パニック発作は、突然の強い不安感や動悸、息苦しさなどを伴う症状であり、適切な治療を受けることが大切です。しかし、医師との相性や治療方針が合わず、思うような治療を受けられないケースもあります。この記事では、パニック発作の適切な治療方法と、転院を考える際のポイントについて解説します。
1. パニック発作とは?
パニック発作は、突然の恐怖感や不安感を伴い、以下のような症状が現れることが特徴です。
- 動悸や息切れ
- めまいやふらつき
- 発汗や震え
- 胸の痛みや圧迫感
- 吐き気や腹部の不快感
- 死の恐怖や現実感の喪失
これらの症状が短時間でピークに達し、強い恐怖感を伴います。パニック発作が繰り返されると、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。
2. パニック発作の治療方法
パニック発作の治療には、大きく分けて薬物療法と認知行動療法があります。
① 薬物療法
パニック発作の治療に用いられる薬には、以下のようなものがあります。
- 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) – 例:パロキセチン(パキシル)、エスシタロプラム(レクサプロ)
- ベンゾジアゼピン系抗不安薬 – 例:アルプラゾラム(ソラナックス)、ロラゼパム(ワイパックス)
- 三環系抗うつ薬 – 例:イミプラミン(トフラニール)
SSRIはパニック発作の治療において一般的に使用され、副作用が比較的少なく、長期的な予防にも役立ちます。一方で、即効性を求める場合は抗不安薬が処方されることがあります。
② 認知行動療法(CBT)
パニック発作の治療には、認知行動療法(CBT)が有効です。これは、不安を引き起こす思考パターンを修正し、適切に対処できるようにする方法です。
例えば、以下のような対処法が含まれます。
- 発作時の呼吸法(深呼吸や腹式呼吸)
- 恐怖を引き起こす思考の修正
- 徐々に不安な状況に慣れるエクスポージャー療法
心理療法は、根本的な原因にアプローチできるため、長期的な改善が期待できます。
3. 主治医の対応が合わない場合の対策
治療を受ける上で、主治医との相性は非常に重要です。もし、医師が適切な治療をしてくれないと感じた場合、以下の対策を検討してみましょう。
① 代診医に相談する
現在の病院で、別の医師(代診医)に診てもらうことで、より良い治療方針を提案してもらえることがあります。代診医が適切な治療をしてくれる場合、その医師に継続して診てもらえないか相談してみましょう。
② 転院を検討する
主治医の治療方針が合わない場合、他の病院への転院を検討するのも一つの選択肢です。転院を考える際のポイントは以下の通りです。
- 新しい病院を探す(精神科・心療内科の評判を調べる)
- 現在の病院に紹介状を依頼する(診療情報を引き継げるようにする)
- 転院希望の病院に電話で確認する(予約の取り方や治療方針を相談する)
4. 転院の流れと注意点
転院をスムーズに進めるためには、以下の手順を踏むと良いでしょう。
① 現在の病院で紹介状をもらう
紹介状があると、転院先の医師がこれまでの治療歴を把握しやすくなります。
② 転院希望の病院に連絡する
転院先の病院に事前に電話をし、予約の取り方や治療方針について確認しておきましょう。
③ 初診時に詳細な症状を伝える
新しい病院の初診では、現在の症状や治療履歴をできるだけ詳しく伝えましょう。どのような治療を希望しているかもはっきり伝えると、スムーズに治療が進みます。
5. まとめ
パニック発作の治療では、適切な薬物療法と心理療法が重要です。しかし、主治医の治療方針が合わない場合、代診医への相談や転院を検討することも大切です。
転院を決める際は、紹介状をもらい、新しい病院に事前に相談することでスムーズに移行できます。また、転院先の医師にも、自分の症状や希望する治療をしっかり伝えることが重要です。
精神科の転院は勇気のいる決断ですが、自分に合った治療を受けることが最優先です。適切なサポートを受けながら、安心できる治療環境を見つけましょう。
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