歯の詰め物(CR:コンポジットレジン)は、時間が経つにつれて着色や劣化が見られることがあります。特に前歯など目立つ部分に茶色い線や境目が見えると、見た目が気になり交換を考える方も多いでしょう。この記事では、詰め物の着色や劣化が気になる場合における交換の是非や、保険適用の可否について詳しく解説します。
詰め物と歯の境目にできる茶色い線の正体
詰め物と天然歯の境目に見られる茶色い線は、主に着色汚れ(ステイン)か、詰め物自体の劣化によるものです。飲食物に含まれる色素(コーヒー、紅茶、カレーなど)や喫煙の影響で徐々に着色されるほか、詰め物の材質が経年で劣化し、境目が浮いてしまうことで汚れが入り込みやすくなることもあります。
また、歯ぎしりや強いブラッシング圧などの外的要因により、詰め物と歯の密着性が失われてくることも原因となります。放置すると虫歯の再発につながることもあるため、単なる審美目的だけでなく、口腔衛生の観点からも対処が必要です。
着色が気になる場合の対処法
境目の着色が軽度である場合には、歯科医院でのクリーニング(PMTC)やポリッシングによってある程度改善できることがあります。また、研磨剤入りの歯磨き粉やホワイトニング効果のある歯磨き粉でケアすることで、表面の着色を薄くすることも期待できます。
ただし、詰め物との境目の深部に色素が入り込んでいる場合や、詰め物自体が変色している場合には、クリーニングでは限界があり、交換が望ましいこともあります。
詰め物の交換は保険適用されるのか?
詰め物の交換について、基本的に以下のような判断基準があります。
- 機能的に問題がある場合(虫歯、脱離、亀裂など):保険適用される可能性が高い。
- 見た目が気になる、着色が気になるといった自己都合:原則として保険適用外(自費診療)になることが多い。
ただし、境目の着色が単なる審美的な問題ではなく、隙間からの細菌侵入や虫歯のリスクがあると歯科医師が判断すれば、保険内での交換が可能になるケースもあります。まずは歯科医院で診察を受け、状況をしっかり診断してもらいましょう。
審美目的でのCR交換の費用相場
保険外でのCR交換になる場合、費用はクリニックや部位によって異なりますが、一般的には以下のような価格帯になります。
施術部位 | 費用目安(自費) |
---|---|
前歯1本あたり | 5,000円〜15,000円 |
奥歯1本あたり | 3,000円〜10,000円 |
審美性に特化した高品質なレジンを使用した場合や、複数箇所の同時施術を行う場合には、さらに費用がかかる場合もあります。
前歯の美しさを保つためにできること
前歯は特に目立つ部位のため、定期的なメンテナンスが重要です。以下のような習慣を意識することで、着色や劣化を予防できます。
- ステインの付きやすい飲食物の後はうがいまたは水を飲む
- 柔らかい毛の歯ブラシで優しく磨く
- 定期的に歯科でクリーニングを受ける
- 着色の原因になるタバコやカフェイン摂取を控える
まとめ
詰め物(CR)の境目の茶色い線が気になる場合は、まずは歯科医院で状態を診てもらいましょう。虫歯や詰め物の不具合が認められれば、保険適用での交換が可能な場合もあります。ただし、審美目的だけの場合は保険外になることが多いため、事前に費用や施術内容について医師とよく相談することが大切です。美しい口元を保つためにも、日々のケアと定期的なメンテナンスを心がけましょう。
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