躁うつ病(双極性障害)を抱えながら、一度離れた職場へ復帰することになった時、「周りからどう思われるだろう」「以前の自分の行動を覚えられていたら恥ずかしい」と不安になる方は少なくありません。
特に躁状態の時に大きな決断をした経験がある場合、後から振り返って強い後悔や自己嫌悪を感じることもあります。しかし、職場復帰は過去の失敗を取り戻すためだけではなく、現在の自分に合った働き方を再スタートする機会でもあります。この記事では、双極性障害と付き合いながら以前の職場へ戻る時の考え方や、不安を軽くするためのポイントを解説します。
躁状態での行動を後から恥ずかしく感じる理由
双極性障害の躁状態では、気分が高揚したり、活動性が高まったりすることで、普段とは違う判断や行動をすることがあります。例えば、「新しいことを始めたい」「大きな目標に挑戦したい」という気持ちが強くなり、仕事を辞めたり新しい活動を始めたりする場合があります。
その後、気分が安定した時に当時の行動を振り返ると、「なぜあんなことをしたのだろう」「周囲から変に思われていたかもしれない」と感じることがあります。しかし、これは病気の特徴によって起こった行動であり、人間性そのものを否定するものではありません。
例えば、躁状態の時に起業を考えたり、動画投稿など新しい挑戦を始めたりした経験があったとしても、それだけで周囲から悪い評価を受け続けるとは限りません。周囲の人は、現在のあなたの姿や仕事への向き合い方も見ています。
以前の職場に戻る時、周囲はどう感じるのか
退職後に同じ職場へ復帰する場合、「迷惑をかけたと思われるのではないか」「陰で何か言われるのではないか」と考えてしまうことがあります。
しかし、実際の職場では「戻ってきてくれて助かる」「経験がある人が戻るのはありがたい」と感じる人も多くいます。特に元同僚から復帰を望まれたということは、仕事面や人柄について評価されていた部分があった可能性があります。
人は意外と他人の過去の行動を長期間気にしていないことも多いです。本人は大きな失敗として覚えていても、周囲からすると「以前少し変わった挑戦をしていた人」程度の認識で終わっている場合もあります。
職場復帰前に準備しておきたいこと
復帰への不安を減らすためには、過去の自分を責めるよりも、これから安定して働くための準備をすることが大切です。
まず、自分の体調の変化や躁状態・うつ状態のサインを把握しておくことが役立ちます。例えば、「睡眠時間が短くても平気になる」「急に活動量が増える」「大きな計画を次々考える」など、自分に起こりやすい変化を知っておくことで早めに対策できます。
また、主治医と相談しながら、仕事量や生活リズムについて無理のない計画を立てることも重要です。復帰直後に以前と同じペースを取り戻そうとすると、心身への負担が大きくなる可能性があります。
過去の失敗ではなく現在の行動で信頼を作る
職場での信頼は、一度の出来事だけで決まるものではありません。毎日の仕事への取り組みや周囲とのコミュニケーションによって少しずつ築かれていきます。
以前、躁状態で「起業する」と話していたとしても、復帰後に落ち着いて仕事をしている姿を見せることで、周囲の印象は自然に変化していきます。
例えば、復帰初日に過去の説明を何度もしたり、必要以上に謝ったりするよりも、「また一緒に働けて嬉しいです」「これから頑張ります」と前向きな姿勢を示す方が、周囲も自然に受け入れやすくなります。
周囲の目が怖い時に考えたいこと
職場復帰で苦しくなる原因の一つは、実際の周囲の反応よりも、「きっとこう思われている」という想像が大きくなってしまうことです。
もちろん、過去の行動について何か思う人が一時的にいる可能性はあります。しかし、それ以上に「また一緒に働きたい」と考えてくれた人がいることも事実です。
すべての人から完璧に理解される必要はありません。自分の病気と向き合いながら、現在できることを積み重ねていくことが、最も確実に周囲からの信頼につながります。
双極性障害と仕事を続けるために大切なこと
双極性障害では、気分の波を完全になくすことよりも、波を小さくする工夫や早めに対処する方法を身につけることが大切です。
薬物療法や通院を続けること、睡眠や生活リズムを整えること、無理をしすぎない働き方を選ぶことなどが、長く仕事を続ける助けになります。
また、必要に応じて職場に体調管理について相談したり、産業医や支援機関を利用したりする方法もあります。病気を隠して一人で抱え込むより、自分に合った環境を作ることが再発予防につながります。
まとめ
躁状態で退職した仕事に戻る時、過去の自分の行動を思い出して不安になるのは自然なことです。しかし、過去の出来事だけであなたの価値や仕事への評価が決まるわけではありません。
復帰を望んでくれる人がいることは、これまで築いてきた信頼があった証でもあります。大切なのは、以前の自分を責め続けることではなく、現在の体調を理解しながら安定して働く方法を見つけることです。
双極性障害と向き合いながら仕事を続けることは可能です。周囲の目よりも、自分自身の健康とこれから積み重ねる行動を大切にして、少しずつ新しい職場生活を築いていくことが重要です。


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