お寿司などで生のエビを食べると喉がかゆくなるのに、茹でたエビでは平気という経験をしたことはありませんか?このような反応は一見不思議ですが、実は食物アレルギーやたんぱく質の変化に関係しています。この記事では、その原因と対処法についてわかりやすく解説します。
生のエビを食べると喉がかゆくなる原因
生のエビを食べたときに喉や口の中がかゆくなるのは、エビに含まれる特定のたんぱく質に対してアレルギー反応が起きている可能性があります。特に、エビやカニなどの甲殻類アレルギーでは、免疫システムが「トロポミオシン」というたんぱく質を異物と誤認し、ヒスタミンなどの物質を放出することでかゆみや腫れが起こります。
ただし、生の場合のみ反応する場合は、「加熱によるたんぱく質の変性」が関係しています。生の状態ではアレルゲンが活性化しており、加熱すると構造が変化して反応が起きにくくなるのです。
生エビアレルギーの特徴と注意点
生のエビで症状が出る場合、典型的な症状としては以下のようなものがあります。
- 喉や口の中のかゆみ
- 唇や舌のしびれ
- 軽いむくみや違和感
これらの症状が出る場合でも、軽症のうちは見過ごされがちです。しかし、繰り返し摂取すると症状が強くなる可能性があり、蕁麻疹や呼吸困難など重度のアレルギー反応(アナフィラキシー)につながることもあるため注意が必要です。
加熱で反応しない理由
エビに含まれるアレルゲンたんぱく質は、加熱によって構造が壊れ、免疫がそれを「異物」として認識しにくくなります。そのため、茹でたエビや焼いたエビでは反応が出ない場合が多いのです。
一方で、すべての人が加熱後に安全というわけではありません。中には、加熱してもアレルゲンが残る人もいるため、「生では症状が出るけど加熱では出ない」=安全とは限らないということを理解しておきましょう。
検査と対処法
もし生のエビを食べた際に毎回同じような症状が出る場合は、アレルギー検査を受けるのがおすすめです。病院では「特異的IgE抗体検査」や「プリックテスト」で原因物質を特定できます。
また、軽い症状でも、次回強いアレルギー反応が起こる可能性があるため、自己判断で食べ続けるのは避けましょう。特に、喉の違和感や息苦しさを感じる場合は、速やかに医療機関を受診してください。
日常で気をつけたいポイント
生のエビだけでなく、刺身や寿司、サラダなどに使われる「生食用甲殻類」には注意が必要です。また、同じ調理器具で生エビを扱った場合、わずかな残留成分で反応することもあります。
外食時には「エビアレルギーがある」と伝えること、または「加熱されたものだけを選ぶ」ことでリスクを減らせます。
まとめ:軽い症状でも油断せず、専門医に相談を
生のエビで喉がかゆくなるのは、アレルギー反応の可能性があります。茹でたエビで症状が出ない場合でも、油断せず医療機関で検査を受けることが大切です。原因を特定することで、安心して食生活を送るための対策が取れるようになります。


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