ADHDや双極性障害などの精神的な不調を抱えていると、「この先ずっと苦しいままなのではないか」「以前できていたことができなくなった自分は駄目なのではないか」と不安になることがあります。しかし、症状が続いていることと、人生が終わってしまうことは同じではありません。この記事では、精神疾患との付き合い方や、症状によって生活が崩れた時に大切な考え方について解説します。
ADHDや双極性障害は「治る・治らない」だけで考えないことが大切
ADHDや双極性障害は、風邪のように薬を飲めば短期間ですべて解決する病気ではありません。症状の波があり、環境や生活状況によって状態が変化することがあります。
そのため、「完全に症状がなくならない=人生が終わり」という考え方になる必要はありません。精神疾患の治療では、症状をゼロにすることだけではなく、症状とうまく付き合いながら自分らしい生活を取り戻していくことも大切な目標になります。
例えば、以前は問題なくできていた仕事や勉強が難しくなったとしても、それは本人の努力不足ではなく、病気によって脳の働きやエネルギーの使い方が変化している可能性があります。
病気によってできなくなったことと自分自身の価値は別
精神疾患を抱える人が苦しみやすいことの一つに、「昔の自分」と現在の自分を比べてしまうことがあります。以前は真面目に働けた、家族を支えられた、責任を果たせたという経験があるほど、今の状態を責めてしまうことがあります。
しかし、病気によって能力を発揮しにくい時期があることは、その人の価値が下がったという意味ではありません。体調を崩して休んでいる人に対して「怠けている」と言わないように、心の病気による困難も本人の性格や人間性とは分けて考える必要があります。
例えば、以前は毎日学校へ行けていた人が、現在は外出することも難しい状態になったとしても、それは「意志が弱くなった」のではなく、病気によって使えるエネルギーが減っている状態かもしれません。
双極性障害では気分の波への対策が重要
双極性障害では、気分が高まり活動的になる躁状態と、気分が落ち込み何もできなくなるうつ状態を繰り返すことがあります。特に躁状態では、自分では問題に気づきにくい行動を取ってしまうことがあります。
治療では薬による調整だけでなく、睡眠時間を安定させること、生活リズムを整えること、自分の状態変化を記録することなども重要になります。
例えば、「睡眠時間が短くなった」「急に大きな買い物をしたくなる」「活動量が極端に増えた」など、自分の躁状態のサインを把握しておくことで、早めに主治医へ相談するきっかけになります。
治療中でもつらい時は一人で抱え込まない
薬をきちんと飲み、医師の指示を守っているにもかかわらず症状が改善しないと、「もう何をしても無駄なのでは」と感じてしまうことがあります。
しかし、精神疾患の治療では薬の種類や量だけでなく、医師との相性、心理的な支援、生活環境など多くの要素が関係します。症状が続く場合は、主治医に現在の困りごとを具体的に伝えることが大切です。
また、「消えてしまいたい」「死ねば問題がなくなる」といった考えが強くなる時は、症状によって視野が狭くなっている可能性があります。そのような時は一人で判断せず、家族や医療機関、地域の相談窓口などにつながることが安全につながります。
将来や家族への不安を感じた時の考え方
精神疾患を抱えていると、「家族を幸せにできない」「迷惑をかけている」と自分を責めてしまうことがあります。しかし、家族が望んでいることは、完璧に成功することだけではありません。
苦しい時に助けを求めることも、人との関係を大切にする行動の一つです。支えてもらった経験は、将来的に誰かを理解する力や優しさにつながることもあります。
例えば、現在は親に頼っている状態でも、体調が安定した時に感謝を伝える、できる範囲で家事をする、自分の経験を誰かの支えにするなど、小さな形で恩返しをすることはできます。
まとめ
ADHDや双極性障害は、症状の波があり長く付き合っていく必要がある場合があります。しかし、「今できないこと」が「これからも永遠にできないこと」と決まったわけではありません。
大切なのは、病気によって苦しい状態にいる自分を責め続けるのではなく、治療を続けながら少しずつ生活を整えていくことです。
もし将来への不安や希死念慮が強くなっている場合は、それを一人で抱え込まず、医療機関や周囲の人に伝えてください。今の苦しさだけで人生全体の価値を決める必要はありません。


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