リストカットがやめられない理由とは|自傷行為と認知行動療法について知っておきたいこと

カウンセリング、治療

リストカットなどの自傷行為は、「ただの癖」や「気持ちの弱さ」ではなく、強いストレスや感情を処理するための手段として繰り返されることがあります。長期間続いている場合でも、適切な支援や治療によって少しずつ変化していく可能性があります。

なぜ自傷行為を繰り返してしまうのか

自傷行為をすると、一時的に気持ちが落ち着いたり、頭の中の苦しさが軽くなったように感じることがあります。これは、強いストレスや不安、感情の混乱を身体的な刺激で処理しようとする反応の一つと考えられています。

また、血を見ることや切る感覚によって、脳内で一時的に安心感に近い反応が起こり、「つらい時の対処法」として脳が覚えてしまうこともあります。

そのため、やめたいと思っていても繰り返してしまい、自分を責めてしまう人も少なくありません。

認知行動療法で変わることはあるのか

精神科や心療内科で行われる認知行動療法(CBT)は、自傷行為そのものを無理に否定するというより、「どんな時に衝動が強くなるのか」「何が引き金になっているのか」を整理していく治療法です。

例えば、「強い孤独感のあとに衝動が出る」「自己否定が強い日に悪化する」など、自分でも気づいていなかったパターンが見えてくることがあります。

その上で、切る以外のストレス対処法を少しずつ増やしていくことで、衝動の頻度や強さが変化していくケースがあります。

「もう治らないのでは」と感じる時

長期間続いていると、「もう自分は一生やめられないのでは」と感じることがあります。しかし、自傷行為は依存に近い性質を持つことがあり、本人の意志だけで急にゼロにするのが難しい場合があります。

そのため、完全にやめることだけを目標にすると、失敗した時に自己嫌悪が強くなってしまうことがあります。

まずは「回数を減らす」「衝動に気づく」「他の方法を試してみる」といった小さな変化を積み重ねることも大切です。

傷跡の悩みと将来の治療について

長袖で隠し続けることに疲れてしまったり、人の視線が怖くなることは珍しくありません。将来的に気持ちが落ち着いてから、皮膚科や美容皮膚科でレーザー治療や瘢痕治療を検討する人もいます。

ただし、傷跡の治療は「心の状態が少し安定してから」が勧められることも多く、まずは現在のつらさを支えることが優先されます。

傷跡に悩む人向けの相談窓口や、同じ経験を持つ人の支援グループなども存在します。

相談できる場所を知っておく

自傷行為については、精神科、心療内科、カウンセリング機関などで相談することができます。話すだけでも整理されることがあり、「理解されない」と感じていた気持ちが軽くなる場合もあります。

また、匿名で利用できる相談窓口もあります。

[参照] 厚生労働省 まもろうよ こころ

「治したい気持ち」と「やめられない感覚」が両方あるのは、不自然なことではありません。

まとめ

リストカットなどの自傷行為は、強いストレスや感情を処理するために繰り返されることがあります。長期間続いていても、認知行動療法やカウンセリングによって衝動のパターンを整理し、少しずつ別の対処法を増やしていくことは可能です。「もう無理だ」と感じていても、一人で抱え込まず、専門機関に相談することが回復への第一歩になります。

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