心臓手術後に人工呼吸器を使用した患者さんでは、声が出にくい、飲み込みが弱くなる、咳き込みが起こるなどの症状が見られることがあります。これらは術後の一時的な神経・筋肉の影響によるもので、誤嚥リスクと関連して注意が必要です。
術後の嚥下障害とは
人工呼吸器を装着していた期間が長い場合、声帯や咽頭の筋肉が一時的に機能低下することがあります。その結果、食べ物や飲み物を飲み込む力が弱くなり、咳き込みやむせが起こりやすくなります。
嚥下障害は、術後2週間程度で回復が始まるケースもありますが、個人差が大きいため、医師やリハビリ専門職による評価が重要です。
誤嚥の兆候と注意点
誤嚥とは、食べ物や飲み物が誤って気管に入る状態を指します。咳き込みが激しい場合や食後に呼吸が乱れる場合は誤嚥の可能性があります。
ただし、咳が強くても実際には誤嚥していない場合もあります。むせの有無や咳のタイミング、食べ物の種類などを観察することがポイントです。
回復のきっかけとなるリハビリ
嚥下リハビリでは、口や喉の筋肉を刺激し、飲み込みの練習を段階的に行います。たとえば、ゼリーやスプーンでの少量練習から始めることがあります。
症例として、術後2週間で嚥下リハビリを始めた方は、数日で咳き込みが軽減し、1〜2週間後には固形物の摂取も可能になった実例があります。
医療機関での対応
嚥下障害が長引く場合は、耳鼻咽喉科やリハビリ科による詳細な評価が推奨されます。必要に応じて、誤嚥を防ぐための姿勢指導や食事形態の調整が行われます。
また、定期的に嚥下造影検査や内視鏡評価を行うことで、安全に食事を再開できるか判断できます。
日常生活での工夫
食事の際には小さく切る、ゆっくり食べる、水分を合わせて飲むなどの工夫が有効です。咳き込みが起きた場合は無理に飲み込まず、落ち着いて呼吸を整えることも重要です。
さらに、家族や介助者が側で見守ることで、誤嚥リスクを減らすことができます。
まとめ
心臓手術後の嚥下障害は一時的な筋肉・神経の影響で起こることが多く、咳き込みや声の出にくさが見られる場合があります。誤嚥リスクを把握し、リハビリや食事の工夫を組み合わせることで回復を促すことが可能です。
長引く症状や食事が困難な場合は、医療機関での評価と指導を受けることが安全な回復への近道です。

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