NIPT(新型出生前診断)は、胎児の染色体異常を検出するための血液検査です。この検査は、妊娠10週目以降に行うことができ、ダウン症や18トリソミー、21トリソミーなどの染色体異常を確認できます。無認可のクリニックでNIPTを受ける際に、どの項目を選択すべきかについて迷うこともあります。本記事では、NIPTで提供される検査項目に関する解説と、それぞれの選択肢について詳しく説明します。
NIPTで行われる主要な検査項目
NIPTでは、いくつかの染色体異常を検出することができます。最も一般的なものは、ダウン症候群、18トリソミー、21トリソミーなどですが、検査プランに応じてさらに多くの異常を調べることができます。以下に、質問で挙げられた検査項目を解説します。
① 13・18・21番染色体+性染色体
13番、18番、21番染色体異常は、最も一般的に検出される異常です。これらの異常は、それぞれ、13トリソミー(パトウ症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、21トリソミー(ダウン症候群)を引き起こします。これらは染色体異常の中でも比較的高頻度で見られ、早期に発見することで、早期の支援が可能になる場合があります。
性染色体の異常(例えば、ターナー症候群やクラインフェルター症候群)も合わせて検査されることがあります。これにより、より広範囲にわたる染色体異常を検出することができます。
② 微小欠失症候群(1p36、4p16.3、17p11.2、22q11.2)
微小欠失症候群は、特定の染色体の一部が欠損していることによって発生する遺伝子疾患です。これらは、特定の症候群を引き起こし、知的障害や発達遅延を伴うことが多いです。例えば、22q11.2欠失症候群は、ディジョージ症候群としても知られ、心臓の疾患や免疫系の問題が発生する可能性があります。
これらの検査は、ダウン症以外の重篤な遺伝的疾患を早期に発見するために有用です。しかし、これらの疾患は発症の頻度が低く、検査を行うかどうかは個別の判断が必要です。
③ 全常染色体全領域部分欠失・重複疾患
全常染色体の部分欠失や重複は、染色体全体にわたる遺伝子の欠失や追加がある場合に発生します。これらの疾患は非常に稀ですが、重大な影響を与えることがあり、早期の発見が重要です。
例えば、染色体全体が欠失したり、部分的に重複することが、発達障害や遺伝的な疾患を引き起こす可能性があります。これらは非常に珍しいため、通常は特定の症例でのみ検査されることが多いです。
どのプランを選べば良いか?
NIPTで選べるプランには、基本的な検査項目から、より詳細な検査項目まであります。自身の希望や不安な点に合わせて、必要な項目を選ぶことが重要です。ダウン症やエドワーズ症候群、パトウ症候群などの一般的な染色体異常を検出することが最優先であれば、基本的なプランを選んでも十分かもしれません。
一方で、微小欠失症候群や全常染色体の異常を確認したい場合は、より詳細な検査を受けることを検討する価値があります。特に、ディジョージ症候群やその他の重篤な疾患が気になる場合、これらの検査項目は有用です。
まとめ
NIPTは非常に精度が高い検査であり、早期に胎児の染色体異常を発見するための有力な手段です。検査項目の選択は、個々の健康状態や不安な点に基づいて決めるべきです。一般的な染色体異常だけでなく、微小欠失症候群や重複疾患のリスクも考慮して、最適なプランを選ぶことが大切です。
最終的な決定は、医師と相談した上で、十分に納得のいく形で行うことをおすすめします。心配なことがあれば、クリニックに問い合わせて、専門的なアドバイスを受けることが重要です。
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