溶連菌、扁桃炎、ヘルパンギーナの違いと症状の特徴

風邪や感染症に似た症状が現れたとき、診断名がいくつか考えられ、混乱することがあります。特に、溶連菌、扁桃炎、ヘルパンギーナは、症状が似ていることも多く、どの病気にかかっているのか分かりづらいことがあります。この記事では、それぞれの病気の特徴や症状の違いについて解説します。

溶連菌感染症の特徴

溶連菌感染症は、A群β溶血性連鎖球菌（通称：溶連菌）による細菌感染です。この感染症は、喉の痛みや発熱、そして赤みが強い喉の腫れを引き起こします。特に小児に多く見られ、喉に白い膿がつくこともあります。

溶連菌の感染症は、発症後数日で治療を始めることが重要で、早期の抗生物質による治療が効果的です。症状が悪化する前に、しっかりと治療を受けることが大切です。

扁桃炎は、扁桃腺が炎症を起こして腫れる病気で、ウイルスや細菌が原因で発症します。喉の痛み、発熱、そして喉の腫れが一般的な症状です。扁桃炎は、溶連菌感染症と症状が似ていることが多いですが、溶連菌によるものではなく、ウイルスや他の細菌が原因の場合があります。

扁桃炎はウイルス性である場合、薬による治療は難しく、対症療法が主になります。しかし、細菌性の場合は、抗生物質を使って治療することが必要です。

ヘルパンギーナは、主にエンテロウイルスが原因で引き起こされる感染症で、特に夏から秋にかけて流行します。喉の痛みに加えて、口内に小さな水疱ができることが特徴です。これらの水疱は後に潰れて痛みを引き起こします。

ヘルパンギーナは、風邪のような症状を伴うこともありますが、特に口内の水疱が特徴的です。また、発熱が高くなることも多いですが、症状は比較的短期間で回復します。

お子様が発熱し、喉に白いぶつぶつ（口内炎のようなもの）が見られた場合、ヘルパンギーナの可能性も考えられます。ヘルパンギーナは特に小児に見られる病気で、口内に水疱が現れるため、この症状が確認できる場合はヘルパンギーナの可能性が高いです。

一方で、溶連菌感染症や扁桃炎も似たような症状を引き起こすため、診断を確定するためには専門医による検査が重要です。検査を受けた結果、溶連菌が陰性であった場合でも、他の感染症の可能性を考慮する必要があります。

溶連菌、扁桃炎、ヘルパンギーナは、いずれも喉に痛みを伴う感染症ですが、原因となる病原体や治療法に違いがあります。症状に合わせた適切な治療を受けるためには、医師による診断が欠かせません。お子様の症状が続く場合や悪化する場合は、再度医療機関を受診し、正確な診断を受けることをおすすめします。