特異的算数能力障害(算数障害)の診断を受けた後に、知能検査をもう一度受けることになった場合、「以前の診断はなくなるのか」「新しい診断が追加されることがあるのか」と不安になる方もいます。
知能検査は、現在の認知特性や得意・不得意の傾向を確認するために行われるもので、必ずしも以前の診断を変更するためだけに実施されるものではありません。この記事では、知能検査の再実施によって診断がどのように扱われるのか、検査を受ける際に知っておきたいポイントについて解説します。
知能検査を受け直しても以前の診断が必ず消えるわけではありません
特異的算数能力障害は、数字の理解や計算、数量の把握など特定の学習領域に困難がある状態を指します。診断は知能検査の結果だけで決まるものではなく、学習状況や困りごと、発達の経過などを総合的に判断して行われます。
そのため、知能検査を再度受けたからといって、以前の診断が自動的になくなるわけではありません。再検査の結果や現在の状態を踏まえて、医師や専門家が改めて評価します。
例えば、以前に算数の学習だけに大きな困難が見られて診断された場合、再検査後も同じ特徴が確認されれば、診断や支援方針が継続されることがあります。
知能検査の結果によって新しい診断が加わることもある
知能検査を受け直すことで、これまで気付かれていなかった認知特性が分かる場合があります。その結果、別の発達特性について評価が行われたり、新たな診断名が付く可能性もあります。
ただし、検査結果の数値だけで診断が決まるわけではありません。例えば、検査で特定の能力の偏りが見られても、それが日常生活や学校生活にどのような影響を与えているかを確認する必要があります。
診断が増えることは「状態が悪化した」という意味ではなく、自分の特徴をより正確に理解し、必要な支援につなげるための情報が増えるという意味で考えることができます。
知能検査を受け直す理由は人によって異なる
知能検査の再実施にはさまざまな理由があります。例えば、進学や就職、支援制度の利用、現在の困りごとの再確認などがあります。
子どもの頃に受けた検査を、大人になってから受け直すケースもあります。成長によって環境や求められる能力が変化するため、現在の状態を把握する目的で行われることがあります。
また、以前の検査から時間が経っている場合、現在の得意なことや苦手なことを改めて確認することで、生活や学習への対策を考えやすくなることがあります。
知能検査を受ける前に準備しておくとよいこと
再検査を受ける場合は、検査結果だけでなく、普段困っていることや生活上の特徴を伝えることが大切です。
- 計算や数字で困る場面
- 学校や仕事で苦手に感じること
- 集中力や記憶について気になること
- 日常生活で工夫していること
- 以前の診断や検査結果
例えば、「計算問題は苦手だが図形問題は得意」「暗算は難しいが計算機を使えば問題なく生活できる」といった具体的な情報は、専門家が特性を理解する助けになります。
検査を受けること自体に不安がある場合は、「以前の診断がどうなるのか心配」と事前に伝えておくことも大切です。
診断名よりも自分に必要な支援を知ることが大切
発達や学習に関する診断は、自分を分類するためだけのものではありません。困っていることへの対処方法や、生活を楽にする工夫を見つけるための手がかりになります。
同じ診断名があっても、困りごとの内容や必要なサポートは人によって異なります。検査結果をもとに、自分に合った環境や学習方法を考えることが重要です。
例えば、計算に時間がかかる場合でも、メモを使う、計算機を利用する、手順を見える化するなどの工夫によって負担を減らせる場合があります。
まとめ
特異的算数能力障害の診断後に知能検査を受け直しても、必ず診断がなくなったり、必ず新しい診断が追加されたりするわけではありません。
再検査は現在の認知特性や困りごとを確認し、より適切な支援につなげるために行われます。結果によって評価が変わることはありますが、それは自分をより理解するための情報が増えるということでもあります。
検査を受ける際は、診断名だけを気にするのではなく、現在困っていることや必要なサポートについて専門家と一緒に考えていくことが大切です。


コメント