差し歯(被せ物)の臭いが気になり、歯医者に相談したものの、特に対応してもらえなかったという経験をした方もいるのではないでしょうか。その理由として、「保険の差し歯の2年ルール」が関係している可能性があります。
本記事では、保険適用の差し歯の2年ルールとは何か、臭いの原因や対策、そして作り直しの条件について詳しく解説します。
保険の差し歯の2年ルールとは?
日本の健康保険制度では、差し歯(被せ物)やブリッジなどの補綴治療には「2年間の再作製制限」があります。これがいわゆる「2年ルール」です。
✔ 2年ルールの基本
健康保険を使って作った差し歯は、以下のような条件がない限り、原則として2年間は保険適用で作り直すことができません。
- 差し歯が壊れたり、脱落した場合
- 虫歯や歯周病によって再治療が必要になった場合
- 明らかに機能的・審美的な問題が生じた場合
単に「においが気になる」「違和感がある」という理由だけでは、2年以内に作り直すことが難しいことが多いです。
✔ 2年経過後は作り直せる?
2年が経過すれば、保険適用で新しく差し歯を作り直すことが可能になります。ただし、歯医者によっては、問題がないと判断されると作り直しを勧められない場合もあります。
差し歯の臭いの原因とは?
差し歯の臭いの原因はいくつか考えられます。以下のポイントをチェックして、臭いの原因を特定しましょう。
✔ 差し歯の内部に汚れが溜まっている
差し歯と歯ぐきの間に食べカスや細菌が溜まることで、臭いの原因となることがあります。
- 歯ブラシが届きにくい部分に汚れが溜まりやすい
- フロスや歯間ブラシを使わないと汚れが取れない
✔ 差し歯の内側の接着が劣化している
差し歯と歯の間にできた隙間に細菌が侵入し、内部で繁殖することで臭いが発生することがあります。
- 保険の差し歯はプラスチック製で劣化しやすい
- 接着剤が剥がれ、内部に細菌が侵入しやすくなる
✔ 口腔内の乾燥
口が乾燥すると、細菌が繁殖しやすくなり、臭いが強くなることがあります。
- 口呼吸の習慣がある
- ストレスや加齢による唾液の減少
✔ 歯周病の影響
差し歯自体に問題がなくても、歯周病が進行していると口臭の原因になることがあります。
- 歯ぐきの腫れや出血がある
- 歯ぐきが下がり、差し歯と歯ぐきの間に隙間ができている
差し歯の臭い対策
臭いを改善するために、日常のケア方法を見直しましょう。
✔ 歯間ケアを徹底する
歯ブラシだけでは届かない汚れを除去するため、デンタルフロスや歯間ブラシを使うことが重要です。
- フロスで差し歯の周りを毎日掃除する
- 歯間ブラシを使い、隙間に溜まった汚れを取り除く
✔ マウスウォッシュを活用する
口臭予防には、抗菌作用のあるマウスウォッシュを使うと効果的です。
- アルコールフリーのものを選ぶと口が乾燥しにくい
- 就寝前に使用すると、寝ている間の細菌繁殖を抑えられる
✔ 歯科クリーニングを定期的に受ける
歯医者でのクリーニングを受けることで、歯ブラシでは落とせない汚れを除去できます。
- 3~6ヶ月ごとに歯科検診を受ける
- プロフェッショナルクリーニングで汚れを除去する
2年ルールがある場合の対応策
もし2年ルールのために作り直しができない場合は、以下のような対策を検討しましょう。
✔ 2年経過後に作り直す
2年が経過すれば、再作製が可能になるため、そのタイミングで歯医者に相談するのが一つの方法です。
✔ 自費診療での作り直し
保険適用外にはなりますが、セラミック製の差し歯にすると、耐久性が高く、臭いも発生しにくくなります。
✔ 別の歯医者に相談する
歯医者によっては、より丁寧に対応してくれる場合があります。セカンドオピニオンを求めるのも選択肢の一つです。
まとめ
保険の差し歯には「2年ルール」があり、原則として2年間は作り直しができません。しかし、虫歯や機能的な問題がある場合は例外となることもあります。
- 臭いの原因は「汚れ」「劣化」「歯周病」の可能性がある
- 歯間ブラシやマウスウォッシュで日常ケアを徹底する
- 2年経過後に作り直しを検討する
- 自費診療でセラミックの差し歯にする選択肢もある
気になる場合は、歯医者に相談し、適切な対策を取りましょう。
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