生理痛がひどく薬が効かない・経血量も多いときは?思春期の月経トラブルと家族への伝え方

健康、病気、病院

生理のたびに強い腹痛があり、痛み止めを飲んでも十分に効かない、さらに経血量も多いという場合は、単に「生理だから我慢するもの」と考えず、一度婦人科や産婦人科へ相談することが大切です。月経痛によって勉強や学校生活、家事などができなくなる状態は、月経困難症に当てはまる可能性があります。

また、思春期では父親や家族に生理のことを詳しく話すのが恥ずかしいと感じることも珍しくありません。痛みを理解してもらうために、必ずしも細かな症状を直接口頭で説明する必要はなく、母親、きょうだい、学校の養護教諭など信頼できる人を通して伝える方法もあります。

この記事では、薬が効きにくいほど強い生理痛や経血量の多さで困っている場合に考えられること、医療機関を受診する目安、痛いときの過ごし方、家族へ伝えにくいときの工夫について解説します。

日常生活ができないほどの生理痛は「我慢するだけ」で済ませなくてよい

生理痛には個人差がありますが、腹痛や腰痛などが強く、学校を休む、横にならなければならない、勉強や家事ができないといった状態になる場合は「月経困難症」と呼ばれることがあります。厚生労働省も、毎回痛み止めが必要、月経時の症状によって仕事や家庭生活に影響がある場合などには、専門医療機関への相談を勧めています。[参照]

したがって、痛みで床に横にならなければならないほどつらい状態を「言い訳」や「気合い不足」と同じものとして考える必要はありません。身体的な症状によって活動できないことは実際にあります。

生理痛が勉強や学校生活を妨げるほど強いなら、それ自体が婦人科へ相談してよい理由になります。

痛み止めがあまり効かない場合は婦人科へ相談を

市販または処方された鎮痛薬を使用しても強い痛みが続く場合には、薬の種類や飲むタイミングが合っていない可能性だけでなく、月経困難症の原因となる病気が隠れている場合もあります。

日本産科婦人科学会のガイドラインでは、思春期の月経痛でも子宮内膜症などを念頭に置いて対応することが示されています。思春期だから婦人科系の病気は関係ない、と決めつけることはできません。[参照]

また、診察では必ずしも最初から内診を行うわけではありません。思春期の患者では本人への説明や同意を大切にしながら、問診や必要に応じた腹部からの超音波検査などで確認する方法もあります。受診そのものに不安がある場合は、予約時に「高校生で、生理痛について相談したい」と伝えておくとよいでしょう。

経血量が多い場合は「過多月経」の可能性もある

生理痛だけでなく血の量もかなり多い場合には、過多月経についても確認したほうがよいでしょう。厚生労働省は、経血量の多い日が2日を超えて続く、短い間隔で生理用品を交換しても漏れてしまう、夜用の生理用品でも1〜2時間ごとの交換が必要といった状態を、過多月経を疑う目安として紹介しています。[参照]

出血量が多い状態が続くと、鉄欠乏性貧血になることがあります。疲れやすい、立ちくらみ、息切れ、動悸、顔色が悪いなどの症状がある場合には、生理痛だけでなく貧血についても医療機関で相談するとよいでしょう。

日本産科婦人科学会も、過多月経などの異常な出血について、ホルモンの影響や子宮の病気、血液が固まりにくい状態など複数の原因があり得ると説明しています。[参照]

生理痛はいつ痛み止めを飲むかでも効き方が変わることがある

鎮痛薬は、痛みが限界まで強くなってから使用するより、痛みが始まった段階など早めに使用するほうが効果を得やすい場合があります。ただし薬によって飲み方や服用間隔、1日の上限量は異なるため、必ず説明書や医師・薬剤師の指示を守ってください。

「効かないから」と自己判断で短い間隔で追加したり、異なる鎮痛薬を同時に使ったりするのは避けましょう。現在使っている薬の名前、飲んだ時間、どの程度効いたかを記録して受診時に伝えると、治療方法を検討する材料になります。

医療機関では鎮痛薬だけでなく、症状や年齢、健康状態などに応じてホルモン療法など別の治療が検討される場合もあります。治療の選択肢は一つではありません。

生理痛が強い日は休むことも身体管理の一つ

強い腹痛があるときに無理に机へ向かっても、痛みのため集中できないことがあります。横になって休む、腹部や腰を適度に温める、水分をとるなど、自分が楽になる姿勢で過ごすことは合理的です。

課題など期限があるものについては、「痛みが落ち着いたら30分だけ進める」「翌朝に回す」など体調に合わせて計画を調整する方法もあります。休息することと、やるべきことを完全に放棄することは同じではありません。

例えば「21時まで休んで、痛みが軽くなったら課題を始める」というように時間を決めておけば、家族から見ても単に先延ばししているのではなく、体調回復を待っていることを説明しやすくなります。

父親に生理のことを詳しく話したくない場合はどうする?

思春期には、父親に生理や経血について詳しく話したくないと感じることがあります。その気持ち自体は不自然ではありません。家族だからといって、身体に関することをすべて細かく説明しなければならないわけではありません。

詳しい話を避けたい場合は、「今日は体調不良で強い腹痛がある」「薬を飲んだので、効くまで少し休みたい」「○時になったらもう一度様子を見て課題をやる」という程度でも必要な情報は伝えられます。

直接言いづらければ、LINEやメモで伝える方法もあります。「生理のときにかなり痛くなることがあって、今日はその状態。サボりたいわけではないので少し休ませてほしい」と短く文章にすると、会話より気持ちを整理して伝えやすい場合があります。

信頼できる大人に間に入ってもらう方法もある

父親へ自分から説明することが難しければ、母親、姉妹、親戚など話しやすい家族がいる場合には、代わりに状況を説明してもらう方法があります。「生理痛がかなり強いときがあることだけ、お父さんに伝えてほしい」と頼むだけでも構いません。

家族に相談しにくい場合には、学校の養護教諭、担任、スクールカウンセラーなども相談相手になります。学校でも生理痛のために保健室を利用することがありますし、必要に応じて保護者へ体調について説明してもらえる場合があります。

医療機関を受診して月経困難症などと診断されれば、家族にも「本人の気持ちの問題ではなく治療が必要な症状」と理解してもらいやすくなることがあります。

思春期でも一人で医師と話せる時間をお願いできる

婦人科へ保護者と受診すると、「親の前では言いづらいこともある」と心配する人もいるでしょう。日本産科婦人科学会のガイドラインでは、思春期女子の診察では家族同席だけでなく、本人単独でも問診を行うことが重要とされています。[参照]

そのため、受付や医師に「少しだけ一人で話したいです」と伝えて構いません。月経のことだけでなく、家族には話しにくい心配事について医師へ相談することもできます。

初めて婦人科へ行くのが怖い場合には、女性医師がいるクリニックを探したり、最初は相談だけしたいと伝えたりすると受診への抵抗を減らしやすくなります。

生理の記録をつけると受診にも家族への説明にも役立つ

生理痛の程度や経血量は、本人以外には見えにくいため軽く受け取られてしまうことがあります。そこで、毎月の症状を簡単に記録しておく方法があります。

記録する項目
生理の日 開始日・終了日
痛み 0〜10で評価
痛み止め 薬の名前・飲んだ時間・効き方
経血量 生理用品を交換した回数、漏れの有無
生活への影響 学校を休んだ、課題ができなかったなど
その他 吐き気、頭痛、めまい、下痢など

例えば「毎月1〜2日は痛みが8/10で、鎮痛薬を飲んでも2時間ほど横になっている」「夜用ナプキンでも短時間で交換が必要」と記録できれば、医師にも症状を具体的に説明できます。

早めに医療機関へ相談したい症状

生理痛が以前より急に強くなった、鎮痛薬を適切に使用してもほとんど効かない、毎月学校生活に支障が出る、経血量が非常に多いといった場合には、婦人科・産婦人科への受診を検討してください。

また、出血が非常に多いうえにふらつく、意識が遠くなる、息苦しい、動悸が強い、顔色が明らかに悪いなどの場合には、貧血や大量出血の可能性もあるため、早めの医療相談が必要です。突然の激しい腹痛や、普段とは明らかに違う強い痛みがある場合も同様です。

「まだ学生だから婦人科は早い」と考える必要はありません。思春期の月経痛についても婦人科で診察・治療を受けられます。

まとめ|強い生理痛と経血量の多さは我慢せず、周囲には伝えやすい方法で伝えよう

薬を飲んでも十分に効かず、横にならなければならないほどの生理痛や、日常生活に影響するほど経血量が多い状態は、単に「生理だから仕方ない」で済ませず婦人科へ相談してよい症状です。月経困難症や過多月経などが関係している可能性があり、適切な治療によって症状を軽減できることがあります。

また、父親に生理の詳しい話をしたくない場合には、「強い腹痛があり薬を飲んでいるので、効くまで休みたい」と必要最低限だけ伝える方法でも構いません。LINEやメモ、母親や学校の養護教諭などを介して伝える方法もあります。

生理痛は外から見えにくいため理解されにくいことがありますが、生活に支障が出るほどの痛みは医療的に相談できる症状です。毎月の痛みや出血量、薬の効き方を記録し、無理に我慢せず婦人科・産婦人科で相談することが、つらさを減らすための大切な一歩になります。

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