うつ病の家族にLINEしても大丈夫?離れて暮らす家族ができる連絡・見守り方と注意点

うつ病

離れて暮らしている家族がうつ病になり、LINEを送っても返信がない、電話にも出ないという状態が続くと、どのように接すればよいのか迷うものです。連絡することで負担をかけるのではないかと心配になり、かえって何も送れなくなることもあります。

うつ病では、これまで普通にできていた返信や電話といった行動にも大きなエネルギーが必要になることがあります。そのため、返信がないことだけで家族を避けている、関係を断ちたいと考えているとは判断できません。大切なのは、返信を求めすぎず、相手の状態に合わせながら細く長くつながりを保つことです。

うつ病になるとLINEや電話に返信できないことがある

うつ病では気分の落ち込みだけでなく、意欲や集中力が低下したり、物事を考えて決めることが難しくなったりすることがあります。健康なときなら数十秒で済むLINEへの返信でも、文章を考えること自体が負担になる場合があります。

たとえば家族から「最近どう?」「大丈夫?」と届いても、本人の中では「どう答えれば心配させないだろう」「元気ではないけれど説明する気力がない」と考えているうちに返信できなくなることがあります。既読を付けることすら心理的な負担になる人もいます。

電話はさらに負担が大きくなる場合があります。着信すると、その場ですぐ会話しなければならず、声の調子から状態を心配される可能性もあります。したがって、電話に出ないことを家族への拒絶と決めつけず、症状によって対応する余力がない可能性を考えることが重要です。

うつ病の家族にLINEを送るなら「返信不要」を伝える

離れて暮らしている場合、LINEなどのメッセージは無理に会話を成立させなくてもつながりを維持できる方法の一つです。ただし、「どうして返信しないの?」「心配だから返事だけして」のように返信を要求すると、本人にとって新たな負担になる可能性があります。

ポイントは、短いメッセージと一緒に「返信はいらないよ」と明確に伝えることです。読むだけで完結する内容なら、返信する文章を考える必要がありません。

例えば「ふと思い出したのでLINEしました。返事はいらないからね」「今日こっちは雨だったよ。そっちは寒くないかな。返信不要です」「必要なものがあったらいつでも言ってね。今は返事しなくて大丈夫」のような内容です。励まそうとして長文を送るより、日常の何気ない話を短く届けるほうが受け取りやすい場合があります。

避けたほうがよい言葉と、伝えやすい言葉

善意からの言葉でも、うつ状態にある人にはプレッシャーになることがあります。「頑張って」「いつまで休んでいるの?」「気分転換に外へ出れば?」「考えすぎだよ」など、努力すれば状態を変えられるというニュアンスの言葉は慎重に扱ったほうがよいでしょう。

一方で、「心配しているよ」「話したくなったらいつでも聞くよ」「今は返事しなくても大丈夫」「必要になったら手伝えることを教えて」といった言葉なら、本人に行動を強制せずに気遣いを伝えられます。

厚生労働省も、悩んでいる人に寄り添い、話を丁寧に聴くことが心の支えになり得るとしており、身近な人の様子がいつもと違うと感じた場合には声をかけることを呼びかけています。[参照]

遠くで一人暮らししている場合は「連絡」だけでなく生活面も確認する

一人暮らしの場合、本人の状態が悪化しても家族がすぐには気付けないことがあります。そのため、LINEの返信だけを確認材料にするのではなく、可能であれば家族間で情報を共有しながら見守ることも大切です。

例えば、近くに信頼できる親族や友人がいるなら、本人との関係性やプライバシーに配慮しつつ、必要な場合に様子を確認できる体制を考えておく方法があります。食事の用意、買い物、行政手続きなど、生活上の負担を具体的に手伝えることがないか検討するのも一つの方法です。

ただし、心配だからと突然何度も訪問したり、連続して電話をかけたりすると本人が疲れてしまう場合があります。緊急性がない状況では、「今度○日に連絡するね」「必要だったら買い物を送れるよ」のように、本人が予測できる形で支援することも考えられます。

返信がない状態が続く場合に家族が考えておきたいこと

LINEの返信がないという事実だけで緊急事態とは判断できません。しかし、普段とは明らかに違う状態が続いている、生活できているか分からない、本人から死にたいという趣旨の発言があったなど、生命や安全について具体的な心配がある場合には、家族だけで抱え込まないことが重要です。

自傷や自殺の危険が差し迫っていると考えられる場合には、LINEの返信を待ち続けるのではなく、本人の近くにいる人への確認や、状況に応じて119番・110番など緊急機関への連絡を検討してください。本人が治療中で、家族が医療機関を把握している場合には、対応について医療機関へ相談することも選択肢になります。ただし、医療機関側から本人の診療情報を家族へ提供できる範囲には制限があります。

緊急かどうか判断できない場合でも、公的な相談窓口を家族が利用できます。厚生労働省では、電話やSNSを含む相談先をまとめたページを公開しています。[参照]

家族自身も専門機関へ相談してよい

「本人が相談するもの」と思われがちですが、家族自身が相談窓口を利用することにも意味があります。離れた場所からどの程度連絡すればよいのか、受診を勧めるべきなのか、どのように見守ればよいのかなど、具体的な状況を専門機関に相談できます。

地域の保健所や精神保健福祉センターなど、こころの健康について相談できる公的機関があります。また、厚生労働省の「こころの健康相談統一ダイヤル」は、電話をかけた所在地の公的な相談機関につながる仕組みで、番号は0570-064-556です。受付時間は地域によって異なります。[参照]

支える家族側が「自分が何とかしなければ」と背負い込みすぎることにも注意が必要です。家族は治療者ではありません。本人とのつながりを保ちながら、必要な部分を医療機関や公的な相談機関などにつないでいくという考え方が大切です。

まとめ:返信を求めない短い連絡でつながりを残す

うつ病の状態では、家族との関係が良好でもLINEへの返信や電話への応答が難しくなることがあります。そのため、連絡がないことを「嫌われた」「連絡してほしくない」とすぐに解釈する必要はありません。

離れて暮らす家族から連絡する場合は、「返信はいらないよ」「話したくなったらいつでも連絡して」といった、返事を要求しない短いメッセージから始める方法があります。本人が返事をできない時期でも、「家族とのつながりそのもの」は残すことができます。

一方で、長期間まったく状況が確認できず安全面が心配な場合や、自傷・自殺を示唆する言動がある場合には、家族だけで様子を見るのではなく専門機関へ相談してください。厚生労働省の「まもろうよ こころ」では電話・SNSなど複数の相談窓口が案内されています。[参照]

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