インフルエンザの吸入薬で全身がかゆい・ブツブツが出る原因は?薬のアレルギーと受診の目安を解説

皮膚の病気、アトピー

インフルエンザの治療では、口から吸い込む粉末タイプの抗インフルエンザ薬が処方されることがあります。ところが、吸入したあとに全身のかゆみ、じんましんのようなブツブツ、皮膚の赤みなどが現れる場合があります。もともとアトピー性皮膚炎などがあると皮膚症状との区別が難しいこともありますが、薬を使用するたびに似た症状が出る場合は、単なる肌荒れと決めつけず、薬による過敏症やアレルギー反応の可能性も考える必要があります。

特に、インフルエンザ治療薬の中には副作用として発疹、そう痒(かゆみ)、じんましんなどが報告されている薬があります。さらに、頻度は高くないもののアナフィラキシーなど重大な副作用が起こる可能性もあるため、症状の程度によっては速やかな医療機関への相談が必要です。ここでは、インフルエンザの吸入薬を使用したあとに皮膚症状が出る場合に考えられることと、安全な対応方法を整理します。

インフルエンザで使われる「粉を吸う薬」とは

インフルエンザには複数の抗ウイルス薬があり、飲み薬だけでなく吸入薬も使用されています。代表的な吸入薬の一つが、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物を有効成分とするイナビル吸入粉末剤20mgです。

ただし、「2回吸う粉の薬」という情報だけで薬の種類を確定することはできません。年齢や処方量、製品、吸入方法などによって使用回数は異なるためです。薬の袋、お薬手帳、処方明細などに書かれた正式な薬品名を確認することが非常に重要です。

薬品名が分からない場合は、処方した医療機関または調剤した薬局に問い合わせれば確認できます。過去に使用した薬についても、お薬手帳や薬局の記録から確認できる場合があります。

吸入薬のあとに全身がかゆくなる・ブツブツが出ることはある?

あります。例えばイナビル吸入粉末剤20mgについて、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)が公開している添付文書では、過敏症としてじんましん、発疹、紅斑、そう痒などが記載されています。つまり、吸入薬を使用したあとに皮膚がかゆくなったり、赤いブツブツが出たりする症状は、薬の副作用として起こる可能性があります。

また、患者向医薬品ガイドには重大な副作用としてショックやアナフィラキシーが記載され、アナフィラキシーの主な自覚症状として全身のかゆみ、じんましん、喉のかゆみ、ふらつき、動悸、息苦しさなどが挙げられています。

そのため、「アトピーだからかゆくなったのだろう」と自己判断するのは避けたほうが安全です。特に薬を使用したタイミングと症状の発生に一定の関連がある場合には、医師や薬剤師にその経過を伝えることが重要です。詳しい副作用情報は[参照:PMDA イナビル吸入粉末剤20mg]で確認できます。

「毎回同じ薬を使うと症状が出る」は重要な情報

薬による副作用やアレルギー反応を判断するときには、薬を使用したあとに同じような症状を繰り返しているかという経過が重要な手掛かりになります。ただし、症状だけから薬剤アレルギーと断定することはできません。

例えば、インフルエンザになったときに同じ吸入薬を使用し、そのたびに数時間以内など似たタイミングで全身のかゆみや発疹が現れているのであれば、その事実を次回の診察時に必ず医師へ伝える必要があります。

「以前も同じ薬を使ったあとに全身がかゆくなった」「今回も同様のブツブツが出た」という情報は、今後どの薬を選択するかを医師が判断する材料になります。症状が繰り返されている薬を自己判断で再び使用して反応を確認することは避けてください。

アトピーの悪化と薬による発疹は自分で区別できる?

アトピー性皮膚炎がある人では、感染症、発熱、汗、乾燥、睡眠不足などをきっかけとして皮膚症状が悪化することがあります。そのため、インフルエンザにかかった時期にかゆみが強くなったからといって、必ずしも薬が原因とは限りません。

一方、薬による発疹やじんましんでも、赤み、盛り上がった発疹、強いかゆみなどが現れることがあります。見た目だけでは原因を判断しにくく、インフルエンザそのものや同時に使用した解熱鎮痛薬など別の薬が関係している可能性もあります。

そこで役立つのが、薬を使用した時刻、症状が始まった時刻、発疹が出た場所、ほかに飲んだ薬を記録しておくことです。発疹が出ている間にスマートフォンで写真を撮影しておくと、受診した時点で症状が消えていても医師に状態を伝えやすくなります。

すぐに医療機関へ相談すべき症状

皮膚のかゆみや発疹だけでなく、呼吸や意識などに異常がある場合には注意が必要です。PMDAの患者向医薬品ガイドでは、イナビルの重大な副作用としてショック、アナフィラキシー、気管支攣縮、呼吸困難、重い皮膚障害などが示されています。

息苦しい、喉や舌が腫れる感じがする、呼吸時にゼーゼー・ヒューヒューする、ふらつく、意識がおかしい、急速に全身へじんましんが広がるといった症状がある場合は、通常の様子見ではなく、救急要請を含め速やかに医療機関へ相談する必要があります。

また、皮膚が広範囲に赤くなる、水ぶくれができる、唇や口の中がただれる、目が充血する、発熱を伴う発疹なども重い皮膚障害の可能性があるため、早急な受診が必要です。PMDAの患者向医薬品ガイドでもこれらの症状について注意喚起されています。[参照:PMDA 患者向医薬品ガイド]

次にインフルエンザになったときのためにしておきたいこと

過去に薬を使用して発疹や強いかゆみが出た経験がある場合は、症状が治ったあともその情報を残しておくことが大切です。まず、使用した薬の商品名・成分名を確認し、お薬手帳などに症状とともに記録しておきます。

例えば「○年○月、インフルエンザで○○を使用後、約○時間で全身にかゆみと発疹が出た」という形で記録しておくと、次回の診察時に非常に伝わりやすくなります。薬剤アレルギーが疑われる場合には、医師が別の治療薬を検討する材料にもなります。

また、別の病院や休日診療を受診すると過去の処方歴が共有されていないことがあります。受付や診察時に「以前、インフルエンザの吸入薬を使ったあとに全身のかゆみと発疹が出たことがある」と自分から伝えるようにすると安全です。

インフルエンザ自体による症状との区別も必要

インフルエンザの治療中に起こった症状が、すべて抗インフルエンザ薬によるものとは限りません。感染症そのものに伴って皮膚症状が現れる可能性や、同時期に使用した解熱鎮痛薬、咳止め、抗菌薬などが関係している可能性もあります。

そのため、原因を特定するときは「吸入薬だけ」に注目するのではなく、その日に使用した薬をすべて医師や薬剤師へ伝えることが大切です。市販薬、漢方薬、サプリメントなどを使用していた場合も伝えておくと判断材料になります。

薬によるアレルギー反応が疑われるケースでは、自己判断で原因薬を再使用して確かめるのではなく、医療機関で相談してください。医薬品の副作用情報はPMDAが公開している[参照:医療用医薬品 添付文書等情報検索]から薬品名を入力して確認することもできます。

まとめ

インフルエンザの粉末タイプの吸入薬を使用したあとに、全身のかゆみやブツブツ、じんましんのような症状が現れる場合、薬による過敏症やアレルギー反応が関係している可能性があります。実際にイナビルでは、添付文書にじんましん、発疹、紅斑、そう痒などが記載されています。

ただし、アトピー性皮膚炎の悪化、インフルエンザそのもの、同時に使用した別の薬などが原因となることもあるため、症状だけで原因を断定することはできません。特に同じ薬を使用するたびに似た症状が出る場合は重要な情報なので、薬品名と症状が出た時間・状態を記録し、医師または薬剤師に相談してください。

そして、全身のじんましんに加えて息苦しさ、喉の違和感や腫れ、ゼーゼーする呼吸、ふらつきなどが現れた場合はアナフィラキシーなどの可能性があります。こうした症状では様子を見続けず、救急要請を含め速やかに医療機関へ相談することが重要です。

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