横向きに埋まっている親知らずの抜歯は、通常の抜歯とは異なり「小手術」に分類されることが多く、処置時間や術後症状に個人差が出やすい治療です。抜歯に時間がかかった場合や、口の中に違和感が残る場合でも、多くは想定内の経過であることがあります。本記事では、処置時間の目安や頬・舌で触れる違和感の正体、注意すべき症状について解説します。
横向きに埋まった親知らずの抜歯はなぜ時間がかかるのか
横向きに生えている、いわゆる「水平埋伏智歯」は、歯ぐきや骨の中に深く埋まっていることが多く、そのまま引き抜くことができません。そのため歯ぐきを切開し、必要に応じて顎の骨を削ったり、歯を分割して取り出す工程が必要になります。
歯の大きさ、根の形、骨との癒着の程度によっては30分〜1時間以上かかることもあり、1時間前後の処置時間は決して珍しいものではありません。
「通常どれくらいかかるのか」の目安
処置時間は症例によって大きく異なりますが、目安としては以下のような範囲です。
比較的簡単な埋伏歯で20〜30分程度、骨削除や分割が必要なケースでは40〜90分ほどかかることがあります。特に歯が大きい、根が湾曲している場合は時間が延びやすい傾向があります。
時間がかかったからといって、処置が失敗しているわけではない点は安心材料になります。
頬の内側が「ベロベロする」違和感の正体
抜歯中は器具で頬を強く引っ張ったり、口角鈎(こうかくこう)と呼ばれる器具で固定するため、頬の内側の粘膜が擦れたり軽く傷つくことがあります。
その結果、舌で触ると皮がめくれたような「ベロベロした感触」や、ヒリヒリ感を覚えることがあります。多くの場合、これは粘膜の表層が傷ついた軽度の外傷で、数日〜1週間程度で自然に治癒します。
よくある術後症状と経過
横向き埋伏歯の抜歯後には、腫れ、痛み、口が開きにくい、飲み込みにくいといった症状が出ることがあります。これらは炎症反応として一般的な経過です。
また、抜歯部位周囲だけでなく、頬や舌、口角付近に違和感が出ることもありますが、多くは時間とともに改善します。
注意が必要な症状の見分け方
以下のような症状がある場合は、早めに歯科医院へ連絡することが推奨されます。
強い痛みが日ごとに悪化する、膿や強い口臭が出る、38度以上の発熱が続く、しびれが数日経っても改善しない場合などは、感染や神経刺激の可能性があります。
術後のセルフケアで気をつけたいこと
傷口を舌や指で触らない、強いうがいを避ける、処方された薬を指示通り服用することが大切です。頬の内側の傷も、刺激を与えなければ自然に回復します。
食事は柔らかいものを選び、アルコールや激しい運動は数日控えると治癒がスムーズになります。
まとめ
横向きに埋まった親知らずの抜歯に1時間ほどかかることは珍しくなく、歯が大きい場合や骨削除を伴うケースでは想定内の処置時間です。また、頬の内側がベロベロする感触は、器具による粘膜の軽い傷であることが多く、通常は自然に治ります。
経過を見て違和感が軽減していれば心配しすぎる必要はありませんが、強い痛みや異常が続く場合は、早めに担当歯科医へ相談することが安心につながります。


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