ケアライスでも米アレルギー症状は出る?低アレルゲン米の仕組みと嘔吐・動悸・息苦しさがある場合の注意点

花粉症、アレルギー

米を食べると体調不良が起こる人向けに、米に含まれる一部のアレルゲンたんぱく質を減らした低アレルゲン米があります。その代表例の一つがケアライスですが、「たんぱく質を大幅にカットしているなら、米アレルギーがあっても必ず食べられる」と考えるのは適切ではありません。

ケアライスは、メーカーの説明では独自製法によって米に含まれるグロブリン、アルブミンを97%以上カットした食品です。しかし、これは米由来の成分やたんぱく質が完全にゼロになっていることを意味するものではありません。[参照:ホリカフーズ ケアライスのしくみ]

特に、食品を食べたあとに強い腹痛や繰り返す嘔吐、息苦しさ、動悸などが起こる場合は、単なる食べ物との相性ではなく重いアレルギー反応を含めて考える必要があります。症状が現在進行中で、息がしにくい、のどや胸が締め付けられる、繰り返し吐く、意識がもうろうとするなどがある場合は、自己判断で様子を見続けず119番通報など緊急対応が必要です。

ケアライスは「米の成分を完全に除去した食品」ではない

ケアライスは一般的な白米と全く同じものではなく、米のアレルゲンとして問題になり得る一部のたんぱく質を減らす目的で開発されています。

メーカー資料では、米に含まれるグロブリンとアルブミンを97%以上カットしていると説明されています。ただし97%という数字は100%ではなく、微量の成分が残る可能性があります。[参照:ホリカフーズ]

また、米には複数種類のたんぱく質が存在します。農林水産省も、米では総たんぱく質量だけでなく、たんぱく質の分子組成が異なることを説明しています。[参照:農林水産省]

97%カットでも症状が起こる可能性はある

食物アレルギーでは、「どの程度の量を食べると症状が出るか」という閾値が人によって大きく異なります。かなり多く食べても問題ない人がいる一方、ごく少量の原因物質でも症状が起こる人がいます。

そのため、あるアレルゲン候補が97%減っていたとしても、残っている量がその人の症状を起こす量を上回れば反応する可能性があります。

「低アレルゲン食品だから症状が出るはずがない」という考え方は危険です。実際に摂取後の症状を繰り返している場合には、自己判断で何度も食べて確認することは避け、主治医へ具体的な商品名と症状を伝える必要があります。

米アレルギーにもさまざまな症状がある

食物アレルギーでは、じんましんや皮膚の赤みだけが出るわけではありません。腹痛、吐き気、嘔吐などの消化器症状や、咳、喘鳴、息苦しさなどの呼吸器症状が起こることもあります。

日本アレルギー学会では、アナフィラキシーについて、皮膚症状、息苦しさ、繰り返す嘔吐など複数の症状が同時に急速に進む状態として説明しています。[参照:日本アレルギー学会]

じんましんが出ていないから重いアレルギーではない、と判断することもできません。呼吸器症状や循環器症状、強い消化器症状が中心になる場合があります。

息苦しさと繰り返す嘔吐は緊急性の高い症状

食物を摂取したあとに「息がしにくい」「のどや胸が締め付けられる」「繰り返し吐き続ける」「我慢できないほど強い腹痛」などがある場合、厚生労働省の食物アレルギー対応資料では緊急性の高い症状として扱われています。[参照:厚生労働省 食物アレルギー症状への対応の手順]

呼吸が苦しい状態では、「吐けば少し楽になるから」と嘔吐だけで対処しようとしないことが重要です。症状が改善したように感じても再び悪化することがあります。

原因と思われる食品を食べたあとに息苦しさ、強い呼吸困難、繰り返す嘔吐、意識の異常などが出ている場合は、直ちに救急要請が必要な状態になり得ます。

動悸も軽視しないほうがよい

アレルギー反応では呼吸器や消化器だけでなく、循環器にも影響が及ぶことがあります。脈が速く感じられたり、血圧低下などが起こったりする可能性があります。

一方、動悸には脱水、不安、過換気、心臓の不整脈などアレルギー以外の原因もあります。そのため「米アレルギーだから動悸がする」と断定することもできません。

食後に毎回同じような動悸が起こる、嘔吐後も長く続く、胸痛・息苦しさ・めまいを伴う場合には、主治医へ必ず伝えるべき症状です。

アレルギーの内服薬を飲んでいても重症化を防げるとは限らない

食物アレルギーで抗ヒスタミン薬などが処方されている場合がありますが、内服薬を飲んでいるから重い症状が起こらないとは限りません。

アナフィラキシーの緊急時に中心となる薬はアドレナリンであり、医師からアドレナリン自己注射薬を処方されている人では、事前に説明された症状が出た際に速やかな使用が重要になります。

厚生労働省の対応手順でも、緊急性の高いアレルギー症状が一つでもある場合には、アドレナリン自己注射薬を使用して救急車を要請する流れが示されています。[参照:厚生労働省]

アドレナリン自己注射薬について主治医に相談する

食物摂取後に呼吸困難や繰り返す嘔吐など重い症状を経験している場合には、今後の緊急時対応について主治医と具体的に決めておくことが重要です。

アドレナリン自己注射薬が必要な状態かどうか、どの症状が出たら使用するのか、使用後はどう行動するのかを確認しておくと、次に反応が起こった際に迷いにくくなります。

処方されている場合には自宅の奥へしまい込まず、外出時にもすぐ使える場所へ携帯し、使用期限も確認しておきましょう。

自己判断でケアライスをもう一度試すのは避ける

「本当にケアライスが原因なのか確かめたい」と思い、少量だけもう一度食べて反応を見る方法はおすすめできません。

食物アレルギーでは、前回より次回のほうが軽いとは限らず、摂取量、体調、運動、飲酒、薬などさまざまな条件によって反応の程度が変わる可能性があります。

食べられる量を確認する必要がある場合には、医療機関で医師の管理下に行う食物経口負荷試験などが検討されます。自宅で症状を再現させることとは安全性が大きく異なります。

「胃痛と嘔吐だけ」でも原因を詳しく調べる価値がある

食後に胃痛や嘔吐が目立つ場合、IgEが関与する一般的な即時型食物アレルギーだけでなく、その他の消化管反応なども鑑別する必要があります。

また米以外の食品、添加物、調理工程などが関係している可能性もあります。そのため商品の原材料表示を保管し、食べた量、食後何分で症状が始まったか、どの症状から始まったかを記録しておくと診察に役立ちます。

症状のパターンだけで自分のアレルギーの種類を決めず、アレルギー専門医などで評価してもらうことが重要です。

ケアライスで症状が出たときに記録しておきたいこと

記録する内容 具体例
商品名 ケアライスの商品名・容量
摂取量 一口、半パック、1パックなど
摂取時刻 12時30分など
症状開始まで 食後10分、1時間後など
最初の症状 胃痛、動悸、かゆみなど
その後の症状 嘔吐、息苦しさ、めまいなど
服用した薬 薬剤名と服用時刻
運動・飲酒 食後に運動したかなど

可能であれば商品の包装や原材料表示も残しておくと、主治医が内容を確認しやすくなります。

米を避ける場合は代わりの主食と栄養にも注意

米が原因食品と診断され、除去する必要がある場合でも、主食そのものを抜いて食事量を極端に減らす必要はありません。

医師や管理栄養士と相談しながら、食べられる範囲で小麦、とうもろこし、いも類、雑穀など代替になる炭水化物源を検討できます。ただし別のアレルギーがある場合は当然その食品も避ける必要があります。

自己判断で複数の食品を次々と除去すると栄養不足につながる可能性があるため、「念のため全部避ける」より原因をできるだけ明確にすることが大切です。

アレルギー検査だけで「食べられる・食べられない」は決められない

食物アレルギーでは血液検査や皮膚テストが行われることがあります。しかし検査が陽性だから必ず症状が出る、陰性なら必ず安全という単純な関係ではありません。

実際に食べたときの症状、発症までの時間、検査結果などを組み合わせて診断します。

すでに医療機関へ通院している場合には、「普通の米」だけでなく「ケアライスでも具体的にどのような症状が起きたか」を伝えることが治療方針を考える重要な材料になります。

食べてしまったときの緊急時プランを作っておく

食品アレルギーでは完全に注意していても、外食や加工食品などで原因物質を意図せず摂取する可能性があります。

そのため、「軽い症状なら何をするか」「どの症状が出たら救急要請するか」「アドレナリン自己注射薬をいつ使うか」を主治医と事前に決めておくことが大切です。

家族や同居人にも対応方法を伝えておけば、自分で動けなくなった場合の助けになります。

救急車を呼ぶべき代表的なアレルギー症状

厚生労働省の資料では、のどや胸が締め付けられる、声がかすれる、息がしにくい、持続する強い咳、ゼーゼーする呼吸、繰り返し吐き続ける、強い腹痛などを緊急性の高い症状として挙げています。[参照:厚生労働省]

ぐったりする、意識がもうろうとする、唇や爪が青白い、脈が触れにくい・不規則といった状態も緊急対応が必要です。

原因食品を食べた可能性があり、呼吸が苦しい、繰り返し吐くなどの症状が現在出ている場合には、この記事を読み続けるより救急要請を優先してください。

まとめ:ケアライスでも症状が出る可能性はあり、呼吸症状や嘔吐を伴う場合は特に慎重に

ケアライスは米に含まれるグロブリン、アルブミンを97%以上カットした食品ですが、米由来のすべての成分を完全に除去した食品ではありません。[参照:ホリカフーズ]

そのため、低アレルゲン化された米であっても、個人の反応する成分や閾値によっては症状が起こる可能性があります。実際に摂取後の症状を経験しているなら、「97%カットだから次は大丈夫」と考えて自己判断で再挑戦することは避けるべきです。

特に胃痛や嘔吐に加えて動悸、息苦しさなどが起こる場合は、重い食物アレルギー反応やアナフィラキシーの可能性を含めて主治医へ詳しく相談する必要があります。日本アレルギー学会でも、息苦しさや繰り返す嘔吐などが急激に進むことをアナフィラキシーの症状として説明しています。[参照:日本アレルギー学会]

すでにアレルギーの薬を処方されている場合でも、それだけで重い反応へ十分対応できるとは限りません。今後同様の症状が出たときの行動、救急要請の基準、アドレナリン自己注射薬が必要かどうかを、次回ではなくできるだけ早く主治医へ確認しておくことが重要です。

そして、原因食品を食べたあとに現在も息が苦しい、のどや胸が締め付けられる、繰り返し吐いている、意識がおかしいなどの症状がある場合には、通常の受診を待たず119番へ連絡してください。

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