オルソケラトロジーは、角膜の形状を変化させて視力を矯正する方法です。この治療法を行う前に、正確な角膜データを取得することが重要です。CASIA(光学的角膜断層撮影装置)を使って取得した角膜形状データには、いくつかの重要な指標が含まれており、これらのデータを正しく解釈することで治療計画を立てることができます。今回は、オルソKの対象の方の角膜データの中で特に重要な4つの指標について解説します。
1. Axial Power (軸方向パワー)
Axial Power(軸方向パワー)は、角膜の中央部分の屈折力を示す指標で、オルソケラトロジー治療を行う上で非常に重要です。治療前後のAxial Powerの変化を追うことで、治療がどの程度角膜に影響を与えているのかを確認できます。
治療開始前に計測したAxial Powerが正常範囲内であれば、オルソケラトロジーは安全に適用できることがわかります。治療後はこの指標をモニタリングすることで、適切な効果が得られているかどうかを確認できます。
2. Instantaneous Power (瞬時パワー)
Instantaneous Powerは、角膜表面の瞬時の屈折力を示す指標です。これは治療中の角膜の変形をリアルタイムで評価するために使われ、特に角膜にかかる力を示します。
オルソケラトロジーでは、角膜が一定の圧力にさらされることで徐々に形状が変わります。この指標を測定することで、治療中にどの程度の圧力が角膜にかかっているのか、またその圧力が目に与える影響を把握することが可能になります。
3. Refractive Power (屈折力)
Refractive Powerは、角膜が光を屈折させる能力を示す指標です。オルソケラトロジー治療後、角膜の屈折力がどのように変化するかを追跡することで、治療がどの程度視力改善に貢献しているのかを理解できます。
この指標を利用して、患者の視力がどの程度改善されているかを把握し、治療の効果を確認します。治療前後で屈折力が変化することは、オルソケラトロジーの成功のサインといえます。
4. Elevation (標高)
Elevationは、角膜の前面または後面の高さ(標高)を示す指標で、角膜の形状の変化を評価するために使用されます。特に、角膜中央部や周辺部の標高の変化を追跡することで、オルソケラトロジー治療が角膜に与える影響を理解できます。
治療前後で標高がどのように変化したかを見ることで、オルソケラトロジーが角膜のどの部分に影響を与えたかを把握できます。通常、治療後は角膜の標高が変化し、その変化は視力の改善に寄与します。
5. まとめ: オルソケラトロジーの過程とデータの変化
オルソケラトロジー治療では、角膜の形状の変化を正確に追跡することが非常に重要です。CASIAで得られるデータを基に、治療前後での変化をモニタリングすることで、治療の効果を確認し、必要な調整を行うことができます。
Axial Power、Instantaneous Power、Refractive Power、Elevationは、すべてオルソケラトロジー治療の重要な指標であり、治療の成功を左右します。これらのデータを元に治療計画を立て、定期的に評価を行うことが、患者にとって最適な視力改善をもたらすために必要です。
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