複数の障害や持病を抱えて生活していると、『病気に負けている』『普通の人のようにできない』と感じることがあります。しかし、長期的な病気や障害との付き合い方は、勝ち負けで考えるよりも、自分なりの生活を維持できているかという視点で考えるほうが現実的です。
特に神経疾患や睡眠障害、発達障害などが重なる場合は、本人の努力だけでは解決できない困難も少なくありません。まずは病気との向き合い方について整理してみましょう。
病気との戦いは必ずしも『勝つか負けるか』ではない
多くの慢性疾患や障害は、風邪のように完全に治ることを目標にするのではなく、症状をコントロールしながら生活することを目指します。
例えば、糖尿病やてんかん、高血圧なども完全に消えることより、症状を管理しながら日常生活を送ることが治療の中心です。
『昨日より少し楽だった』『今日は仕事に行けた』という状態も十分な前進と言えます。
複数の障害や持病が重なると負担は想像以上に大きい
発達障害だけでも疲労しやすい人は少なくありません。さらに特発性過眠症やめまい、てんかんなどが加わると、体力だけでなく集中力や判断力にも影響が出る場合があります。
周囲からは見えにくいため、『もっと頑張ればできるのでは』と思われることもありますが、実際には本人が限界まで努力しているケースも珍しくありません。
例えば、立ち仕事はできても帰宅後に何時間も動けなくなる人や、外出できても翌日に強い疲労が出る人もいます。表面だけでは負担の大きさは判断できません。
病気と引き分けに持ち込むための考え方
慢性的な病気や障害と付き合う上では、『病気を消す』よりも『生活を守る』ことが重要になります。
| 考え方 | 具体例 |
|---|---|
| 無理を減らす | 休憩を増やす、補助具を使う |
| 支援を活用する | 福祉サービスや相談支援を利用する |
| できることに注目する | 働ける時間や活動できる範囲を把握する |
| 比較を減らす | 健康な人ではなく過去の自分と比べる |
このような工夫は『病気への敗北』ではなく、『病気との共存』に近い考え方です。
生活保護や福祉制度を利用することは負けではない
障害や病気によって十分な収入を得ることが難しい場合、生活保護や障害年金などの制度が用意されています。
これらは特別扱いではなく、社会保障制度として存在しています。利用を検討すること自体が悪いことでも、諦めでもありません。
実際には『働ける範囲で働きながら支援を受ける人』も多くいます。制度を利用するかどうかは本人の状況によって異なり、他人が決めるものではありません。
周囲の意見よりも主治医や専門家の評価を大切にする
インターネット上では様々な意見がありますが、実際の症状や生活状況を把握しているのは主治医や支援者です。
特に神経疾患や睡眠障害、発達障害などは外見から判断しにくいため、第三者の意見だけで自分を評価しないことが大切です。
自分では『何もできていない』と思っていても、専門家から見ると『かなり頑張っている状態』ということも珍しくありません。
まとめ
障害や持病との生活は、勝ち負けだけで評価できるものではありません。慢性的な症状を抱えながら生活を続けている時点で、多くの人は既に大きな努力をしています。
大切なのは病気を完全に打ち負かすことではなく、自分に合った方法で生活を維持し、必要な支援を活用しながら無理のない毎日を送ることです。『勝つ』ではなく『付き合う』『引き分けに持ち込む』という視点が、長い目で見たときに現実的な目標になることもあります。


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