若い世代でも「スマホや読書の後に視界がぼやける」といった症状を経験する人は少なくありません。視力の低下ではなく、ピント調節機能に関わる問題が影響していることもあります。本記事では、考えられる原因や検査方法、生活習慣で気をつけたいポイントを解説します。
1. 視界がぼやける原因として考えられること
手元作業の後に遠くがぼやける場合、主な原因のひとつは「調節緊張(偽近視)」です。長時間近くを見続けることで毛様体筋が緊張し、遠方へのピントが合いにくくなります。また、スマートフォンやPCの使用でまばたきが減り、ドライアイが原因となって一時的に見え方が悪化するケースもあります。
一方で、眼精疲労や屈折異常、さらには眼疾患による影響も考えられるため、検査で明確な異常が見つからない場合でも注意が必要です。
2. 行われる主な検査
眼科では、視力検査や瞳孔を開いての調節麻痺下での屈折検査が行われます。これは一時的に調節を解除して正確な度数を測るためのものです。今回のように視界が安定せず原因が不明な場合は、さらに視野検査や眼底検査が追加されることがあります。
視野検査では、緑内障や網膜疾患などを早期に見つけることができるため、症状が続く場合には重要な検査です。
3. 日常生活でできる予防と対策
近くを見る時間が長い人は「20-20-20ルール」を意識すると良いでしょう。20分ごとに20フィート(約6m)先を20秒見る習慣です。これにより目の筋肉をリセットすることができます。
また、読書やスマホ使用時の照明を適切に保ち、姿勢を正すことも効果的です。ドライアイ対策として、意識的にまばたきを増やしたり、加湿器を使用するのもおすすめです。
4. 専門医に伝えるべきこと
「自分の感覚的にはピント調節が麻痺している気がする」などの主観的な意見も、医師に伝えることは診断の役に立つことがあります。症状が出るタイミングや改善方法、生活習慣との関係などを具体的に伝えるとより正確な診断につながります。
診断を妨げるのではないかと遠慮する必要はなく、むしろ医師は患者の体感を重要な情報として扱います。
5. まとめ
視界のぼやけは単なる目の疲れから、屈折異常や眼疾患までさまざまな原因が考えられます。検査で異常が見つからなくても、症状が続く場合は追加検査を受けたり、生活習慣を見直すことが大切です。自分の感じている違和感や経過をしっかり伝え、安心して日常生活を送れるように専門医と一緒に対処していきましょう。
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