子宮筋腫などの治療で子宮全摘手術を受けた際、術前にどのような検査が行われ、卵巣がんのリスク評価がどのようにされるのかについて理解しておくことは重要です。この記事では、子宮全摘手術前の一般的な検査内容と、卵巣がんの評価方法について詳しく解説します。
子宮全摘手術前に行われる主な検査
子宮全摘手術を行う前には、患者の全身状態や手術に伴うリスクを評価するため、以下のような検査が一般的に実施されます。
- 血液検査:貧血の有無や肝機能、腎機能、血糖値などを確認します。
- 心電図:心臓の状態をチェックし、手術中のリスクを評価します。
- 胸部X線検査:肺や心臓の状態を確認します。
- 尿検査:尿路感染症や腎機能の状態を評価します。
- 超音波検査(エコー):子宮や卵巣の状態を視覚的に確認します。
これらの検査は、手術の安全性を高めるために重要です。
卵巣がんの評価と検査方法
卵巣がんのリスクが疑われる場合、以下のような検査が行われることがあります。
- 腫瘍マーカー検査:血液中のCA125などの腫瘍マーカーを測定し、卵巣がんの可能性を評価します。ただし、CA125は卵巣がんだけでなく、子宮内膜症や良性卵巣腫瘍などでも上昇することがあるため、単独での診断は難しいです。
- 超音波検査(エコー):卵巣の形態や大きさ、嚢胞の有無などを確認します。特に経腟超音波検査は卵巣の詳細な評価に有用です。
- CT検査やMRI検査:腫瘍の広がりや転移の有無を確認するために使用されます。
- 組織診(生検):疑わしい腫瘍が見つかった場合、組織を採取して良性か悪性かを判断します。
これらの検査は、卵巣がんの早期発見や適切な治療方針の決定に役立ちます。
術前検査で卵巣がんは発見できるか
術前の検査で卵巣がんを完全に発見することは難しい場合があります。特に初期の卵巣がんは無症状で進行が遅いため、超音波検査や腫瘍マーカー検査で異常が見つからないこともあります。しかし、術中に腫瘍が発見された場合、組織を採取して病理検査を行い、良性か悪性かを判断します。悪性が疑われる場合は、追加の手術や治療が検討されます。
まとめ
子宮全摘手術前には、患者の全身状態や手術に伴うリスクを評価するためにさまざまな検査が行われます。卵巣がんのリスクが疑われる場合、腫瘍マーカー検査や超音波検査などが実施されますが、初期の卵巣がんは発見が難しいこともあります。術前検査で異常が見つからなくても、手術中に腫瘍が発見された場合は、適切な対応がなされます。自分の健康状態について不安がある場合は、主治医とよく相談し、必要な検査や治療について理解を深めることが大切です。
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