メジャートランキライザー(抗精神病薬)は統合失調症や躁うつ病などの治療に使われる薬ですが、副作用として身体のさまざまな部位に影響を及ぼすことがあります。特に、口の中の違和感や痛み、腫れが生じる場合は注意が必要です。この記事では、その原因や対処法を医療的な視点から解説します。
1. メジャートランキライザーと口腔内の副作用
メジャートランキライザーの一部には、唾液分泌の低下や筋肉のこわばりなどを引き起こす作用があります。これが口腔内の環境を変化させ、口内炎や歯肉炎、さらには舌や頬の腫れといった症状を招くことがあります。代表的な薬剤として、ハロペリドールやリスペリドン、オランザピンなどが挙げられます。
また、一部の人では免疫反応や薬剤アレルギーによって、粘膜の炎症や潰瘍ができるケースもあります。これらは放置すると痛みが強くなり、食事や会話に支障をきたすこともあります。
2. よく見られる口内の症状
メジャートランキライザーの副作用として見られる口腔内症状には以下のようなものがあります。
- 口の中の乾燥(ドライマウス)
- 口内炎・舌炎
- 唇や頬の腫れ
- 舌の痛み・しびれ
- 顎や舌の不随意運動(遅発性ジスキネジア)
特に「口が腫れる」「痛みが続く」といった場合には、炎症や感染症を伴っている可能性があり、自己判断で放置するのは危険です。
3. 副作用が起きる原因
主な原因としては、以下の3つが考えられます。
- 唾液分泌の減少:薬の抗コリン作用により唾液が減少し、口内の自浄作用が低下します。
- アレルギー反応:薬剤に対するアレルギーで粘膜が炎症を起こすことがあります。
- 筋肉のこわばり:薬の作用で口や舌の筋肉がこわばり、摩擦が生じて痛みや炎症を引き起こす場合があります。
4. 対処法と医療機関を受診するタイミング
口の中に異常がある場合は、まず主治医に相談し、薬の調整を検討してもらいましょう。自己判断で服薬を中断するのは危険です。医師は副作用の程度を見極め、薬の変更や口腔ケアの指導を行ってくれます。
また、症状が軽い場合でも、以下のセルフケアを行うことで改善が期待できます。
- こまめに水分を摂取する
- アルコール入りのマウスウォッシュを避ける
- 口内を清潔に保つ(柔らかい歯ブラシを使用)
- 刺激物(辛い食べ物・酸味の強いもの)を避ける
もし口の中の腫れがひどい、痛みが続く、発熱を伴うなどの場合は、早急に歯科口腔外科または内科で診察を受けることが大切です。
5. まとめ
メジャートランキライザーによる口腔内の副作用は珍しくありませんが、適切な対応で改善できることが多いです。口の中に腫れや痛みがある場合は、自己判断せず医師に相談し、薬の調整やケア方法を見直しましょう。副作用を正しく理解し、安心して治療を続けることが重要です。


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