高校生の子どもが不安症状やパニックのような症状で心療内科を受診すると、本人だけでなく保護者も診察内容や医師の対応に戸惑うことがあります。特に場面緘黙などで自分の気持ちを言葉にすることが難しい場合、診察の進め方や薬の決め方について疑問を感じることもあります。この記事では、思春期の心療内科診療で大切にされる考え方や、医師との相性を判断するポイントについて解説します。
心療内科では本人の意思を確認することが重視される
心療内科や精神科では、症状だけではなく本人がどう感じているか、生活の中で何に困っているかを確認することが診療の大切な部分になります。そのため、医師が本人へ質問する場面は珍しいことではありません。
ただし、高校生であっても全員が自分の状態をすぐに説明できるわけではありません。不安が強い時や場面緘黙の症状がある場合、質問されても言葉が出ないことがあります。その場合は、本人のペースに合わせた関わり方が必要になります。
例えば、本人が話せない時に保護者が状況を補足することは診療上よくあることです。医師によっては本人の発言を待つ姿勢を重視する場合もありますが、本人が安心して話せる環境づくりも同じくらい重要です。
保護者が診察室で補足することは悪いことではない
思春期の子どもの診察では、「本人の治療だから本人の話を聞く」という考え方があります。一方で、症状の経過や家庭での様子など、保護者だから分かる情報も診断や治療方針を考えるうえで重要です。
特にパニック症状、不眠、不安の強さ、学校生活への影響などは、本人がうまく説明できないことがあります。そのため、本人の意見を尊重しながら、必要に応じて家族から情報を補う形が理想的です。
医師から「お母さんは黙って」と言われたように感じた場合でも、意図としては「本人の気持ちを確認したい」という意味だった可能性があります。しかし、保護者が不安を感じた場合は、その理由を伝えて診察方法について相談することも大切です。
薬を本人に選ばせる診療にはどのような意味があるのか
精神科や心療内科では、治療への納得感を高めるために、薬の選択肢や特徴を説明して本人の意見を聞くことがあります。これは患者自身が治療に参加する「意思決定支援」という考え方に基づいています。
ただし、薬の効果や副作用、向いているケースについて十分な説明がないまま「どちらがいいですか」と聞かれると、患者や家族が戸惑うのは自然なことです。
例えば、薬の名前だけを提示されても判断は難しいため、「それぞれのメリットや注意点」「息子の場合はどちらを勧めるのか」「まず試す理由」などを医師に確認してよいでしょう。治療方針を一緒に決めることと、専門的な判断を患者だけに任せることは別のものです。
医師との相性は治療を続けるうえで重要
心療内科や精神科では、医師との信頼関係が治療の継続に大きく影響します。診断や薬の内容だけではなく、「安心して相談できるか」「質問に答えてくれるか」も大切な判断基準です。
一度の診察で違和感を覚えたからといって、すぐに合わないと決める必要はありません。次回の診察で、「本人は質問されると固まってしまう」「親が補足する時間もほしい」など具体的に伝えることで、関係が改善する場合もあります。
一方で、何度相談しても不安が解消されない、本人が診察を怖がる、治療への信頼が持てない場合は、別の医療機関で相談することも選択肢の一つです。
場面緘黙や不安症状がある子どもの診療で大切なこと
場面緘黙や強い不安がある子どもは、「話したくない」のではなく、「話そうとしても言葉が出ない」状態になることがあります。そのため、無理に答えを求めるより、安心して表現できる方法を探すことが重要です。
診察では、口頭で話す以外にも、メモを書く、事前に症状を書いた紙を渡す、保護者が補足するなどの方法があります。本人が安心できる形を医療者と一緒に探していくことが大切です。
例えば、診察前に「最近困っていること」「薬について聞きたいこと」「先生に伝えたいこと」を家族と一緒にメモしておくと、短い診察時間でも必要な情報を伝えやすくなります。
まとめ|子どもが安心して通える医療環境を選ぶことが大切
高校生の心療内科受診では、本人の意思を尊重することと、保護者が支えることの両方が大切です。話すことが難しい子どもに対しては、本人のペースを守りながら必要な情報を共有できる診療環境が望まれます。
医師が本人に質問したり治療選択について意見を求めたりすること自体は、患者主体の医療として行われることがあります。しかし、説明不足や不安が残る場合は遠慮せず質問して構いません。
子どもが安心して治療を続けられることが何より重要です。医師とのコミュニケーションを重ねながら、必要であれば他の医療機関も含めて、本人に合った支援の形を探していきましょう。


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