢痕なのかによって対処方法は変わります。早く改善したいときほどSNS上の情報だけで自己流のケアを増やさず、現在の肌状態を診てもらっている皮膚科を治療の軸にすることが大切です。


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