肩の痛みで腕が上がらない場合、整形外科とペインクリニックのどちらに行くべきか迷うことがあります。肩の痛みにはさまざまな原因があり、それによって適切な診療科が異なります。本記事では、整形外科とペインクリニックの違いや受診の判断基準を解説します。
肩が上がらない原因|考えられる主な疾患
肩の痛みで腕が上がらない場合、以下のような疾患が考えられます。
1. 五十肩(肩関節周囲炎)
40代以降の方に多く、肩関節の炎症によって可動域が制限される病気です。痛みが徐々に強くなり、腕が思うように動かせなくなります。
2. 腱板損傷・腱板断裂
肩のインナーマッスル(腱板)が傷ついたり、断裂したりすると、肩を動かしたときに痛みが出ます。転倒やスポーツによる負傷が原因となることが多いです。
3. 石灰沈着性腱板炎
肩の腱板にカルシウムが沈着することで炎症が起こる病気です。突然の強い痛みが特徴で、腕を動かすことが困難になります。
4. 関節リウマチや神経障害
関節リウマチが原因で肩の関節に炎症が起きることもあります。また、頸椎の問題が影響して神経障害を引き起こし、肩の痛みやしびれが現れるケースもあります。
整形外科とペインクリニックの違いとは?
整形外科とペインクリニックは、それぞれ異なる役割を持っています。
診療科 | 特徴 | 適した症状 |
---|---|---|
整形外科 | 骨・関節・筋肉・神経の診断と治療を専門とする | 骨折、捻挫、腱板損傷、五十肩、関節リウマチ |
ペインクリニック | 神経ブロック注射などを用いた痛みの緩和が専門 | 慢性的な肩の痛み、神経痛、頸椎からの関連痛 |
どちらを受診すべきか?判断のポイント
1. まずは整形外科へ
肩の痛みの原因を正確に診断するために、まずは整形外科を受診するのが基本です。レントゲンやMRI検査で骨や関節、筋肉の異常を確認してもらいましょう。
2. 整形外科で改善しない場合はペインクリニック
整形外科での治療(リハビリや薬物療法)を受けても改善しない場合は、ペインクリニックで神経ブロック注射などの痛みを抑える治療を検討するとよいでしょう。
肩の痛みを和らげるためにできること
1. 適切なストレッチ
軽度の肩の痛みであれば、肩の可動域を広げるストレッチが有効です。ただし、強い痛みがある場合は無理に動かさないようにしましょう。
2. 湿布や塗り薬の活用
炎症がある場合は冷湿布、血流を改善したい場合は温湿布を使うと痛みが軽減されることがあります。
3. 適度な安静
無理に動かしすぎると症状が悪化することがあるため、痛みが強いときは適度に肩を休めることも大切です。
まとめ
右肩の痛みで腕が上がらない場合は、まず整形外科を受診し、正確な診断を受けることが重要です。もし整形外科での治療で改善しない場合は、ペインクリニックでの痛みの管理を検討するのがよいでしょう。
肩の痛みが長引くと、日常生活に支障をきたすこともあるため、早めの対応を心がけましょう。
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