メンタルクリニックとカウンセリングはどちらに行く?パニック・不安・吐き気・仕事のストレスが続くときの相談先

病気、症状

強い不安やパニック、吐き気、頭痛、動悸などが続くと、「メンタルクリニックとカウンセリングのどちらに行けばいいのだろう」と迷うことがあります。さらに仕事や学校、人間関係のストレスまで重なると、身体症状と心理的な問題を切り分けること自体が難しくなります。

基本的には、日常生活や仕事・通学に支障が出るほどの症状がある場合、まず精神科・心療内科などの医療機関で評価を受け、そのうえで必要に応じてカウンセリングを組み合わせるという考え方が現実的です。どちらか一方しか利用できないわけではありません。

また、「死ぬしか逃げ道がない」「消えてしまいたい」などと感じる状態は、通常のストレス相談とは分けて考える必要があります。自分を傷つける可能性がある、具体的な自殺の方法を考えている、一人で安全を保てないと感じる場合は、予約日を待たず119番などの緊急支援を利用してください。厚生労働省は全国の公的な相談機関につながる「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」などの相談先も案内しています。[参照]

メンタルクリニックとカウンセリングは役割が異なる

「メンタルクリニック」という名称に厳密な診療科としての定義があるわけではなく、一般には精神科や心療内科を掲げる医療機関を指して使われています。医師が診察し、症状や経過、生活への影響、身体疾患や薬の影響などを考慮しながら診断や治療を行います。

医療機関では必要に応じて薬物療法を検討できることが大きな違いです。不安やパニック、抑うつ、睡眠の問題などについて医学的な評価を受けたい場合や、すでに薬を頻繁に使用している場合には、医師への相談が重要になります。

一方、カウンセリングでは、公認心理師や臨床心理士などの心理職と一定の時間をかけて悩みや考え方、行動パターンなどを整理していくことがあります。薬を処方する場ではありませんが、ストレスへの対処方法を身につけたり、自分の考え方や反応を理解したりするために役立つ場合があります。

身体症状や薬の使用が増えているなら医療機関への相談を優先する

パニックだけでなく、毎日のように吐き気や頭痛がある、仕事や学校に行けない、早退するほど症状が強い、薬を使用する回数が以前より増えているといった場合には、単純に「考え方を変えれば解決する」と判断しないことが大切です。

精神的なストレスによって身体症状が現れることはありますが、吐き気、頭痛、呼吸の異常感、動悸などには身体疾患が関係することもあります。過去の検査で異常がなかったとしても、その後に症状が変化しているのであれば、必要に応じて内科など身体面の診療と精神科・心療内科の両方から評価することがあります。

特に、市販の頭痛薬や吐き気止めを含めて薬をほぼ毎日使用している場合には、薬の名前、1回量、1日に飲む回数、1か月に使用する日数を一覧にして医師や薬剤師へ伝えると役立ちます。薬によっては連用に注意が必要なものがあり、自己判断で増量・減量・中止するより、現在使用している薬をすべて伝えて整理してもらうほうが安全です。

「心と体の症状に全部効く1種類の薬」があるとは限らない

不安、パニック、吐き気、頭痛などが同時に起こっていると、「全部を一つで治せる薬が欲しい」と考えるのは自然です。しかし、すべての症状を一つの薬だけで安全かつ確実に治療できるとは限りません。

不安やパニックに対する薬にも複数の種類があり、頓服として使われる薬と、継続的な治療を目的として使われる薬では役割が異なります。どの治療が適しているかは症状、診断、他の病気、現在服用している薬、副作用の可能性などによって変わります。

例えば「以前は月に数回だった頓服が最近はほぼ毎日必要になった」という変化は、診察時に伝える価値の高い情報です。薬を追加してもらうことだけを目的にするのではなく、なぜ使用頻度が増えたのかを含めて治療全体を見直してもらうことが重要です。

仕事や私生活の悩みもメンタルクリニックで話してよい

精神科・心療内科では症状だけを話し、仕事や家庭の悩みを隠さなければならないわけではありません。むしろ「電車に乗るとパニックになる」「仕事の日になると吐き気が強くなる」「上司との関係が悪化してから眠れなくなった」など、症状が起こる状況は診断や治療方針を考える重要な情報になります。

ただし、医師の診察とカウンセリングは時間や目的が異なります。診察時間は医療機関や初診・再診によって大きく異なるため、「一人何時間」と一律には決められません。一般に、心理職によるカウンセリングのほうが一回の面談にまとまった時間を設定していることがあります。

例えば診察では「いつから症状があるか」「どのくらいの頻度か」「仕事にどの程度影響しているか」「何の薬をどれだけ使っているか」を医師へ伝え、仕事で感じる孤独感や自分を責めてしまう思考などをカウンセリングで詳しく扱う、という併用も考えられます。

初診前にメモを作ると短い診察でも伝えやすい

初めて精神科や心療内科を受診すると、緊張して伝えたかったことを忘れることがあります。特に数年間にわたる症状を最初からすべて口頭で説明しようとすると、重要な情報が抜けてしまいがちです。

そこで、受診前に「症状が始まった時期」「現在困っている症状」「症状が出やすい状況」「仕事・学校への影響」「睡眠」「食事」「使用中の処方薬と市販薬」「過去に受けた検査や治療」「死にたいと感じることがあるか」を簡潔にメモしておくと便利です。

具体的には、「電車で週○回パニックになる」「吐き気は週○日」「安定剤を月○回から現在は1日○回程度使うようになった」「仕事を辞める以外に逃げ道がないように感じる」といった形です。症状を上手に説明する必要はなく、事実を時系列で整理するだけでも医師が状況を把握しやすくなります。

カウンセリングは「考え方を無理にポジティブにする場所」ではない

カウンセリングというと、「前向きに考えましょう」と励ましてもらうものを想像するかもしれません。しかし心理療法では、不安が起きる状況、そのときに浮かぶ考え、身体反応、回避行動などを整理し、症状を維持しているパターンを理解していくことがあります。

パニック症状などでは、状態に応じて認知行動療法などの心理療法が検討されることがあります。ただし、すべての人に同じ方法が適するわけではないため、専門家による評価を受けながら進めることが大切です。

「ストレスを感じない人になる」ことを目標にする必要もありません。ストレスそのものを完全になくすのではなく、ストレスが生じても生活が大きく崩れない対処方法を増やしていく、という方向で治療やカウンセリングを考えることができます。

メンタルクリニックとカウンセリングを併用する方法もある

医療とカウンセリングは二者択一ではありません。医師による診察で医学的な状態や薬物療法を管理してもらいながら、心理職とのカウンセリングで不安への対処や仕事上の悩みを整理する方法があります。

クリニック内に公認心理師や臨床心理士が在籍している場合もあれば、外部のカウンセリング機関を利用する場合もあります。心理療法・カウンセリングの費用や保険適用の有無は内容や施設によって異なるため、予約時に確認しておくと安心です。

受診先を探す際には、「パニックや不安症状について相談したい」「カウンセリングも希望している」と電話や予約フォームで伝え、対応しているか確認する方法があります。厚生労働省の案内でも、精神科・心療内科などの医療機関や心理専門職につながる情報が紹介されています。[参照]

「死ぬしかない」と感じるときは次回予約まで我慢しない

「死ぬしか逃げ道がない」「自分を傷つけそう」と感じているときは、通常の予約を待つ段階とは別に考える必要があります。特に自殺する方法や場所を具体的に考えている、準備をしている、自分の行動を止められない、一人でいると危険だと感じる場合には、一人にならず、身近な人に状況を伝え、119番や救急医療など緊急の支援につながってください。

そこまで切迫していなくても、死にたい気持ちが繰り返し現れる場合には、そのことを精神科・心療内科の医師にそのまま伝えて構いません。「言ったら迷惑ではないか」と伏せてしまうより、どの程度の危険があるのかを専門家が判断するための重要な情報になります。

受診まで一人で抱えることが難しい場合には、厚生労働省の「こころの健康相談統一ダイヤル」0570-064-556から、電話をかけた地域の公的な相談機関につながります。受付時間は地域によって異なります。また、厚生労働省は電話だけでなくSNSなどの相談窓口もまとめています。[参照]

まとめ:生活に支障があるなら医療機関を軸にカウンセリングも検討する

強い不安やパニックに加えて、吐き気や頭痛などの身体症状が続き、仕事や学校にも影響している場合は、まず精神科・心療内科などで医学的な評価を受けることが一つの重要な選択肢です。身体症状については必要に応じて内科などでの評価も受け、精神的な原因だけだと自己判断しないことも大切です。

一方、仕事や人間関係のストレス、自分の考え方、不安との付き合い方を時間をかけて整理したい場合にはカウンセリングが役立つことがあります。「メンタルクリニックかカウンセリングか」ではなく、「医療で症状を評価・治療しながら、必要なら心理的な支援も組み合わせる」という考え方ができます。

そして、死にたい気持ちが強くなっている場合は、それ自体が専門家に伝えるべき重要な症状です。次の診察まで我慢することを前提にせず、切迫している場合は119番などの緊急支援を利用し、それ以外でも医療機関や公的な相談窓口へ早めにつながることが大切です。

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