心療内科や精神科で処方された薬を薬局で受け取る際、薬剤師からの質問に戸惑ったり、プライバシーが守られていないと感じることがあります。特に「調子はどうですか?」といった会話を人前でされると、苦痛に感じる方も少なくありません。では薬剤師はなぜそのような質問をするのでしょうか。そして患者としてどのように対応すれば安心して利用できるのでしょうか。
薬剤師に課せられた服薬指導の義務
薬剤師は「薬剤師法」や「薬機法」に基づき、処方薬を安全に服用できるように患者へ説明する義務があります。これを「服薬指導」と呼び、薬の飲み方・副作用・注意点などを確認しなければなりません。特に心療内科や精神科の薬は、飲み忘れや副作用の有無が治療の効果に直結するため、確認が細かくなる傾向があります。
そのため「どうしてこの薬を処方されたのか」などを聞かれることもありますが、これは医師の処方意図を再確認し、安全に服用できるようにするための行為です。
プライバシーへの配慮が不足しているケース
とはいえ、薬剤師が大きな声で質問をしてしまうと、周囲の人に聞かれてしまい、プライバシーが侵害されたように感じてしまうこともあります。特に心の病気やデリケートな症状に関わる薬は、人前で話されたくないと感じるのは自然なことです。
薬局によってはプライバシーに配慮した「相談スペース」や「個別ブース」を設けているところもあるため、気になる場合は希望を伝えると対応してもらえることがあります。
患者ができる具体的な対応方法
- 「小声でお願いします」と薬剤師に伝える
- プライバシーに配慮した対応を希望する旨をあらかじめ申し出る
- 質問に答えたくない場合は「主治医と相談しています」と答える
- 薬の情報は紙に書いて渡してほしいと依頼する
薬剤師も患者の希望を尊重する義務があるため、遠慮せずに伝えることが大切です。
安心して薬局を利用するために
もし今通っている薬局でどうしても不快な思いをしてしまう場合は、別の薬局に変更することも可能です。処方箋はどの薬局でも受け付けられるため、自分に合った薬局を選ぶことは患者の権利です。
また、最近ではプライバシーに配慮した対応を重視する薬局も増えているため、安心して相談できる場所を見つけることが治療を続ける上でも大切になります。
まとめ
薬剤師には服薬指導の義務があり、患者の状況を確認するのは安全のために必要な行為です。ただし、プライバシーを侵害するような形で行われてはいけません。患者としては「小声でお願いします」と伝える、個別スペースを希望する、薬局を変えるなど、自分に合った方法を選ぶことができます。安心して通院と服薬を続けるために、薬剤師とのコミュニケーションを工夫してみましょう。
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