小麦・お米アレルギーで主食が食べられないときはどうする?複数の穀物・芋類アレルギーがある場合の食事の考え方

花粉症、アレルギー

小麦やお米に食物アレルギーがある場合、パンや麺、ご飯の代わりになる食品を探すことになります。しかし、さらにトウモロコシ、オート麦、そば、雑穀、キヌア、アマランサス、さつまいもなど複数の食品でも症状が出るとなると、「主食として何を食べればよいのか」という大きな問題が生じます。

このように除去食品が多いケースでは、一般的な「米粉パンに替える」「オートミールを食べる」といった代替方法では対応できません。重要なのは新しい主食候補を自己判断で次々試すことより、本当に除去が必要な食品を医療機関で整理し、食べられる食品から必要なエネルギーと栄養素を確保することです。

食物アレルギーは人によって原因食品や反応する量が大きく異なります。特に多数の食品で症状を経験している場合には、個別の診断と管理が重要になります。

小麦とお米が食べられなくても「必ず別の穀物を主食にする」必要はない

日本の食生活では、ご飯・パン・麺などを主食として考える習慣があります。そのため小麦と米の両方が食べられないと、「代わりになる穀物を一つ見つけなければ」と考えがちです。

しかし、食事全体として必要なエネルギーやたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどを確保できるのであれば、毎食必ず一般的な意味での「主食」を用意しなければならないわけではありません。食べられる食品の組み合わせから食事全体を設計する考え方が必要です。

例えば医師から安全に食べられると確認されているじゃがいもがあれば、料理の一部としてエネルギー源に利用できます。ただし、少量なら食べられるという段階の食品を、自己判断で突然「主食量」まで増やすのは避けるべきです。

複数の食物アレルギーでは「代替主食探し」より診断の整理が重要

小麦、米、トウモロコシ、オート麦、そば、雑穀、キヌア、アマランサス、複数の芋類など、非常に多くの食品を除去している場合には、一度アレルギー専門医と除去食品の一覧を整理することが重要です。

食物アレルギー研究会の「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2022」でも、管理の原則は正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去とされています。「念のため」「検査で陽性だったから」という理由だけで除去食品を必要以上に増やさないことが重要です。食物アレルギー研究会[参照]

血液検査や皮膚試験が陽性でも、それだけで必ず実際に食べると症状が出るとは限りません。逆に検査結果だけでは判断できないケースもあります。食べたときの症状、摂取量、発症までの時間などを医師へ伝え、個々の食品について診断を整理します。

「怪しい食品」を自宅で少しずつ試すのは避ける

食べられる主食が少なくなると、「そばは少しなら大丈夫かも」「この雑穀を一口だけ試そう」と自宅で確認したくなるかもしれません。しかし、過去にアレルギー症状を起こした食品や原因として疑われる食品を自己判断で試すことには危険があります。

原因食品の確定や安全に摂取できる量の確認には、必要に応じて医療機関で食物経口負荷試験(OFC)が行われます。食物アレルギー研究会では、OFCの目的として原因アレルゲンの確定診断や安全摂取可能量の決定などを挙げています。食物アレルギー研究会 食物経口負荷試験[参照]

特に過去に呼吸困難、全身じんましん、血圧低下など強い反応を経験している場合には、自宅で「少量から試す」という方法は行わず、必ず医師へ相談してください。

食べられる食品からエネルギーを確保する

米や小麦などの主食が担っている大きな役割の一つはエネルギーの供給です。そのため代替食品を考える際には、「ご飯に似たもの」を探すだけではなく、1日に必要なエネルギーを何から確保するのかという視点が重要になります。

食べられる食品は個人差が大きいため、特定の食品を「アレルギーでも安全」と一律におすすめすることはできません。候補として考えられる食品であっても、本人にアレルギーがあれば当然利用できません。

栄養面 食べられる範囲で検討する食品群
炭水化物・エネルギー 医師から摂取可能と確認された芋類・穀類など
たんぱく質 肉、魚、卵、大豆製品などのうち安全なもの
脂質・エネルギー 使用可能な食用油、種実類など
ビタミン・ミネラル 安全に食べられる野菜、果物、海藻類など

例えばじゃがいもを一定量安全に食べられることが医学的に確認されている場合には、蒸す、焼く、スープに入れるなどして食事へ取り入れられます。ただし「最近少し食べられる」という状態なら、摂取量を増やしてよいかは主治医へ確認するのが安全です。

多数の食品を除去している場合は管理栄養士への相談が重要

除去食品が1~2種類であれば家庭で代替しやすいこともありますが、主な穀類や芋類まで多数除去している場合には栄養不足のリスクを個別に評価する必要があります。

食物アレルギー研究会の栄養食事指導でも、不必要な除去の確認、安全性の確保に加えて、食生活を評価し、除去食品があってもさまざまな食品を取り入れて栄養状態の悪化を防ぐことが示されています。栄養食事指導のポイント[参照]

そこで、食物アレルギーを診療している医師に加えて、可能であれば食物アレルギーの栄養指導に詳しい管理栄養士へ相談します。「主食の代わりを一つ教えてもらう」というより、現在安全に食べられる食品をすべて書き出し、その組み合わせで1日の食事を設計してもらう方法が現実的です。

受診時には「食べられない物」と「食べられる量」を一覧にする

多数の食品に反応している場合は、診察時に記憶だけで説明するより食事記録を作っておくと役立ちます。食品名だけでなく、食べた量、調理方法、食べてから症状が出るまでの時間、症状の種類、服薬の有無などを記録します。

さらに「完全に除去している食品」「少量なら食べている食品」「検査だけ陽性で実際の症状は確認していない食品」「食べたことがなく不明な食品」を分けると、現在の除去が本当に必要なのかを医師が検討しやすくなります。

食物経口負荷試験についても、患者の利益が症状誘発のリスクを上回ると判断された場合に医療機関で実施されます。すべての食品を一度に試すものではないため、どの食品から確認する価値があるかをアレルギー専門医と相談するとよいでしょう。

加工食品は原材料と混入にも注意する

小麦や米だけでなくトウモロコシなど複数の食品に強いアレルギーがある場合、代替食品を購入するときは商品名だけではなく原材料表示を毎回確認することが重要です。同じ種類の商品でもメーカーやリニューアルによって原材料が異なることがあります。

「グルテンフリー」という表示も、小麦以外のすべてのアレルゲンを含まないという意味ではありません。米粉やトウモロコシなどを使用した製品も多いため、複数アレルギーがある人にとって「グルテンフリー=安全」ではありません。

強い症状の既往がある場合は、製造工程での混入についてどこまで避ける必要があるかも主治医へ確認します。自己判断で除去範囲を広げすぎると食べられる食品がさらに減ってしまうため、安全性と栄養の両方から個別に判断することが大切です。

まとめ:主食候補がほとんどない場合は「新しい食品探し」だけで解決しない

小麦と米に加えて、トウモロコシ、オート麦、そば、雑穀、キヌア、アマランサス、複数の芋類などにもアレルギーが疑われる場合、一般的な代替主食を紹介するだけでは安全な食生活を組み立てられません。

このようなケースでは、アレルギー専門医のもとで「本当に完全除去が必要な食品」「一定量なら食べられる食品」「未確認の食品」を整理し、管理栄養士と食べられる食品から必要なエネルギー・栄養素を確保する方法を考えることが重要です。

特に「少し食べられる」「怪しい」という食品について、自宅で摂取量を増やして安全性を確認するのは避けましょう。多数の食品を除去していること自体が重要な受診情報です。主食がほとんど確保できず食事量や体重が減っている場合には、早めにアレルギー専門医と管理栄養士へ相談することが勧められます。

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