犯罪者でも「いい人に見られたい」欲求は存在する?心理・行動・防犯観点からの解説

メンタルヘルス

「あの人、いい人に見える」──こう思える人が、実は犯罪行為を行っていたというニュースを耳にしたことは少なくありません。実際、犯罪者の中には社会的に〈信頼される人物像〉を演じようとする者が存在し、防犯・安全の観点からもその傾向を知っておくことは有益です。この記事では、犯罪者が「いい人に見られたい」という願望を持つケースがあるという研究的・心理学的視点から整理し、防犯的に注意すべきポイントを紹介します。

「いい人に見られたい」心理の背景と犯罪行動との関係

まず、犯罪者が自分自身を「良い人」「まともな人間」と認識したり、他人にそう見てもらいたいと思う背景には、心理学的に以下のようなメカニズムが関与しています。

・自分の行為が社会規範から逸脱していても、自己イメージに矛盾を起こしたくないため「自分は良い人だ」という説明を無意識に作る傾向があります。例えば、犯罪をおかした者が「被害者も悪かった」「自分には例外がある」という理屈を持つことがあります。([参照](https://www.psychologytoday.com/us/blog/inside-the-criminal-mind/201105/the-criminal-views-himself-good-person))

・また、犯罪者が他人に好印象を与えることで信頼を得たり、支援を受けたり、監視を逃れたりするために〈印象操作〉(impression management)を行うことがあると報告されています。([参照](https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0092656611001577))

犯罪者が「いい人に見える」ケースの特徴

犯罪者が〈好人物像〉を演じるとき、しばしば次のような特徴が見られます。

  • 礼儀正しく、地域行事やボランティアに参加しているように見える。
  • 外見や言動が魅力的・社交的で、信頼を築くのが上手。
  • 過去に逮捕・処罰を受けたことがない、もしくはそれを隠している。

具体例として、あるインタビューでは“長年にわたって多数の殺人を行った人物”が「自分はいい人だと思っている」「誠実に働いてきた」と主張していたことが報告されています。([参照](https://www.psychologytoday.com/us/blog/inside-the-criminal-mind/202112/hitman-good-person))

防犯観点で知っておくべき注意点

こうした傾向を前提に、防犯・安全の観点から次のような視点を持つことが有効です。

  • 信頼できる印象=安全とは限らない:魅力的・親切に見える人でも、他の言動・背景を確認する視点が大切です。
  • 矛盾する言動に気づく:例えば「約束を破る/説明が変わる/被害者を非難する」など、信頼感と行動のギャップがある人には警戒が必要です。
  • 境界設定と自分の直感も大切:誰かの「いい人」としての印象だけを鵜呑みにせず、自分の直感・違和感も大事にしましょう。

印象操作だけでは防げない?限界と理解しておきたいこと

ただし、「いい人に見られたい」という欲求があるからといって、すべての犯罪者がそのような印象操作をしているわけではありません。また、信頼を得た上で犯罪を行うケースもあれば、逆に目立たない印象の人物が重大な犯罪を起こすこともあります。

つまり、防犯のためには「印象だけで判断しない」「行動・背景・言動の整合性を観察する」という姿勢が必要です。

まとめ

犯罪者の中には、〈いい人に見られたい〉という欲求や、社会からの信頼を得ることで犯罪機会を拡大しようとする傾向が認められます。しかしこれはすべてに当てはまるわけではなく、印象そのものが安全を保証するものではありません。防犯を意識するうえでは、好印象を受けた相手でも〈言動の一貫性・背景・直感〉を併せて確認し、「いい人=安全」という思い込みを持たないことが重要です。

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