起立性調節障害(体位性頻脈症候群)はストレスが原因とは限らない?仕事や職場への伝え方と向き合い方を解説

健康、病気、病院

起立性調節障害や体位性頻脈症候群(POTS)と診断された場合、症状そのものだけでなく、職場や周囲からどう見られるかについて悩む人も少なくありません。特に仕事にやりがいを感じている人ほど、「精神的な問題だと思われたくない」「気を遣われたくない」と感じることがあります。この記事では、起立時の頻脈が起こる理由や、ストレスとの関係、職場への説明方法について分かりやすく解説します。

起立性調節障害はストレスだけが原因ではありません

起立性調節障害という名前から、精神的なストレスが原因だと思われることがあります。しかし、実際には自律神経や循環調節の働きが関係する身体的な疾患です。

人は立ち上がると、重力によって血液が下半身に集まりやすくなります。そのため通常は自律神経が働き、心拍数や血管の収縮を調整して脳への血流を維持します。

体位性頻脈症候群(POTS)では、この調整がうまくいかず、立ち上がった際に心拍数が大きく上昇することがあります。精神的な悩みがなくても発症するケースはあります。

立った時だけ脈が速くなる体位性頻脈症候群とは

体位性頻脈症候群は、横になっている状態から立ち上がった時に心拍数が大幅に増加する状態です。

例えば、安静時には脈拍が60〜70回程度でも、立位になると100回以上まで上昇することがあります。動悸、疲労感、めまい、息苦しさ、集中力低下などを伴う場合もあります。

症状の感じ方には個人差があり、検査結果では大きな変化が見られても、本人は「少しふらつく程度」と感じることもあります。症状の強さと本人の自覚が必ず一致するわけではありません。

起立性調節障害と診断されたら仕事を続けられないのか

起立性調節障害と診断されても、必ず仕事を辞めたり長期間休んだりする必要があるわけではありません。症状の程度や仕事内容によって対応は変わります。

特に立ち仕事の場合、長時間立った状態が続くことで心拍数の上昇や疲労感が強くなる可能性があります。そのため医師から一時的に負担を減らすよう勧められることがあります。

例えば、接客業や販売業など長時間立つ仕事では、座れる時間を作る、休憩を増やす、勤務時間を調整するなどの工夫によって働き続けられる場合があります。

職場に診断書を提出するときの伝え方

診断書を提出する際、「起立性調節障害」という病名を知られることに不安を感じる人もいます。しかし、この病気は単純に「ストレスが原因の病気」というものではありません。

職場に伝える際は、病名だけではなく「立ち上がると心拍数が上がりやすいため、医師から立ち仕事を控えるよう指示されています」というように、業務上必要な配慮を中心に説明すると理解されやすくなります。

例えば、「精神的な問題ではなく、体の調整機能の問題で、現在は医師の指示に従って体調管理をしています」と説明することで、誤解を減らせる可能性があります。

周囲に気を遣われることが苦しい場合の考え方

病気を伝えることで、周囲から過剰に心配されたり、仕事への見方が変わったりすることを不安に感じる人もいます。

しかし、診断書を提出する目的は「特別扱いしてもらうこと」ではなく、安全に仕事を続けるために必要な調整を行うことです。

体調不良を隠して無理をした結果、職場で倒れてしまうほうが本人にも職場にも負担になる場合があります。適切な情報共有は、長く働くための手段の一つです。

起立性調節障害と向き合うためにできること

日常生活では、水分や塩分の摂取、適度な運動、十分な睡眠、急に立ち上がらないなどの対策が行われることがあります。

また、症状は一定ではなく、体調や環境によって変化することがあります。そのため、自分の体調の変化を記録しておくことも役立ちます。

例えば、「朝は症状が強い」「長時間立った後に疲れる」「暑い日は悪化しやすい」などを把握すると、医師や職場に具体的な相談がしやすくなります。

まとめ

起立性調節障害や体位性頻脈症候群は、ストレスだけが原因で起こるものではなく、自律神経による体の調整機能が関係する状態です。

仕事が好きで、職場に不満やストレスがなくても発症することはあります。診断書の提出は周囲に弱さを示すためではなく、安全に働き続けるためのサポートを受けるためのものです。

病名への誤解を恐れるよりも、自分の症状や必要な配慮を正しく伝えることが大切です。医師や職場と相談しながら、無理なく仕事と生活のバランスを整えていきましょう。

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