弱視治療用メガネの処方箋を見ると、SPH(球面度数)は「+3.00」のようにプラスで記載され、CYL(乱視度数)は「-1.00」のようにマイナスで記載されていることがあります。初めて見る方にとっては、同じ度数なのになぜ符号が違うのか疑問に感じることがあります。
実は、この表記の違いは目の状態が違うという意味ではなく、眼鏡レンズの度数を表す方法(度数表記の形式)が関係しています。遠視や乱視を矯正する眼鏡では、決められたルールに基づいて数値が記載されています。
この記事では、弱視治療用メガネの処方箋にあるSPHやCYL、AXISの意味と、なぜ遠視はプラス、乱視はマイナスで表されることが多いのかを分かりやすく解説します。
弱視治療用メガネの処方箋にあるSPH・CYL・AXISとは
眼鏡の処方箋には、目の屈折状態を表すためにいくつかの項目があります。代表的なものがSPH、CYL、AXISです。
SPHは球面度数を表し、主に遠視や近視の矯正に使用されます。数値の前に「+」や「-」が付き、プラスは遠視矯正、マイナスは近視矯正を意味します。
CYLは円柱度数と呼ばれ、乱視を矯正するための度数です。AXISは乱視の方向(軸)を0度から180度で示します。
| 項目 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| SPH | 球面度数(遠視・近視の補正) | +3.00、-2.00 |
| CYL | 乱視の強さ | -1.00 |
| AXIS | 乱視の方向 | 180° |
遠視の度数がプラス表記になる理由
遠視は、目に入った光の焦点が網膜より後ろにずれる状態です。そのため、光を適切な位置に集めるために凸レンズを使用します。
凸レンズは光を集める働きがあり、眼鏡の度数では「プラス(+)」で表されます。そのため、遠視のある子どもの弱視治療用メガネでは、SPHが+の数値になることが多くあります。
例えば「SPH +3.00」と記載されている場合は、遠視を補正するために3.00D(ディオプター)の凸レンズが必要という意味になります。
乱視の度数がマイナス表記になる理由
乱視は、角膜や水晶体の形状によって光が一点に集まらず、方向によって焦点がずれる状態です。その矯正には円柱レンズを使用します。
眼鏡処方では、乱視度数を表す方法として「マイナスシリンダー表記」が広く使われています。そのため、CYLは「-1.00」のようなマイナス表示になることが一般的です。
つまり、CYLがマイナスだから悪い度数という意味ではありません。単に乱視レンズの表記方法のルールによるものです。
プラスシリンダー表記という別の表し方もある
乱視の度数には、マイナスシリンダー表記とプラスシリンダー表記の2種類があります。
例えば「SPH +3.00、CYL -1.00、AXIS 180°」という処方は、別の表記方法に変換すると「SPH +2.00、CYL +1.00、AXIS 90°」のように表すこともできます。
これはレンズの性質が変わるわけではなく、同じ矯正効果を別の形式で表しているだけです。眼科や眼鏡店では、混乱を避けるために決められた形式で記載しています。
弱視治療用メガネでは度数管理が特に重要
子どもの弱視治療では、単に視力を補正するだけではなく、発達途中の視覚を正しく育てる目的があります。そのため、処方された度数を正確に合わせることが重要です。
特に遠視の子どもでは、見えているように感じても目のピント調節で無理をしている場合があります。適切な度数のメガネをかけることで、目の負担を減らし視機能の発達を助けます。
処方箋の数字だけを見ると難しく感じますが、SPHやCYLの符号は治療の良し悪しを示すものではなく、レンズの種類や表記ルールを表しているものです。
処方箋の数値で疑問がある場合の確認方法
弱視治療用メガネの処方箋を見て疑問を感じた場合は、自己判断で度数を変更するのではなく、処方した眼科や眼鏡店に確認することが大切です。
特に子どもの目は成長によって状態が変化するため、定期的な視力検査や診察によって度数を調整する必要があります。
眼鏡を作成する際には、処方箋の数値だけでなく、子どもの装用状態やフレームの位置なども視力発達に影響します。
まとめ
弱視治療用メガネの処方箋で、遠視のSPHがプラス、乱視のCYLがマイナスで表記されるのは、レンズの種類や度数表記のルールによるものです。
SPHのプラスは遠視を補正する凸レンズ、CYLのマイナスは乱視を表すマイナスシリンダー表記を意味しており、マイナスだから悪いということではありません。
処方箋の数字は専門的に見えますが、それぞれ意味を理解すると眼鏡がどのような目的で作られているのか分かります。弱視治療では医師の指示に従い、定期的に状態を確認しながら適切なメガネを使用することが大切です。


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