アトピー性皮膚炎の治療でデュピクセント(デュピルマブ)を使用している人の中には、「以前より風邪を引きやすくなった」「発熱する機会が増えた気がする」と感じるケースがあります。
特に、コロナやインフルエンザなど感染症を繰り返した場合、「免疫が下がっているのでは」と不安になる人も少なくありません。
また、診察時に毎回副作用確認がある中で、「発熱しやすくなったことを伝えるべきか」と迷うこともあります。
この記事では、デュピクセントと免疫の関係、感染症との関連、診察時に共有したほうがよい症状についてわかりやすく解説します。
デュピクセントはどんな薬なのか
デュピクセントは、アトピー性皮膚炎などで関与する「IL-4」「IL-13」という炎症シグナルを抑える生物学的製剤です。
従来の免疫抑制剤とは少し異なり、アトピーに関係する特定の炎症経路へ作用する薬とされています。
そのため、「免疫全体を強く下げる薬」と単純には言い切れない部分があります。
実際、一般的な免疫抑制剤と比較すると、重篤な感染症リスクは比較的低いと説明されることもあります。
[参照]PMDA 医薬品情報
風邪や発熱が増えたように感じる理由
デュピクセント使用中に、「以前より感染症が増えた気がする」と感じる人はいます。
ただし、それが必ずしも「免疫が大きく低下した」という意味とは限りません。
近年はコロナ流行後の環境変化もあり、以前より感染症機会そのものが増えた人もいます。
また、アトピー改善によって外出機会や人との接触が増えた結果、感染症に触れる機会が変化しているケースも考えられます。
一方で、デュピクセントの添付文書には、一部感染症や寄生虫感染への注意が記載されています。
そのため、「絶対に関係ない」と断定はできず、体調変化として主治医へ共有することは重要です。
基礎体温の変化は関係ある?
「以前は36.8℃くらいだったのに、最近は36.5℃になった」という体温変化を気にする人もいます。
ただし、基礎体温は睡眠、測定時間、ホルモンバランス、季節、体調などさまざまな要因で変動します。
0.2〜0.3℃程度の変化だけで、明確に免疫低下を判断することは一般的には難しいとされています。
また、デュピクセントで「基礎体温が下がる」という副作用が代表的に知られているわけではありません。
そのため、単独では判断しにくく、感染回数や他症状を含めて総合的に確認されることが多いです。
| 気になる変化 | 確認されやすい内容 |
|---|---|
| 発熱回数増加 | 感染症頻度 |
| 倦怠感 | 副作用・体調変化 |
| 咳や鼻症状 | 感染症の種類 |
| 皮膚悪化 | 治療効果との関連 |
診察時に「発熱しやすくなった」と伝えるべき?
結論として、感染症が増えたと感じる場合は、診察時に共有する人が多く見られます。
特に、生物学的製剤を使用している場合は、日常の変化も含めて確認されることがあります。
たとえば、以下のような内容は診察時の参考になる場合があります。
- 1年間で何回発熱したか
- コロナやインフル感染歴
- 発熱時の重症度
- 治りにくさ
- 倦怠感や咳の有無
毎回の問診で副作用確認があるのは、薬の安全性を継続的に確認する目的もあります。
「副作用か断定できない症状」でも共有することは珍しくありません。
アトピー改善後に気づく「体調変化」もある
長年アトピー症状が強かった人では、治療後に初めて他の体調変化へ意識が向くこともあります。
以前は皮膚症状へ意識が集中していたため、軽い風邪や倦怠感を気にしていなかったケースもあります。
また、仕事や生活スタイルの変化、睡眠不足、ストレスなど、感染頻度へ影響する要素は薬以外にも多くあります。
そのため、「全部デュピクセントのせい」と決めつけるのではなく、主治医と一緒に全体を整理していくことが大切です。
まとめ
デュピクセントはアトピー性皮膚炎に使用される生物学的製剤で、特定の炎症経路へ作用する薬です。
使用中に「風邪や発熱が増えた気がする」と感じる人もいますが、それが単純な免疫低下だけで説明できるとは限りません。
ただし、感染症頻度の変化や体調変化は、診察時に共有してよい内容です。
特に、生物学的製剤では継続的な安全確認が重要になるため、不安な点は主治医へ相談しながら経過を見ていくことが安心につながります。

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