不安神経症などでトリンテリックス(ボルチオキセチン)を服用していると、調子が安定していた時期でも、体調不良や睡眠不足などをきっかけに急に不安感や不眠が強くなることがあります。せっかく薬の効果を感じていたのに症状が戻ったように感じると、不安がさらに大きくなってしまうこともあります。この記事では、治療中に起こる不安の波の理由や、再発と一時的な悪化の違い、過ごし方のポイントについて解説します。
トリンテリックスで改善していても不安の波が出ることはある
抗うつ薬や抗不安作用を持つ薬による治療では、症状が良くなった後でも一時的に不安や不眠が強くなることがあります。これは薬が効かなくなったという意味ではなく、心身の状態によって症状が揺れ動くことがあるためです。
不安神経症では、体調の変化やストレス、睡眠リズムの乱れなどが刺激となり、自律神経が不安定になることがあります。その結果、動悸、落ち着かなさ、食欲低下、眠りにくさなどが一時的に現れる場合があります。
例えば、数週間安定して生活できていた人でも、睡眠不足が続いたり、体の小さな違和感を強く気にしたりすることで、不安症状が一時的に強まることがあります。
睡眠不足は不安症状を強める大きな要因になる
睡眠は心の安定に大きく関係しています。睡眠時間が短くなったり、途中で何度も目が覚めたりすると、脳が疲労し、不安を感じやすい状態になることがあります。
特に、夜中や早朝に起きる生活リズムが続くと、体内時計が乱れて眠りの質が低下し、不安感や動悸を感じやすくなることがあります。
例えば、普段は23時に寝て朝まで眠れていた人が、早朝に起きる予定が続いて睡眠が分断されると、それだけで「また悪くなったのでは」と不安を感じやすくなることがあります。しかし、睡眠不足による一時的な不調であるケースも少なくありません。
目の違和感など身体症状が不安を引き起こすこともある
不安症では、体に起きた小さな変化をきっかけに不安が急激に強まることがあります。これは体の異常を感じたことで、脳が危険信号として受け取り、不安反応が高まるためです。
例えば、目の違和感、胸のドキドキ、胃の不快感など、本来は軽い症状でも「重大な病気ではないか」「また症状が戻ったのではないか」と考え続けることで、不安がさらに強くなることがあります。
このような場合は、症状そのものだけを見るのではなく、「不安が強くなるきっかけがあったか」「睡眠や生活リズムが乱れていなかったか」を振り返ることも大切です。
頓服薬で眠れたことは治療が振り出しに戻った意味ではない
不安が強い時に医師から処方された頓服薬を使用し、眠れるようになることがあります。その経験から「薬を追加しないと眠れない状態に戻ったのでは」と心配する人もいます。
しかし、短期間の不調時に頓服薬を使ったことだけで、トリンテリックスの効果がなくなったと判断する必要はありません。治療中には、調子の良い時期と悪い時期を繰り返しながら安定していくこともあります。
大切なのは、症状が出た日だけで判断せず、数週間単位で全体の経過を見ることです。以前より不安が軽くなっている、生活できる時間が増えているなどの変化があれば、治療の効果が続いている可能性があります。
不安の波が出た時に意識したい過ごし方
一時的に不安が強くなった時は、「また最初に戻った」と考えすぎないことが重要です。不安そのものが、新たな不安を生み出すことがあるためです。
症状が強い時は、以下のような基本的なケアを意識するとよいでしょう。
- できるだけ睡眠時間を確保する
- 生活リズムを大きく変えない
- 体の症状を何度も検索して不安を強めない
- 軽い運動や日光を取り入れる
- 不安が出ても「一時的な波かもしれない」と考える
ただし、不安や不眠が長期間続く場合、日常生活に大きな支障が出る場合、薬の調整が必要と感じる場合は、自己判断で薬を変更せず主治医へ相談することが大切です。
まとめ|トリンテリックスの効果を感じていても一時的な不調は起こり得る
トリンテリックスを2ヶ月程度服用して調子が良くなっていても、睡眠不足や体調変化、身体への不安をきっかけに、一時的に不安感や不眠が強まることはあります。
症状が戻ったように感じても、それだけで薬が効かなくなった、治療が振り出しに戻ったと判断する必要はありません。心の症状は波を伴いながら改善していくことがあります。
不調が続く場合は医師へ相談しながら、自分の状態を長い目で確認することが大切です。良くなった経験があること自体が、今後安定していくための大切な材料になります。


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