目をいくら洗っても擦っても、“コロコロ”“ゴロゴロ”した違和感が取れず、鏡にもゴミが見えない――そんな経験をしたことがある人は多いと思います。実は「見えない異物」ではなく、目の表面の状態やまぶたの構造、涙の状態によって“異物感”が起こることがよくあります。本記事では、その主な原因と、いつ眼科を受診すべきかの判断基準を解説します。
「異物感」は必ずしもゴミが入っているわけではない
目がごろごろ・コロコロする感覚は、必ずしもまつげや砂などの異物の混入が原因とは限りません。このような感覚は医療では“foreign body sensation(異物感)”と呼ばれ、異物そのものが確認できない場合でも起こりえます。[参照]
原因としては、角膜や結膜の微小な傷、ドライアイやまぶたの裏の状態の変化など、多岐にわたります。これが「洗っても取れない」「鏡では何も見えない」違和感の正体であることが多いのです。[参照]
主な原因①:ドライアイ・涙液のバランスの乱れ
目の表面は涙で潤っていることでスムーズに動き、まばたきやまぶたの裏の刺激があっても摩擦を防いでいます。しかし、涙の量が減ったり、質が悪くなったりすると、この潤滑機能が低下します。すると、まばたきやまぶたの動きで角膜・結膜がこすれてしまい、あたかも“ゴミが入っているような”異物感が生じます。[参照]
たとえばパソコン作業が多い人、エアコン下で過ごす時間が長い人、コンタクトレンズの装用が長時間に及ぶ人などは、涙の蒸発・分泌低下が起きやすいため、ドライアイによる異物感が起きやすいとされています。[参照]
主な原因②:まぶた・まつげの形状や異常(逆さまつげ、まぶた裏の「結膜弛緩」など)
目をよく擦る人や加齢などでまぶたの形状が変わると、まつげが内側に向いたり、まぶたの裏の結膜が緩んだりして、まばたきのたびに角膜や結膜を刺激するケースがあります。これにより、異物がなくても“何か当たっている”ような感覚が生じます。[参照]
特にまぶたの裏に小さなしこりや脂の詰まり(例えばものもらいや霰粒腫)がある場合、異物感やごろつきが慢性化することがあります。[参照]
主な原因③:角膜や結膜の微小な傷・炎症
見た目にはわからないほど小さな傷(例えば角膜の上皮障害や軽い角膜炎)でも、目に触れたような違和感や痛み、異物感を感じることがあります。[参照]
こうした傷は、コンタクトレンズの摩擦、まぶたやまつげの刺激、ドライアイ、紫外線や空気の乾燥などさまざまな原因で起こりえます。頻繁に異物感を感じるなら、角膜炎などの可能性も考慮したほうがいい場合があります。[参照]
軽い異物感への対処方法と注意点
- まずは市販の人工涙液や目薬で潤いを補うこと。ドライアイによる異物感であれば効果がある場合があります。
- まばたきやまぶたの動きに注意 — 目をこすらないようにし、乾燥した場所やエアコンの強風の直撃を避ける。
- コンタクトレンズの使用をいったん中断してみる — レンズが原因の角膜や結膜の刺激が改善することがあります。
- それでも改善しない、痛み・充血・視力低下・異物感が長く続く場合は早めに眼科受診を検討。
迷ったら受診を — “見えない異物感”が示す可能性のある病気
長引く異物感は、ドライアイ、逆さまつげ/まつげの異常、まぶた裏の炎症、角膜炎、結膜炎、ものもらい・霰粒腫、結膜弛緩症など、さまざまな疾患のサインである可能性があります。中には適切な治療をしないと症状が悪化するものもあるため、自己判断せず専門の眼科を受診するのが安全です。[参照]
特に以下の状況がある場合は要注意です。
- 異物感が数日〜数週間続く
- 痛み、強い違和感、まばたきで刺激が増す
- 目の充血、かゆみ、涙、視力の変化がある
まとめ — 「見えないゴミ」ではなく、目の“環境や状態”に注目を
目を洗ってもコロコロ感が取れない場合、「実際のゴミ」が原因であることは少なく、多くは ドライアイ、まぶた・まつげの構造、角膜や結膜の微小な傷や炎症 などが背景にあります。
軽いうちは人工涙液や生活習慣の見直しで改善することもありますが、症状が長引くようなら自己判断せず、眼科での診断を受けることをおすすめします。

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