白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを入れます。その際に重要になるのが、術後にどの距離を見やすくしたいかというレンズの焦点設定です。
特に定年後で室内で過ごす時間が長い方の場合、遠くよりもスマホやパソコン、テレビなど近〜中間距離を重視したいという希望もあります。この記事では、白内障手術で選べる眼内レンズの種類や、生活スタイルに合わせた焦点設定について解説します。
白内障手術では術後の見え方を事前に決めることが大切
白内障手術では、自然の水晶体の代わりに人工の眼内レンズを挿入します。このレンズにはさまざまな種類があり、どの距離にピントを合わせるかによって術後の見え方が変わります。
例えば、遠くにピントを合わせる単焦点レンズの場合、遠方は眼鏡なしで見やすくなりますが、スマホや読書など近くを見る際には老眼鏡が必要になることがあります。
一方で、生活環境によっては遠方よりも室内で使いやすい距離に合わせる選択も可能です。どの距離を優先するかは、医師との相談で決めていきます。
単焦点レンズでも近〜中間距離に合わせることは可能
保険診療で多く使われる単焦点眼内レンズでも、ピントを合わせる距離は選択できます。必ず遠くに合わせなければならないわけではありません。
例えば、室内でスマホを見る時間が長く、テレビや部屋の中での生活を重視する場合には、近距離や中間距離に焦点を設定する方法があります。
ただし、近くに合わせた場合は遠くがぼやけやすくなるため、外出時には眼鏡が必要になることがあります。生活スタイルとのバランスを考えることが重要です。
スマホから5m程度まで見たい場合の考え方
スマホの距離は一般的に30〜40cm程度、テレビや室内での活動は数m程度です。そのため、スマホから5m程度までを快適にしたい場合、単純に1つの距離だけに合わせるのではなく、中間距離を意識した設定を検討することがあります。
例えば、焦点を50cm〜1m程度に設定すると、スマホやタブレットは見やすくなりますが、部屋の反対側や屋外の景色を見る際には眼鏡が必要になる場合があります。
また、左右の目で異なる焦点距離に設定する「モノビジョン」という方法が検討されることもあります。ただし、すべての人に適しているわけではないため、事前の検査や相談が必要です。
選定療養で使える眼内レンズにはどのようなものがあるか
白内障手術では、保険適用の単焦点眼内レンズのほか、一定の条件で多焦点眼内レンズを選択できる制度があります。多焦点レンズは遠方と近方など複数の距離に対応しやすくなる特徴があります。
ただし、多焦点眼内レンズはすべての距離が完全に裸眼で見えるというものではありません。また、夜間の光の見え方やコントラスト感度など、人によって感じ方が異なる場合があります。
費用面だけでなく、読書が多いのか、車の運転をするのか、室内中心なのかなど、自分の生活習慣に合うかを考えて選ぶことが大切です。
近視・乱視がある場合のレンズ選びで注意すること
近視や乱視がある場合は、眼内レンズ選びにも影響します。特に乱視が強い場合、乱視矯正機能付きのレンズが候補になることがあります。
視力が0.1程度で、近視・乱視・遠視が混在している場合は、現在使用している眼鏡でどの距離をよく見ているかを医師に伝えることが重要です。
例えば、現在の遠近両用メガネで主に何をしている時間が長いのか、スマホを見る時間、テレビを見る距離、外出頻度などを具体的に伝えることで、より希望に近いレンズ選択につながります。
眼内レンズ選びで医師に相談するとよいポイント
手術前の診察では、以下のような希望を具体的に伝えることがおすすめです。
- スマホを見る距離を裸眼で見たいか
- テレビを見る距離を重視するか
- 外出時に眼鏡を使うことは問題ないか
- 夜間運転をするか
- 細かい文字を見る機会が多いか
「遠くは眼鏡でも構わないので室内を快適にしたい」という希望も、白内障手術の重要な判断材料になります。
また、左右両眼を手術する場合は、片目だけ手術した時点で見え方を確認し、その後のレンズ選択について相談できる場合もあります。
まとめ
白内障手術では、単に視力を回復させるだけでなく、術後にどの距離を快適に見たいかを考えて眼内レンズを選ぶことが重要です。
室内中心の生活でスマホやテレビを見ることを重視する場合、近方〜中間距離に焦点を合わせる選択肢もあります。選定療養の対象となるレンズを含め、希望する生活スタイルを医師に具体的に伝えることで、自分に合った見え方を目指すことができます。


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